「土浦ツェッペリンNT体験搭乗イベントあれこれ」


 
 

 5/14に実施された土浦商工会議所60周年記念イベントであるツェッペリンNT体験イベント、前日13日の開催が順延となりやきもきした皆様もいらっしゃるかと思います。イベントを含んだ一連のあれこれを、今回も以下レポートいたします。
 
 
 さて、今回の開催は土浦ツェッペリン倶楽部の皆様の熱意が実現させたイベントであり、その主旨はwebサイトにも掲載されているとおり、子供達に自分たちの町土浦・阿見を飛行船から見てもらおう、そしてその飛行船の素晴らしさを知ってもらおうというものであるが、イベント開催が決定し、会場も決まり準備も進んでいる中で一番の気がかりは空の天気でした。
 開催日である5/13の天気予報、毎日チェックしても週間予報は雨、雨、雨。前日金曜日が晴れだったり、月曜日が晴れだったりと見事に谷間におちてしまっていて、大丈夫なのか? 本当に飛べるのか? というところだけが関係者の頭を悩ませていました。また昨年2月のイベントの際、当日の開催情報の通知がなかなかできなかった事もあり、今回は万全の体制をしいて当日の朝を迎えたわけです。何度もblogに書きましたが、とにかくお天道様に「雨降らないで!」と祈りながらの1週間でした。
 
 そして13日朝。東京都内は曇り空。大丈夫かなぁと思って土浦ツェッペリン倶楽部のイベントサイトをのぞいてみると、「本日延期」の文字が。すでに土浦の会場では雨が降り始めていたということと、翌14日には雨もあがる見込みであると言うことから、早めの情報掲載となったようです。おかげで家を出てから「あーあー」とならずにすんで、これは非常に助かりました。サイトを更新される立場では大変かもしれませんが、携帯サイトからの提供も含め、遠方からの移動になる人には非常にありがたい情報提供手段です。
 
 そして13日は過ぎゆき14日朝。期待と希望を抱いてwebサイトを見ると、待ちに待った「開催」の2文字。よし! ということでさっそく準備をして家を出ます。今回の土浦入りは経由地を経てになるので、時間を計算して出発は7:30過ぎに出ます。東京は曇り空、時折ぱらりぱらりと雨粒が顔に当たります。大丈夫・・・だよな、と自分に言い聞かせるように電車に乗って、そして経由地到着。。
 
 

 …あれ。どこかで見た地名の駅です(笑)。土浦とはまったく逆方向です。
 はい。土浦ツェッペリン倶楽部@東京として、今回はNT号に同乗し桶川→土浦という空からの現地入り、まさに望外の経験をさせていただくことになりました。
 
 ホンダエアポートのある桶川の天気ですが、雨は全く降っておらず、ちらほらと青空が見える天気です。風も強くなく飛行には適したコンディションのように見えます。その時間帯、土浦ではまだ若干雨が降ったりやんだりという感じだったそうですが、西側がそんな感じですのでおいおい天気も良くなっていくことでしょう。ということで、予定よりも少し早め、10:30前に船は桶川を離陸しました。
 
