チェロの部屋

(写真:ロストロポーヴィッチの手)


 チェロに関係のある本

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<チェロに関係のある本>

『回想のカザルス』井上頼豊(新日本新書/1996)

カザルスを敬愛してやまない筆者のカザルス賛歌。1961年、カザルスは85歳で初来日して、東京で公開レッスンをした。そのレッスンを受けた筆者の詳細なレッスン記録が興味深い。



『私のイリノイ日記――チェロとともに』堤剛
(音楽之友社/1991)

 インディアナ大学音楽部でチェロを教えつつ、今日はヴァンクーヴァー、明日は東京、あさってはウィーンと、演奏旅行に世界中を飛びまわるチェリストの興味深い日記。アンサンブルを組むさまざまな演奏家の優れた点を感じ取り、つねに学んで豊かな音楽をつくろうとする姿勢が印象的。巻末に、恩師ヤーノシュ・シュタルケルとの対談がおさめられている。

『チェロを生きる』堤剛(新潮社/2002)

 幼くして斎藤秀雄にチェロを習い始め、中学生で音楽コンクールに優勝し、フルブライト奨学金をもらってアメリカに留学、カナダ、アメリカの大学で教えつつ、世界で活発な演奏活動を続ける堤サンが自分のチェロ人生を振り返る。チェロという楽器や演奏法についての具体的な話が面白いし、ピアティゴルスキーにこう言われたとか、小学生どうしの中村紘子ちゃんといたずらして遊んでいたとかいう類いの話がすごい。チェロはピアノやバイオリンにくらべて簡単な楽器だから、アマチュアの人もどんどんやってみませんか、とアジるあたり、音楽教師としても優れた人なのだろう。

『Echoes from the Square』文・Elizabeth Wellburn/絵・Deryk Huston(Rubicon Publishing Inc./1998)

 1992年戦火のボスニアで、爆撃の犠牲になった22人の市民を追悼するために、狙撃兵の銃がねらうサラエボ市内の通りで22日間チェロを弾き続けたチェリストを描いた絵本。希望を失っていた主人公の少年がその姿を見、音楽を聴いているうちに、勇気と平和への希望を取り戻していく。Vedran Smailovicという実在のチェリストの実話をもとにしているという。ロシア的な雰囲気のある絵が魅力的。巻頭に「この本は、個人でも世界を変えられるのだということを証明している」というヨーヨー・マの賛辞が載っている。
(。編集者の方へ→この本を翻訳出版したいと思われる方はご連絡ください。もう訳文はできています)



『The Cello of Mr. O』文・Jane Cutler/絵・Greg Couch(Dutton Children's Books/1999)

 これも上記の本と同じ実話をもとにした絵本。チェリストはかつては有名だったが、いまは世をすねた意固地な老人として描かれている。爆撃に怯える子どもたちが、ばかにしてからかっていたその老人のチェロの音に励まされ、勇気を取り戻していく物語。子ども向けということを考えたのか、文も絵もやさしい感じ。戦争の悲惨さよりも、頑固じいさんと子どもの心の交流に重きが置かれている。



『パブロ・カザルス鳥の歌』ジュリアン・ロイド・ウエッバー・池田香代子訳(ちくま文庫/1996)

 「私はたえず練習する。私は鳥が飛ぶのとおなじように、いとも簡単にチェロを弾くといわれてきた。私は鳥が飛ぶことをおぼえるのにどれほど努力するものかは知らないが、どれほどたくさんの努力が私のチェロに注ぎ込まれているかはよく知っている。いとも簡単に見える演奏は最大の努力からしか生まれない」――パブロ・カザルス
……というようなカザルスの言葉が拾い集められた本。



『カザルスへの旅』伊勢英子(中公文庫/1997)

 日常生活のなかで疲れ、精神的にぎりぎりに追いつめられた作者が、カザルスの生まれ故郷へと旅することによって何かをつかみ、自分を肯定するまでの、とてもとてもひたむきな本。



『1000の風 1000のチェロ』いせひでこ(偕成社/2000)

 神戸淡路大震災復興支援チャリティ「1000人のチェロ・コンサート」に参加した作者の経験から生まれた素敵な絵本。「チェロを弾く人の姿は、私には、人が自分の影を抱きしめているようにみえてならない」と言ういせひでこさんの描くチェロ弾きの絵は静かでやさしい。



『カザルスの海へ――世界わが心の旅カタロニア』安野光雅(NHK出版/1996)

 「わたしの母は1856年に生まれたが、母が生まれたその同じ家に60年後、マルティータ(*カザルスの60歳下の妻)の母が生まれた。両方の母が生まれた日が同じで、11月の13日だった。これが単なる偶然の一致ということですまされようか」というカザルスの言葉を引用し、安野サンは「わたしがカザルスのお母さんの絵を描いたのは1994年11月の13日の日曜日だった。もちろん、このことは絵を(*サンサルバドルのカザルス記念館の)館長さんに渡した夜、改めて本を見るまで気がつかなかった」と思い入れを激しくする。
(ちなみに、当 K's Library の館長のもとにチェロがきた日も11月13日だった。「これが単なる偶然の一致ということですまされようか」!?)



