写し

 

発信者:中尉S.H.Collie C.D.H

宛:空軍北東地域参謀長

参照:I

日付:1942622

 

標題:戦闘機の迷彩塗装に関して

 

現状、敵ゼロ及び我がP39及びP40の迷彩は次の通り

ゼロ:次の表現で表される:黄褐色、汚れた銀及び緑色の濃い茶色(原文:fawn, dirty silver and greenish brown

P39及びP40    旧型P40:英空軍標準塗装(カモフラージュ)

                            新型P40及びP39:ダックエッグ・ブルー及び緑色の濃い茶色

 

2. 敵ゼロ機の顕著な点は、その表面が常時フレッシュでクリーンに見えることである。これは、敵が常時機体表面を洗浄し、ワックスなどでポリッシュしていることを示唆している。さらに、その優れた基本迷彩塗装とも相俟って、総ての高度において大多数のP39及びP40よりも発見・識別が難しくなっている。

 

3. 従って、ニューギニア戦域の戦闘機に最適な迷彩塗装とは何かが問題となる。この場合ニューギニア所在我方航空機の機体上面塗装に関して、より緑系の強いものが迷彩の効果を顕著に向上させるであろう。

これは上空から見下ろした場合、飛行中の目標航空機発見の難易は当該航空機の機体上面色と地面・海面色との対比に左右されるという事実に基づいている。

 

4. 前記により次の原則が導かれる:

1)熱帯のジャングル上空:緑を主体とする色

2)海上:標準の英空軍迷彩

3)砂漠上空:明るい茶色(light brown

 

従って、ニューギニア戦域に投入される戦闘機に関しては、全機を類似の迷彩塗装とするよりも、地域の情況に適した塗装とすることが求められる。その場合、人員及び作業時間を最小限とし、かつ我方戦闘機操縦士の不利を解消できることが条件となろう。

事実、ニューギニア戦域の敵ゼロ機の迷彩塗装は時折変更されている。すなわち敵が地域情況に対応して迷彩塗装を行っているのが伺え、かつそれが有効であることが我方は確認している。

 

戦闘機のワックス磨き

 

5. 我方の戦闘機操縦者によれば、戦闘機の機体表面をワックスで磨くと次のような性能向上得られるという:

a)操縦翼面すなわちエルロン、ラダー、エレベータの表面をワックス掛けすると操縦が軽くなり運動性が高まる

b)胴体及び主翼の下面を除く総ての表面をワックス掛けした場合は、速度計指示速度で15マイル/時の速度向上

c)更に胴体下面の増槽タンク取り付けステーを取り除き、主翼と胴体下面もワックス掛けした場合は、同じく25マイル/時も向上するであろう。

 

6. ワックス掛けによる唯一不利と思われる点は、機体表面がツヤで光ることであろう。しかし、運動性の向上と速度の増加及びそれらによる操縦者の自信向上が、前記の不利を補って余りあるであろう。

 

翻訳ここまで ↓原文です。

訳者考察:日付は昭和17年前半でして、ゼロとは書いてありますが、これは日本軍の単発機の総称と観られます(2008.06.24

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