「飛行船と新しい土浦シンポジウム」参加顛末記
 
 

 
 

 11/23開催の「飛行船と新しい土浦シンポジウム」。今回いろいろとご縁があり、参加してきましたので、朝から終了に至るまでの内容を簡単に出はありますが記載します。
 
 そもそもの経緯は、シンポジウムの件で情報を頂戴したのがそもそもの始まり。ツェッペリンNT号の購入と来日の話で盛り上がっているところで、残念ながらNT号の来訪イベントとはならなかったが、霞ヶ浦の飛行船基地としてもゆかりの深い土浦市が、飛行船というその縁深いものと共に将来をどう見据えていけるのか、また過去をどう考えるのか、そしてそういう難しいことを考えるのと同時に、まず見て、知ってもらおうという意図で開催されているものである。
 
 このwebサイトを見てる人に少しでも興味を持ってもらえばとトップページに厚かましくも告知をさせて頂いたところ、それをごらんになった、今回のイベントを主催されている土浦ツェッペリン倶楽部の方から直接メールで詳細情報をいただくというありがたいことになり、またシンポジウムの内容自体にも興味があったので、登録の上今回参加したわけです。はい、前振りはここまで。
 
 当日行われるシンポジウム(事前登録制)は10:00からだが、その前に9:00から飛行船の屋外展示イベントが始まっているため、それに間に合うように朝家を出る。ええと、5:40起床だったか。朝早くの常磐線に乗り、土浦駅で下車。さてどう移動したものかと若干考え込む。駅の看板には会場の土浦水郷公園は徒歩8分と書いてあったような気がするが、いまいち信用ならない。タクシーは確実だが高いので、それ以外の交通機関がない場合に限るということで、じゃあバスで行こうとバスターミナルへ。どのバスに乗っていいのか迷ったものの、霞ヶ浦総合運動公園経由のルートが1本あったためそれに乗る。
 公共交通機関の利用、という点では、パンフレットにどのルートを経由すればいいのか記載されているとありがたかったかなぁ、と思いつつ運動公園バス停で下車。運賃240円也。
 

 降りてみて気づいたのだが、会場のほぼ真反対側に降りたな。と思いぽてぽてと歩いていく。途中霞ヶ浦の湖面を見てみると、非常にきれいで、澄み渡った空の天気と併せて、今日は飛行船日より、という感じをいっぱいに受ける。
 若干空気は冷たいものの、風もほとんどなく、日が当たっているところはぽかぽかと温かい。いい天気だなぁ。とおもいつつ、野外イベント開催中の多目的広場へ到着。
 早速見てみると、おお作ってる作ってる、という感じ。ふくらみ始めているのはヘリウムガス飛行船の方。
 

 ガス飛行船

 型式:DG-19
 座席数:2
 全 長:17.90m
 全 高:10.3m(ゴンドラ含む)
 容 積:538立方m
 発動機:Rotax 2気筒 400cc 25Hp(ダクテドファン)
 限界速度:55km/h
 限界飛行時間:3時間
 上昇限界:915m
 バロネット:1基(ラム圧による自動加圧)
 尾 翼:加圧軟式十字
 上昇降下:エンベロープ揚力の変化(推力変化)方式
 旋 回:ラダー方式

 国内初飛行ということで、期待をしつつぐるっと巡ってみる。

 で、その準備中のところにあったこれ、飛行船用のヘリウムボンベですね。今回の規模の飛行船でさえこれだけの量を準備しているのですから、これがさらに規模が大きくなるとどうなるのでしょう、と思う。飛行船に実際に充填するヘリウムのボンベを見たのは初めてでした。今まではこの1本のボンベを見て、これが詰まるんだろうなぁと思っていたわけですが、「この大きさの飛行船に」「これくらいのヘリウムが用意されている」という対比で実際に見てみて、その量の多さにあらためて驚きを思ったわけです。この大きさの飛行船でこれだけだったら、じゃあ昔のアクロンとかの飛行船だったらどれくらいの量を用意していたのだろう、と。
 
 作業をされているところでしたが、この時間に今回ご連絡をいただいた土浦ツェッペリン倶楽部の方と少しお話しをさせて頂く。これだけの規模のシンポジウムを実現させるに至るにはさぞかし大変だったかと思います。今日もこうやってふくらますのに苦労していらっしゃっているわけですし(笑)
 
 しばし巡った後、とりあえず時間となったため10:00のシンポジウム会場へ。
 会場入り口の販売コーナーでは、イベントに協賛しているブイヤント航空懇談会の案内や飛行船サポーターズクラブのピンバッチなどが売っており、両者共に土浦ツェッペリン倶楽部の開催する今回のシンポジウムにかなり協力されているんだろうな、ということを実感。つーか懇談会会員。しっかりしなさい>自分
 