『チェロと宮沢賢治――ゴーシュ余聞』横田庄一郎(音楽之友社/1998)

 賢治とチェロとの関係を足で調査し、推理することによって、賢治を新たな視点からとらえようとする本。なにしろ賢治が上京してプロのチェリストに習ったのは3日間だけだし、ほとんどない資料で一冊本を書こうとしているので、途中で息切れしている。賢治がチェロのf字孔から筆を差し込んでサインした「1926.K.M」の写真がすてき。



『チェロ、こころの旋律』藤原真理(大和書房/1991)

 日本の代表的チェリストの一人が、プロのチェリストの生活とは、どういう暮らしなのかをつづったエッセイ集。1998年、宮沢賢治没後65年の9月21日に岩手県花巻市で開かれた賢治祭で、藤原真理サンは賢治のチェロを弾いた。彼女は「調整すれば、まだまだ使えるいいチェロ」(新聞記事から)と言ったそうだ。



『ハルモニア』篠田節子(マガジンハウス/1998)

 脳に損傷を受け、音楽的才能を司る部分だけが異常に発達した少女が、チェロを初めて手にとって数週間でバッハの無伴奏組曲を弾いてしまうミステリー+オカルト的小説。「まさかあ〜、まさかあ〜」と思いつつも一気に読まされてしまう。



『風のジャクリーヌ――ある真実の物語』ヒラリー・デュ・プレ/ピアス・デュ・プレ、高月園子訳(ショパン/1999)

 イギリスの誇る天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ(1945-1987)の姉と弟が書いた「わが家の天才」(本書の原題が"A Genius in the Family")の追想録。家族に天才を持つということは、実にたいへんなことなのだなということがよくわかる。この本は、その天才のために犠牲になり、自分の存在がかすんでしまった姉と弟の復讐のようにも見える。これを映画化した『ほんとうのジャクリーヌ』(原題 "Hilary and Jackie")は、その天才自身を卑小な、単なるヒステリー女のように描いていて、もっといやみだった。

 


『わが子、ヨーヨー』マリナ・マ/ジョン・A・ラロ(編)、木村博江訳(音楽之友社/2000)

 副題に「母が語る“天才”ヨーヨー・マの少年時代」とあるとおりの本。やっぱり天才音楽家は、音楽に深い理解を持った親のもとにしか生まれないと、つくづく思わされる。本自体は、親としての勝手な感慨をつづっただけのもので、ヨーヨー・マその人と、あるいはその音楽とはあまり関係がない。



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<チェロ関連のwebサイト>


1000人のチェロ・コンサート
阪神・淡路大震災の被災者たちを元気づけるために神戸で開かれた、第一回1000人のチェロ・コンサートについてのページ。その後、このチェリストたちの輪は日本全国に広まっている。とても楽しいので、近くで開かれるときは、自分のウデはかえりみず、とりあえず参加してみよう!

Oh! That Cello!
チェロとチェロ・アンサンブルのためのページ。チェロに関連する情報満載。チェロをはじめとする音楽関連サイトへのリンクも充実している。

セロ弾きのゴーシュとその仲間たち
「賢治のようにチェロと自然を愛する人たち」のページ。東洋人で初めてカザルスの弟子になった佐藤良雄の著書『カザルスへの思慕』(私家版)が(まだ一部だが)ここで読める。


Internet Cello Society
世界70数カ国に住む約5000名のプロ・アマチュアのチェリストが参加する、インターネット上のチェリスト組織。


Shinko Hanaoka
英国ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団のチェロ奏者・花岡伸子(はなおかしんこ)さんのサイト。コダーイのSolo SonateやバッハのPrelude in Gの演奏をまるごと聞けるおしゃれなページ。


タカス音楽教室
『やさしいチェロ入門1・2』(ドレミ出版)の著者、鷹栖光昭氏が、チェロの練習方法や楽器の管理保守などについて、ネット上でこまかく指導している。


Cellistin and Works
ニューヨーク在住の日本人チェリストCellistinさんによる、チェロの関するさまざまな情報のページ。




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