 離陸後、大宮のビル群を遠くに眺め、埼玉から野田上空を通り、船はイベント会場である土浦へと向かっていきます。
 
 
大気の状態も良く、遠くに筑波山を望みながらの飛行は素晴らしいの一言でした。ジェット機以外に空を飛んだことはと言われると、昨年伊豆大島→東京間をプロペラ機にのって飛んだことはあります。飛んでいる高度は同じくらいの高さではありましたが、あちらは小型機という性格上プロペラがすぐ横についていて結構な轟音。叫ぶように話さないと声が届きません。そして小型のせいか(もちろん気象条件のせいもあったのでしょうけど)よく揺れました。一方今回の飛行船は、普段の通りの会話ができます。エンジン音は、もちろんゼロではありませんがうるさいとは感じません。船内の作りはゆったりしていて、離着陸時以外は席を離れて歩き回ることもできます。観光として空を飛ぶには飛行船の快適さは他者の追随を許さないと言ってもいいでしょう。
 そしてその船の上から見る景色。地上で生活する時、あるいは訪れた時に見る姿とは異なり、空から見る地上の姿は新たな表情を見せてくれます。これが自分たちの住む街かというくらいの驚きです。
 ちょうどこの右の写真は霞ヶ浦を遠方に望むころのものですが、飛行機のような騒音もなく、またジャンボのように地上から遠く離れた空でもなく、手を伸ばせば届きそうな距離で、豊かな自然と表情に富んだ人の住まいを見ることができる。これが飛行船の醍醐味といってもいいでしょう。
 
 気になる天気も写真の通り、若干雲はあれど遠くの空は青く、雨の気配はすっかり遠のいています。イベント会場の地面は昨日の雨水が残っていて若干歩くのに難儀しそうだということでしたが、それでも結構な人数が集まっているようです。船は徐々に会場に近づいていきます。
 
 そして会場上空へ到着すると、見えます見えます。イベント会場の人々が。子供の比率が結構高めなのは、今回のイベントの主旨を見事に反映しているようにも見えました。NT号は会場上空をゆっくりと旋回したあと、発着エリアへと降りていきます。
 桶川離陸から気がつけば1時間半。あっという間、という表現はこういう時のためにあるのだな、という感じで過ぎていきました。そして今回の主役である、体験試乗の子供達が乗り込んできます。
 重量バランスを取るため、子供が数人乗ると、桶川から乗ってきた人が降りるということを繰り返します。あとの方に私は降りたのですが、乗ってくる子供達の表情が、誰しもがこれからの飛行にわくわくした様子であったことが非常に印象的でした。飛行船を土浦の、茨城のみんなのものとして根付かせるために子供達にそのよさ、楽しさを知ってもらおうという目的。それはこの表情をみれば成功であろう、と言ってもよいでしょう。
 
 
 
 そして第1回目の体験飛行スタートです。行ってらっしゃい!
 
 さて、ここからは会場をぐるっと一回り。事前に聞いたとおり、確かに足下はどうしても昨日の雨が残ってしまっていて、若干ぬかるみが残っています。それでも飛行船をカメラで狙う人々もいれば、会場で行われているがまの油売り口上を見る人、またもはや土浦ツェッペリンイベントとはもはや切っても切り離せない(笑)カレーを食べる人、などなど会場は結構な賑わいを見せています。
 
 
 
 
 また子供達に飛行船の楽しさを知ってもらうためのもう一つのイベントが、飛行船博士・天沼先生が開く飛行船教室です。

 
 
 飛行船の歴史やどうして浮かび上がるのか、それらの話と合わせて、実際に飛行船の動きをラジコンで体験してみようというもの。テントの中をふわりふわりと動き回る飛行船の姿を、子供の視線が右へ左へと追いかけていきます。ついでにお父さんお母さんの視線も同じように船を追っていました(笑)。
 そして飛行船のコントローラーが子供たちに手渡されると、歓声を上げながら船を操っていきます。はじめてながら器用に操船する子もいれば、危うく軟着陸という腕前の子供もいましたが、皆一様に楽しげに操作します。できれば思う存分船を操作してもらいたいところですが、なにぶん隻数に限りがあるため制限時間があるのがちょっとざんねん。それでも予定時間を大幅に超えて船の操作に興じている教室の風景でした。

 
 一方NT BMW号は20〜30分程度に一度の割合で発着場に戻ってきます。戻って来るときの船のエンジン音はずいぶんと近くまで来ないと分からないです。ですので気がつけばぬうっっと頭上に姿があり、ふわりと舞い降り、そしてまた舞い上がり飛んでいくという様子。搭乗待機所でまだかまだかと待っている子供達の姿が非常に印象的です。
 
