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技術の特質、それを踏まえた法政策論が必要−注記
張 輝  2001.1.11.


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*1  新村出『広辞苑第二版』(岩波書店、1971年) 529頁。また、フランスの学者 Nobert Wiener 氏による、技術(technology)の語義に関する十八世紀から今世紀までの変化に対しての考察(江上能義・後掲注*3,83頁-85頁)は示唆的であるように思われる。


*2  現在、「技術」についての一般的な「法的定義」は見られない。国際的行動基準では、「技術移転」についての定義はあるが(特許庁編訳57頁参照)、「技術」についての定義はない。また、国連海洋法条約でも、本文において一般的な定義はなされず、技術移転との関連で付属書V第五条8に「技術」の定義を定めている(The Law of the Sea, Official Text of the United Nations Convention on the  Law of the Sea With Annexes and Index.UN Publication Sales No.E.83,V.5,p.117.外務省海洋課監修『国連海洋法条約英和対訳』(日本海洋協会、1987年)242頁)。

*3 例えば、賛否両論の渦中に巻き込まれて注目を集めた中で認められてきた有力な見解として、欧米では知名度の高いジャック・エリュ−ル(Jacques Ellul)氏は、異 質な視座から現代における技術の特質を次のように列挙している。すなわち、技術選択の自動性、技術の自己増大、技術の一元性、諸技術の必然的な結合、技術の普遍性、技術の自律性、である(詳細は、江上能義「テクノロジカル・システム−−J・エリュ−ルをめぐって」同『テクノロジ−と現代政治』(学陽書房、1989年)47頁以下参照)。また、「技術とは物性(経済財の生産)を目的に適うように変化させる方法である」という定義を前提にし、技術の特質を論じるには、@目的、A変化、B方法の三つの面からの検討が基本となるという見解もある(この見解の詳細に関しては、棚橋啓世ほか「高度技術社会を迎えた東アジア経済の展望と課題」東京経大学会誌(1994年)No.187,39頁-41頁参照)。

*4 従って、権利侵害に関して言えば、知的財産権の場合では侵害者に対して「差止請求」という手段をとるのに対し、一般財産権の場合では新会社に対して「取戻請求」などの手段をとる。これについて特許法を例にしての説明は、中山信弘『工業所有権法(上)特許法』(弘文堂、1994年)281頁参照。

*5 江上能義・前掲注*3,54頁以下参照。

*6 この技術の相互関連性または技術のシステム化(体系化)とは、歴史的に個々に形成されてきた種々の技術が相互に緊密に結合し、相互に影響を及ぼし合うことによって、従来にはなかったような「新たな技術的可能性を生み出す」ことである。またそれは種々の技術によって部分的にとどまることもあれば、技術全般に及ぶこともある。慈道静治「技術論の課題」日本科学者会議『現代の技術と社会』(青木書店、1986年)226頁−230頁参照。

*7 藤井美文・菊池純一『先端技術と経済』(岩波書店、1992年)17頁-19頁。

*8 商品としての技術の特質については、津田昇『技術貿易の知識』(日本経済新聞社、1969年)46頁以下、秋山憲治『技術貿易とハイテク摩擦』(同文館、1991年)20 頁以下、及び方明倫ほか『技術貿易辞典』(上海科学普及出版社、1991年)54頁以下、などを参考とした。

*9 藤井美文・菊池純一・前掲注*7,12頁-24頁も参照。

*10 高木武「比較法と比較実定法の方法とその関係」比較法(1992年)No.29,12頁。

*11 藤井美文・菊池純一・前掲注*7,24頁も参照。

*12 舟田正之「電気通信事業における公共性と競争秩序−−国際通信を素材として」経済法学会年報第7号(1986年)38頁以下(舟田正之『情報通信と法制度』(有斐閣、1995年)151以下収録)166頁参照)。これは同氏による現代的情報通信の進展をめぐる法制度の構築についての見解であるが、本稿の課題に対しても同じことを言えるであろうと思われる。

*13 より一般論的に、法解釈学と法政策学との基本的な関係やそれらの差異については、平井宜雄『法政策学』(有斐閣、1987年),18頁-19頁参照。


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