TBD
TBDとは テクノ事業 実例・実務 雑考・情報 毎日ご案内

◇ 特別転載 20030630 ◇

不況を克服し経済を活性化するベンチャー・ビジネス


―世界技術大賞(仮称)の提案―
<100兆円プロジェクト>

アブストラクト


日本大学大学院 グローバル・ビジネス研究科

ベンチャー・ビジネス・コース

主任教授   柳下 和夫


13.効果

世界技術大賞(仮称)の効果は大きいだろう。

13.1 1兆円産業の乱立

課題が解決され、その特許が無償で使え、製品が10年間無税なら、各社一斉に、本業を差し置いてでも、本賞の課題を製品化するだろうから、1兆円産業があちこちに乱立するかも知れない。

13.2 「失われた10年」は「笑いが止まらない30年」になる

GDPが500兆円だったところに、100兆円の新産業が加われば、景気はたちまち回復するだろう。政府も製品の売上による税金は入らないが、失業者がいなくなり、所得税や消費税が大幅な増収となる。

13.3 青少年が理工系に復帰

メーカーは活気を取り戻し、技術者の給料は事務屋よりも高くなり、発明報奨金も増える。利に敏い青少年が理工系に復帰する。わが国は技術立国を宣言できる。

13.4 日曜技術研究会

全国各地に日曜発明学校があるが活発ではなかった。賞金狙いのために日曜技術研究会などを設立することは考えられる。技術者のたまごが増えるのは歓迎すべきである。

13.5 技術立国の実現

技術者が増え、層が厚くなり、日本発の新技術や新製品も増え、日本は技術立国が実現できるだろう。

13.6  技術輸出大国日本

研究開発を進めて新しい技術を大量に蓄積した日本は技術輸出大国となる。世界技術大賞(仮称)の特許は無償なので、収入にはならないが、生産技術ではまだ日本の優位をキープし、生産技術を輸出する。指導者の海外派遣も大きな収入源となる。

13.7 外国に生産を委託

日本は研究開発と試作に特化し、生産は人件費の安い中国などにシフトする。中国やインドもGDPが増えると人口増加が止まる。"GDPは最高の避妊薬"であることは日本を初め多くの先進国で証明済みである。

13.8 頭脳流入

かつては日本から欧米への頭脳流出が大きな問題であった。そして国内に来るのは日本人が嫌がる3K労働(きつい、汚い、危険)を不法に入国したイラン人などが代替していた。しかし日本が技術者立国を達成すると、今度は世界各国から優秀な頭脳が流入してくるだろう。戦後のアメリカの繁栄はナチスに追われてヨーロッパから流入してきたユダヤ人に負うところが大きいという。産業ではソ連の崩壊で1万人の優秀なロシア人科学者がアメリカに渡ったという。21世紀にアメリカで活躍するのは彼らかも知れない。

13.9 Center Of Excellence

日本経済が回復し、それを推進した技術者たちの発言権が強くなり,基礎研究にも研究費が十分回るようになれば、いくつかのCenter Of Excellenceが形成されるだろう。バイオテクノロジーやナノテクノロジーなどは有利である。

13.10 雇用創出

100兆円の新産業が創業すれば、雇用は100%どころか、人手不足が深刻となり、既婚女性の多くが働くようになるだろう。60歳定年制も廃止されるだろう。外国人の就業も緩和されるだろう。

13.11 基礎科学の進歩

科学技術の裾野が広がり、基礎研究に興味を持つ若者も増えるだろう。基礎研究者にも十分な給料と研究費が保証されれば、安心して基礎研究に打ち込める。したがって、基礎科学が大幅に進歩する。

13.12 ノーベル賞30件

基礎科学が大幅に進歩すれば、日本政府の悲願である「50年間にノーベル賞受賞者50人」というのも、あながち無理な数字ではなくなるだろう。

13.13 平和の強化

日本は平和憲法と並んで軍事研究に代わる世界技術大賞(仮称)を持つ限り、世界の平和に貢献できるだろう。戦争の原因の多くは経済的要因である。宗教的色彩が濃い十字軍もアラブ商人とヨーロッパ商人の商圏争いということもできる。アメリカの南北戦争も奴隷制度をめぐる人種戦争という水面下には、原料を生産する南部とそれを加工する北部の利益配分を巡る経済戦争という見方もある。太平洋戦争は、資源小国日本に資源を渡さない連合国との経済戦争だった。







前ペ−ジ   次ペ−ジ


転載・編者: 本稿は柳下先生のご快諾を頂きまして転載させて頂いた次第でございます。柳下先生、転載に関するご快諾、心よりありがとうございました。