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◇ 特別転載 20030630 ◇

不況を克服し経済を活性化するベンチャー・ビジネス


―世界技術大賞(仮称)の提案―
<100兆円プロジェクト>

アブストラクト


日本大学大学院 グローバル・ビジネス研究科

ベンチャー・ビジネス・コース

主任教授   柳下 和夫


2.世界技術大賞(仮称)の概要

 世界技術大賞(仮称)の概要を以下に説明する。
 1.1兆円産業の種となる技術を100件選定する。
 2.解決の目標値を設定する。
 3.目標を解決したか否かを判定する。
 4.解決した場合には1億円の賞金を与える。
 5.解決策は公開し特許を取らせない。1億円が特許料の前払いである。 したがって、どの企業もすぐ、自由に生産を始められる。
 6.解決策を製品化した場合には、10年間税金を免除する。


3.具体的推進方法

3.1 解決すべき課題を100件を募集する。
 @ 学識経験者の提案を受ける。
 A 企業からの要請を受ける。
 B 一般市民からも募集する。 といった方法を併用する。

3.2 課題の選定
 実現できれば1兆円産業になるような課題を選定するのはかなり難しい。
 学識経験者の提案を受け、技術の夢を盛り込む。また企業が現在ネックになっている技術課題を賞金を出すことで解決できそうなものを出題する。特にBの「一般市民からも募集する」ことは、市民を啓蒙し、現在の若者の理工系離れに歯止めをかけることが期待される。
 提案された課題候補の中から100件を学識経験者(A班)からなる課題審査委員会で決定する。

3.3 解決基準
 選定された課題を解決すべき基準値を決定する。通常なら十年先に解決できそうな水準を 1億円のニンジンをぶら下げることにより3−5年に短縮できそうな値であることが望ましい。
 これを学識経験者(B班)からなる基準審査委員会で決定する。

3.4 解決判定
 応募してきた解決案が解決基準をクリアしたか否かを判定する。 これは解決判定委員会は学識経験者(C班)で構成する。 *A班、B班、C班の学識経験者は各班に専属し、兼任を認めない。その趣旨はお手盛りを防止するためである。


4.予算

 必要な予算は、賞金、広告費、審査委員会費などである。おおまかにいって200億円は必要である。
その内訳は 
 @ 賞金:   1億円 X 100件 = 100億円
 A 広告費:                  50億円
 B 委員会費:                50億円
   合計                   200億円





5.財源

財源を確保するのに次の四つの方法がある。
 5.1 政府予算 (200億円/80兆円=0.025%)
 5.2 受益企業の寄付(1件2億円、100社)
 5.3 宝くじ(テクノ・トト 1枚1000円x3000万枚発行し、課題解決時に抽選、1等1億円x100組)
 5.4 冠賞(例: トヨタカーナビ自動車賞)

5.1 政府予算 

 現在の国家予算は税収が落ち込み厳しい状況である。しかしわが国の軍事的安全保障のための国防予算にはGDPの1%を当てている。日本経済の安全保障のために0.025%を割くことは難しいだろうか。因みに歴代首相が創設した基金は次の2件である。そこに第三の基金を創設できないものか。
 1.竹下登首相 「ふるさと創生基金」 3000億円
 2.森喜朗首相 「ミレニアムプロジェクト: 情報リテラシー向上 560億円」
 3.小泉純一郎首相 「世界技術大賞(仮称)」 200億円? <米:200万俵>

5.2 受益企業の寄付

 民活の時代であるから、受益企業から1件2億円の寄付によって「世界技術大賞(仮称)」を実現するのが手っ取り早いかも知れない。ラジオやテレビのスポンサー感覚である。しかも自社の出した技術課題を解決してくれるのなら、大いに結構である。ただし「当社が賞金を出したのだから、その解決策は当社が独占したい」というのではなかなか1兆円産業にはならないと思われるので、非独占でお願いしたいと思うが無理だろうか。 こんな会社が100社もあれば日本の将来も楽しみなのだが。寄附した会社の名誉を称えて冠賞にし、例えば「トヨタ賞カーナビ自動運転技術」と命名すると日産や本田は採用し難いだろうか。


6.類似の賞

 世界技術大賞(仮称)には次のように類似の賞が多くある。
 6.1 ノーベル賞(平和、文学、物理学、化学、医学・生理学、経済学)
 6.2 フィールズ賞(数学)
 6.3 ローレックス賞(冒険、環境)
 6.4 京都賞(京セラ)
 6.5 日本国際賞(松下電器産業)
 6.6 日本賞(NHK:世界のテレビ・ラジオ番組)
 ローレックス賞以外のこれらの賞はいずれもテーマは自由で、賞は選定委員会から一方的に与えられるものである。したがって、研究者は何を研究すればよいのか目標が定まらない。まして一般市民には啓蒙効果はほとんど期待できない。 ところが世界技術大賞(仮称)は解決すべき目標が明示されているので、多くの個人やベンチャー・ビジネスにとって挑戦するに値するものとなるだろう。

7.世界技術大賞(仮称)の種類

 世界技術大賞(仮称)には金賞、銀賞および銅賞の3種類を作る。その内容は
 金賞: 課題の基準値をすべて解決      1億円
 銀賞: 課題の基準値をほぼ解決   1,000万円
 銅賞: 課題の解決に重要な示唆     100万円 とする。
 銀賞および銅賞は必ずしも授与されるとは限らない。授与する場合には、件数を決める必要がある。またその財源の手当ても必要である。これはさらに検討をすべき問題である。



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転載・編者: 本稿は柳下先生のご快諾を頂きまして転載させて頂いた次第でございます。柳下先生、転載に関するご快諾、心よりありがとうございました。