徒然なるままに

以前、あるサイトで五能線のさよなら列車の話をしたところ、「写真を見たい」という問い合わせがありましたので、HP開設の第一弾として、「思い出の世界へいらっしゃい」では、この写真をとりあげてみることにしました。以下の文章は、そのサイトに掲載したものです。


私が初めて五能線を訪れたのは現役蒸機末期の頃です。北海道に行くのに、ほんの寄り道のつもりでしたが、現地に着いたら「あしたはさよなら運転だ」と聞いたので、予定を変更してもう一日いることにして、今日のところは青森駅の待合室で夜を明かそうと思い、ハチロクの引く列車にゆられながら、冬の日本海をぼんやり眺めていました。

夕暮れの蒼さと、時折吹雪く鉛色の空と海が相俟って、無性に寂しかったのを覚えています。ところが岩館の駅に着くと車内アナンスで、「風が強いのでここで運転を中止します。」との事。(あの事故の直後だったからでしょう)

仕方なしに、車内で知り合った仲間と、駅員さんに教えて頂いた海辺の宿に向かって暗い夜道をとぼとぼと歩きました。真っ暗でなにも見えませんが海鳴りが地響きのように聞こえています。

宿ではとても温かくもてなしてくださり、そして蒸機談義にも花が咲き、夜が更けるのも忘れ、海鳴りもいつのまにか心地良いBGMになっていました。

明くる朝、朝食の後、「二階から見える景色はなかなかいいよ。」宿の御主人のすすめで、浴衣のまま、ぞろぞろと二階にあがり、そしてカーテンをおもいっきり開けてみると、私達は一瞬言葉を失いました。

目の前は、すぐ海で、そそり立つような岬がいくつも突き出していて、大きな岩場に波が砕け散り、強い風のため、積もる事を許されない雪たちが縦横無尽に舞っています。冬の日本海、あまりに心をかきむしるようなその風景に、皆、言葉を発するのをはばかられてしまったようでした。

宿を辞して、鉄道誌などでも有名な撮影地にいきましが、さよなら列車だというのに私達以外誰もいません。天気はあいかわらずで、風が強く、雲が低く垂れ込めて、雪がちらちらと降っています。

さよなら列車は、五能線では珍しいハチロク重連でした。この頃、さよなら運転というと、かなり派手なデコレーションが施され、日章旗などを付けてにぎにぎしかったのですが、五能線のさよならは、ランボードに白い線をうっすらと引いただけのシンプルなものでした。二度と帰らぬ旅路に白線だけとは、とても哀れに思えましたが、かえってこの事が強い印象となっていまだに鮮明に覚えています。

五能線にハチロクの汽笛、これがまた似合うんです。あの、そこはかとない汽笛が、日本海の風にあおられて・・・。


文章中に個人名などがありましたので、それは割愛させていただきました。しかし、当時の写真を引っ張り出してみると、あまりにも下手で、とても人様にお見せできる物ではないというのが実感でした。しかし、そこは、まぁ、ご愛嬌という事でご勘弁をいただき、記録として御覧いただければと思います。そして、留萌本線では、ご存知のように「すずらん」で最近復活した線区ですので、当時との比較の面白さもあって掲載してみました。

IT革命などと騒がれていますが、自分をとりまく環境で、どれほどの影響があるのか見当もつきません。ただ漠然とした脅威のようなものは感じています。そのような中で自分のホームページを開設するというのは、IT革命という荒波のなかに自分から漕ぎ出して行く小船のような気がしました。ささやかなチャレンジかもしれません。

ホームページを開設するにあたり、いろいろな方にお世話を頂きましたが、フォトランド・アリス花の木様には、作成代行だけではなく、適切なアドバイスなど、私にとりまして頼もしい存在でした。

ホームページを開設した事により、どのような世界が見えてくるのか、怖いもの見たさもありますが、これから先が楽しみです。


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Last Updated  2003-06-12