 ちなみに今回の発着場、立ち入り禁止区域の境界がぎりぎりまで抑えられているのか、ロープの境界線ぎりぎりに立っても船が非常に大きく見えます。望遠レンズで狙うとよい感じで船を狙うことができます。また飛び立つときには頭上をこえて飛んでいくので、こんなアングルありなのか! というある意味撮る側からすればありがたい限りの撮影条件。船体に描かれたBMWのロゴがでかでかとファインダーに飛び込んできます。大迫力と言ってもいいでしょう。
 
 船は土浦駅前や霞ヶ浦などを一周して帰ってくるので他にもよい撮影ポイントはあるかと思うのですが、結局最初から最後まで、私はこの会場を離れることはありませんでした。若干逆光気味になってしまうのですがそれでも非常に満足できる写真を一杯撮っています。

 
 と、イベント会場でアナウンスが。事前抽選で決まっていた乗船枠に空きが若干できたらしく、急遽じゃんけん大会で数人が乗れることに。その呼びかけに、会場内から子供達が中央にわらわらと集まってきます。枠はそれほど多いわけではありません。そのためじゃんけんをする子供達の表情は真剣そのもの。勝負に勝つと喜び、負けると悔しがる。そしてその様子を見て同じように喜ぶ親御さんの姿。突発的なイベントではありましたがこれは非常に盛り上がりました。次回以降はこういった当日枠もあると面白いですね。
 当日枠と言えば、会場で行われていたお絵かきコンテストと写真コンテスト。お絵かきの方は中央の机に座ってクレヨン片手に書いている子供達があちこちに見られたのですが、たとえばこの優秀賞と取ると飛行船に乗ることができるとかそういうものがあったらいいのかなとも思います。なかなか難しいのかもしれませんけど。
 
 さて、今回のイベント。昨年の土浦イベントと比べても比較的短時間で開催決定・実行に至ったわけですが、それにあたっては土浦ツェッペリン倶楽部の方の並々ならぬ努力だけでなく、地元の町土浦のためにと多くの方が協力されて実現しています。ちょっと会場を見ていて気づいたので2つほどご紹介。
 

 まずは筑波大学つくば鳥人間の会。鳥人間コンテストに使用する自分たちの飛行機の持ち込み、展示といったところ。鳥人間コンテストで飛ばす飛行機を身近に見たのははじめてですが、正直なところこんなにでかいんだ、という感想でした。人力でとばせる重さだったらそれほどでかいのは無理だろうなと思っていましたが、徹底した軽量化と構造を考え抜くことで、人の力で遠くへ、速く、飛ばすことのできるものを作っているのだなぁという実感でした。プロペラが実際にぶんぶん回るのは圧巻ですね。ちょっと残念だったのは、会場の中でも雨水の残ったエリアを挟んで展示場所があったため、どうしてもお客さんの足が向かなかったような雰囲気があったことですね。飛行機の展示の他にも、会場整理などをされている方がこのチームのジャンパーを着ていたりしたので、会場運営にも一役買っていたようですね。
 