 
 会場は結構な数埋まっていたわけで、関心は結構ある様子。意外というか、年齢層は比較的高め。子供は屋外イベントの方が楽しいのだろうけど、いわゆる20代、30代の顔ぶれがそんなに見えなかったのは、すでに活動に従事している人は外でイベント(というか飛行船の準備)をさばいているからだろうか。
 
 開会の辞などが終わった後、基調講演は天沼春樹氏。ついで日本飛行船の渡邊氏など、名前だけは伺っている方々を初めて見て、かつその話を次々と聞く機会があり非常に楽しい。というか、ブイヤント航空懇談会の定例会に行きなさい自分。
 
 午前中の2時間は正直なところ、あっという間に終了してしまった。
 
 12:00終了後、屋外イベントに早めに行きたいと思っていた。朝方土浦ツェッペリン倶楽部の方とお話しした際、終了後早めに来た方がよい、ということだったので。
 といっても、買いたいものもあればお昼ご飯もある。まずは買い物。出版されているのを知らなかった「ヒンデンブルク炎上」上・下(ヘニング・ボエティウス著 天沼春樹訳 新潮文庫ISBN4-10-215021-8)購入。そんでもって1階食堂に降りて、ツェッペリンカレーのお昼ご飯ということになる。

 
 このツェッペリンカレーは、土浦にLZ127が来日した際、歓迎のために飛行船の乗組員に振る舞われたものをベースにレシピを工夫しているものということで、シンポジウム参加者はきちんと食べられる。また屋外でも無料試食コーナーがあるということで、本来NT号来訪にあわせて準備していた食材を今回は使用したとのこと。食堂は非常に混雑しており、お昼時で空腹であるというのと同時に、期待の大きさもあるのだろう。
 
 出てきたのは写真の通り、ごろごろと大きなレンコンやジャガイモのゆでたものと、カレーのルー。これをご飯の上にどばっとかけ、食してみるとうまい。大きな野菜もほどよくゆでられていて堅くもなくぐずぐずでもなく。いい感じにできている。
 あえて一点あげるとすれば、レンコンはスプーンで切れないためかぶりつかざるを得ないのだけど、スプーンでは刺さらないのでどう食らいついていいものか少々迷った。フォークも一緒についてくるとうれしいなぁ、というのが感想。
 
 といっても、周りが一緒に来ている人と談笑しながら食べているのに対し、こっちはハイスピードで食らいついていたので、周りが1/3も食べないうちに完食。ごちそうさまでしたって早いよ5分も経ってない(苦笑)
 

 周りの視線を一切無視してカメラを手にして外の屋外会場へ一路。時間は若干過ぎているけどまだ大丈夫だよな、と思いつつ行ってみると、あれ、ガス飛行船がまだ飛んでいない。
 12:00頃がちょうどいい感じになっていますよということだったので、若干遅れているのかなぁ、と思いつつ広場の中を散策。親子連れをはじめとする人の出が非常によいことにびっくり。彼らが乗ってきたであろう車も、駐車場に入りきらないのか路駐しているくらいだし。広場では無料試食はとっくに終了していたし、小学生に描いてもらう飛行船のお絵かきコーナーも非常に盛況で、お祭り気分という言葉がぴったり。
 そんな中、熱飛行船の方がバーナーの音を威勢よく吹き上げつつ何度かふわふわと浮いている。
 
 熱飛行船
 型式:D-96(熱飛行船)
 尾翼:加圧式十字安定板
 ゴンドラ:エンベロープへの懸架式。
     プロパンバーナー、ガス供給設備、
     推進装置
 3人乗り(乗員1人、乗客2人)
 エンベロープ:軽量な高強度ナイロン製
 推進器:45hp、1600cc、フォルクスワーゲンのプロパンエンジン
 プロペラ:保護覆い付きプッシャー式プロペラ
 全  長:34.14m
 最大直径:13.72m
 容  積:2917m^3
 最大速度:24km/h
 16km/hにおける旋回半径:30.5m
 最大航続時間:2時間
 エンベロープ  :89kg
 ゴンドラ空虚重量:91kg
 プロパン燃料  :23.6kg
 
 
 ガス飛行船と熱飛行船というタイプの違いがあるため、一概に大きさだけ比較してどっちがすごいすごくないということはない。熱飛行船の方は1973年誕生の世界初熱飛行船の5〜7番機あたりものもの、ということで、非常に貴重なもののようです。いっぽうガス飛行船の方も1983-85年ごろに2隻建造されたうちの1隻ですから貴重なもの、ということ。とにかくこういったものを身近に見て、飛んでいる姿を見ることで飛行船というものにより親しみを持つことが今回の目的でもあるというわけで。
 

