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中国におけるGISの動向
 張輝       2002年1月5日、3月25日修正




・・・地理情報学は、古代ガイアの総合学として発展してきた地理学の母胎から、情報科学を父として生まれた先端的科学であるとも言える・・・。地理情報学は地理学の優れた遺伝形質を十分に継承すべきであるし、一方地理学は、計量地理学と平行的に開発が進んできたGIS、及び地理情報学などの新鋭分科学に助けられて、永遠的に女性的なプロダクティブサイエンスとして一門の繁栄をはかるべきであろう。

野上道男 岡部篤行 貞広幸雄 隈元崇 西川治『地理情報学入門』(東大出版会、2001年)

      
(C) http://www.xminfoport.com/gis/


平成14年2月20日に、日本は2002年度から2005年度までの、日本のGISの整備・普及をより確かなものとするための行動計画として、「GISアクションプログラム2002-2005」を決定した。この中でGISは、「e-Japan重点計画を具体化し、行政の情報化を通じた公共サービスの質の向上や、新しいビジネスモデルを通じて豊かな国民生活を実現するため、これまでにも増して重要な役割を担うもの」と位置付けられている。

GISはGeographic Information Systemsの略であり、「地理情報システム」と訳される。最近では、地球上にある情報はすべて位置情報に関連付けることができることから、これらの地理的要素すべてを総称して「空間情報(Spatial Information)」と呼ぶようになっている。そのため、欧米ではGISを「空間情報システム(Spatial Information System)」と呼ぶこともあり、さまざまな取り込みが中期的また戦略的になされているところである。また、日本では、東京大学空間情報科学研究センタ−(CSIS)の発足が大きな関心を集めていたことはいまでも記憶に新しい。

中国では1995年に国土資源省国家測絵局(SBSM)の下で「国家地球情報センター(NGCC)」が設立された。1999年には中国国務院により、国家地理情報戦略や計画そして法規の策定を行う、「国家地理情報調整委員会(NGSICC)」が設立された。さらに、関連技術の標準化を推進するための組織も創設された。NGCCの管轄による「ISO/TC211のための中国事務局」や、1997年に創立され、SBSMが主宰する「地理情報標準化のための国家技術委員会」はこれにあたる。

NGCCは、全国的なGPS測位システム・ネットワ−クを運用し、基本デ−タセットの更新と配信をミッションとする「国家基本地理情報システム(NFGIS)」における、空間デ−タベ−スの開発と保守を主な任務としており、最近までの10年間、「全国高精度GPS測位ネットワ−ク」と「基本地理情報システム」が次第に整備されることになった。また、中国では、主に基本レベルと専門レベルに分けられたGISが存在し、それぞれFGIS及びPGISと呼ばれている。FGISの代表格として、前述した中国測絵局が直轄する国家基礎地理情報センタ−にある「国家基礎地理情報システム(NFGIS)」 は取り挙げるべきであろう。

中国は測絵法及びその他関連法規、そして地理情報標準化に関する全般的な計画に基づいて、地理情報分類、デ−タ交換フォ−マット、都市GIS標準化のガイドライン、GPS とGISとの間のデ−タ・インタ−フェ−ス基準、基本的なGISネットワ−クの安全管理規則、地理情報の属性デ−タ基準、基本的なGISネットワ−クの技術基準などを策定・施行してきた。また、中国科学院の立場上、中国のGIS産業技術を統括している機関である、中国科学院地理情報産業発展センタ−はGISの産業化に資するよう様々な取り込みを展開している。

近年、中国は米国が提唱されている「Digital Earth構想」を研究し、中国「Digital Earth 戦略」と呼ばれる新たな開発戦略(中国では「DE開発戦略」とも呼ぶ。)を策定し、「デジタル中国」構想を推進しようとしている。そこで、広範囲な空間デ−タを使用し、3次元の高解像度を有する地球のデジタル表現を作成し、併せて、ネットワーキング・インターフェース・システムや、ハイパーメディア仮想リアリティをユーザに供給することなどを基本的目標としている。そこにおける最優先事項の一つは「中国国家空間デ−タ・インフランストラクチャ(CNSDI)」の構築である。

2001年の全国科学技術大会で決定した約60の重点的国家プロジェクトのうち、約40がGIS関連のものである。政府の取組みとして、国家基礎地理情報システム(NFGIS)の構築・整備に力を入れている。これと同時に、デジタルシティ上海、デジタルシティアモイ、海洋3次元GIS、鉱山3次元GIS、三峡地域の3次元景観、3次元空間デ−タの提供といった、3次元GISの実用化に向けた研究開発や事例創出などに関するさまざまな取り込みも一層加速化されているところである。

中国におけるGIS関連の取り込みは今後もより一層強化されていくものになりそうであり、国家戦略の実現に必要なアクションの一つとして関連の取り込みが加速化されることは、また何か注目される前進をもたらすのも十分ありうるのであろう。





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