 そして現在のNT BMW号のスポンサーでもあるBMWの車両展示。最初に会場に入ったとき、展示車が綺麗な姿で飾られているのにびっくりしました。朝方には雨も降っていたのに、そんなことを感じさせません。磨き上げたんだろうな、と感心。会場の人も結構興味を持って車に見入っている姿がありました。個人的には赤い色が好きなので赤いのはかっこいいなーと……ちょっと自分のお給料的にはなかなか手が出ませんが(^^; でも、イベントを楽しみつつ車両を身近に見られるっていうのはいい機会ですね。
 スポンサーとしてBMWが飛行船に広告をのっけるということですが、飛行船は結構な人が追っかけ(笑)をしていますので、あちこちで撮られた写真が(自分も含んで)webにアップされます。その写真にBMWのロゴや広告が写る訳ですし、いい集客にもなると思います。いろんなタイプの広告を背負って飛んでいると、見ている側、撮る側としても楽しいですからね。今後も船体広告をいろいろと更新して飛ばしてほしいなーと思います。新しいBMWの広告だなーと見る楽しみも増えますし。
 ちなみにイベントの中でもBMW Japanの方がお話ししていましたが、昨年、今年と土浦に2度、まるまる1日NTを派遣するというのは他の街ではほとんどないことです。それだけこの土浦・阿見という街に期待してくれてると思っています。普段の飛行スケジュールを見ると分かりますけど、あちこち飛んで歩くなかなか忙しいスケジュールの中、今回も太っ腹なことに1日張り付きで土浦・阿見に飛んできたわけです、イベントを開催する土浦にとっても冥利に尽きるでしょうし、また参加する我々としては一日イベントを堪能できるわけですから諸手を挙げて大歓迎なわけです。今後もうまくスケジュールを調整してぜひ土浦に一日張り付きイベントとかを! そんでもってそこで車も見せつつ空にはBMW号が! 今回惜しくも両者の入った写真が撮れなかったんですよね…次回は是非!(笑)
 
 そうそう、それと書くのをすっかり忘れていました。カレーです。カレー。今回は昨年2月の雪辱をはらすかのようにしっかりと食べられました。食べられましたが、食べちゃってから写真を撮っていないことに気づきました。迂闊です自分。
 テーブルに座って食事をしていると、「次どれ食べる?」といった会話が後ろの方でされていたり、数種類のカレーを家族で買って食べ回しをしていたりと思い思いに楽しんでいるようです。量も個人的には多くなく少なくなくとちょうどよい感じで、結局私は会場についてすぐと、2時過ぎくらいに各1食、2種類を一人で食べました。え、一人で喰うのは食べ過ぎですか?(笑)
 
 

 そして時間は過ぎゆき、いつしかNT BMW号の体験フライトも最後の1回を迎えました。飛行船教室も最後の1回を終え、ラジコンに興じる子供達の姿がテントの中に見えます。体験飛行の最後の子供グループが降り立った後、船は帰路を取り桶川に向けて飛びたっていきます。
 カメラを抱えて最後の姿を写真に収めると、ああ、一日楽しむことができたなぁという満足感を感じました。結局ほとんど座らず一日立ちっぱなしだったのに、疲労感を感じないのはどこか気分が昂揚しているせいでしょうか。
 心なしか船も今日の仕事をやり遂げた、という達成感を背負って飛んでいくようにも見えます。
 そして会場には最後まで残っていた親子連れや家族などが、最後に船がいなくなるのを見てから帰る姿。イベントを最後まで楽しんでいたのかな、とちょっとうれしかったりします。
 最後に中心になって動き回っていた土浦ツェッペリン倶楽部の方にご挨拶。「いやー、終わりましたよ!」という声と、「飛行船ファンの子供が増えてくれることがうれしい」というのが非常に印象に残りました。毎回毎回の事ながらそのパワフルさそして一丸となってイベントを運営した倶楽部の皆様には脱帽です。
 
 
 今回のイベントで乗った40人の子供達。その前に乗った人たち、そしてこれから飛行船に乗る人たち。
 これらはまだまだ貴重な経験と言えます。しかし遠くない未来、「飛行船に乗ったよ」という言葉に、「すごい、うらやましいな!」ではなく、「俺も/私も今度乗るんだよ!」という言葉が返ってくるような状況を作りたい。みんながそう思っていると思います。これは土浦ツェッペリン倶楽部だけでなく、乗った子供達、乗りたい子供達、そして飛行船を追いかけていく大人達の誰しもが思うことでしょう。そうして裾野が広がっていけば、それはいつかではなく、必ず実現するものでしょう。
 そんな未来を思って、今回の「あれこれ」の筆を締めくくりたいと思います。
 
 2004年、2005年に比べれば着実に前進しているのです。あとは進むだけです。
 
 
 

 2006.5.15
 間山 直希




 

 
 
 

 
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