 その後お話を聞いてみたところ、もう1隻、朝方見た土浦日大高校作成の無人飛行船(左写真)はなんでも飛んでいってしまったらしいこと。またガス飛行船の方は、お昼12:30くらいの時点でまだ完全にふくらみきっていないことから飛行を見送ったこと、そして熱飛行船の飛行は、風が若干強くなってきたことと、安全面を考慮して係留飛行に限定したことなどをお伺いしました。
 飛行に際しては当然ながら専門の知識を必要としますが、実際にこれらの工程を経験されている方は少数だったとお伺いしています。そんな中で2隻の船をとばすという作業はなかなか大変なものですし、やはり今回は第一歩ですから、何事も慎重に、ということで、それは当然、と納得。そんな話をしている中でも、飛行船の下でバーナーが空気を暖める威勢のいい音が聞こえてきます。熱飛行船は熱気球と同じようにバーナーで船体内の空気を暖めるものですからこのバーナーの音は熱気球にも通じるものがありますが。
 

 
 で、その話を聞いている時にツェペリンクラブの方がおっしゃっていた一言は、今回の屋外イベントの目的と成果をを端的に表しているなぁ、と思った次第です。
 
 「でも係留飛行でも、船がふわーっと浮かび上がって、うわーっていう歓声が聞けたわけですから、それだけで満足ですよ」と。
 
 はい、そんな飛んでいる(飛ぼうとしている)姿に夢中でシャッターを切っていたわけですから私自身もそのとおり、満足しています。
 
 そうこうしているうちに午後1:00。分科会開催の時間です。慌てて会場に戻ります(ああ忙しい)。
 私の参加した分科会は「土浦と飛行船の歴史検証と継承(75年前のLZ-127訪土浦の史実)」と題して、LZ127来訪時に実際に船をごらんになった方から当時の体験談やら思い出話を聞く、という内容でした。そういえばもうひとつ、「フリードリヒスハーフェン市の飛行船を中心とした都市・景観づくり」ってのも有ったはずなのですが時間と内容のおもしろさで前者がほぼ時間全てを使い切っていました。
 
 いろいろ興味深い話を聞くことができました。この1時間半も、まったく退屈せずあっという間にすぎていってしまいましたね。
 

 その後、分科会まとめをする前に少し展示パネルを見て歩いてみる。当時の写真のパネルを見ながら「へーこんなものもあるんだー」とか「こんな風な写真も残っていたんだなぁ」と感じながら視線を転じると、なにやらどこかで見たようなものが。

 
 
 
 
 おお、これは年末12月発売予定の「世界の翼」シリーズではないですか。
 インターネットの記事では見たことがありましたが現物を見るのは初めてです。しげしげと見入ってしまい、あまつさえこの写真を撮っているのは、ふつうに展示を見ている人から見るとかなり奇異に映ったのではないでしょうか(苦笑)。ちなみに飛行船はツェッペリンNTのボーデンゼーとフリードリヒスハーフェンの2隻。ああ、12月は箱買いかな? 実物を見たらさらに欲しくなってきてしまいました。
 
 ついでに最後のセッションの前に、会場後ろでラジコン飛行船を操作していたキャプテンがいらっしゃったので、厚かましくもカメラ付きラジコン飛行船の発売予定なんかについて聞いてみたりしてしまいました<汗 諸事情あるらしくまだ発売予定は決まっていないようですが、気長に待つことにします。発売されたら買いですね。
 
 そして最後の分科会まとめのセッションを終え、朝10:00に始まったシンポジウムは15:30の閉会となったわけです。非常に内容の濃いシンポジウムであったし、個人的には私の参加した分科会だけではなく他の分科会にも是非出席したかったなぁと思う次第です。
 
 その後、外に出てみると飛行船はすでに撤収モードに入っており、ああ、一日が終わったんだ、という実感をひしひしと味わいます。最後に今日一日いろいろお世話になった土浦ツェッペリン倶楽部の方にご挨拶をしました。皆さん、ご自身曰く「初心者」にもかかわるこれだけの規模のイベントを成功裏に終わらせたわけですから、すばらしいことだと思います。
 
 こうして朝早くからのイベントは終了し、土浦駅から帰り道、いつの間にやら寝入ってしまった電車の中ですが、今日飛んでいた飛行船、あるいは来年来るNT号の夢を見ていたかどうかは、また別の話。
 
 

 
 
 

 

 
 
 

 
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