特定外来生物による生態系等に係る被害の

防止に関する法律に関する

アンケート調査

 

 

 

 

 

 

調査結果報告書

 

 

 

 

 

 

平成16年12月

 

ぶりくら事務局

 

 

1.調査の目的
 本調査は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下「外来生物法」という)の施行に際して、本法の影響を大きく受けるであろう飼育者の現状及び動向を把握することにより、本法の円滑な施行及び周知徹底を図るための参考資料の作成を目的とする。

2.調査方法
 調査は以下のとおり実施した。

(1)  調査期間:平成16年10月11日(月・祝) 午前11時〜午後4時(5時間)
(2)  調査場所:新大阪センイシティー2号館 5F(大阪市)
           ぶりくら市2004会場

(3)  調査方法:上記日時・場所において、会場にて外来生物法に関する情報(法律の概要等)を掲示した。来場者及び出品者は入場パンフレットに同封されたアンケート用紙に記入後、アンケート回収箱に投函することによって回収した。

(4)  回 収 率:47.9% (360通/752件) 
       内訳: 来場者 338通/712名(47.5%) 出品者22通/40組(55.0%)
   なお、アンケートの調査内容は巻末の参考資料を参照願いたい。

)ぶりくら・・・Breeding(Breeder's)Clubの略で、爬虫類両生類を中心としたペット動物の国内繁殖個体流通をめざし、2001年に設立した。毎年秋に国内繁殖個体の展示・即売会である「ぶりくら市」を開催し、野生からの搾取に頼らない国内繁殖個体の流通促進等を目指している。

 

3.調査結果

(1)  基礎事項

1)    年齢・性別・地区(質問は来場者のみ:サンプル数:338)

a.年齢(回答率 99%)
 調査結果はfig.3.1のとおりであり、30代が最も多く40%で、次いで20代の29%、40代の15%となっている。20代と30代で半分以上を占めていることが分かる。

Fig.3.1 回答者の年齢層


b.性別(回答率 93%)
 調査結果はfig.3.2のとおりであり、男性が約2/3、約1/3が女性となっている。


fig.3.2 回答者の性別

c.地区(回答率 76%)
 調査結果はfig.3.3のとおりであり、来場者の大半(84%)が関西地区からの来場者である。次いで関東、中部(5%)、四国、中国(3%)となっており、九州は1名のみ、北海道、東北は1名もいなかった。



fig.3.3 回答者の地区構成


(2)  外来生物法について(質問は来場者及び出品者:サンプル数:338+22=360)

1)    外来生物法の認知度について

(回答率 99%(来場者99%、出品者100%))

 調査結果はfig.3.4のとおりであり、来場者及び出品者の約八割が「知っている」もしくは「名前程度は知っている」との回答であった。特に出品者では7割以上が「知っている」と回答しており、出品者(ブリーダー)にはある程度外来生物法が、爬虫類・両生類等のブリードに影響を与えるとの認識が一般来場者より高いと考えられる。

fig.3.4 外来生物法の認知度について(出品者・来場者合計)


2)    外来生物法の認知方法

(回答数 312件(来場者286件、出品者26件))

 調査結果はfig.3.5のとおりであり、外来生物法を知ったきっかけはテレビ・ラジオ・新聞等が91件(全体の約25%)と最も多く、次いでインターネットが89件(同25%)、専門誌が71件(同20%)となっている。専門誌の内容は「クリーパー」、「ビバリウムガイド」誌が多く、インターネットの内容は「オールアバウトジャパン」や「ぶりくら」が多かった。なお、その他の内容としては「ペットショップ」や「友人からの口コミ」等が多かった。

fig.3.5 外来生物法の認知方法について(出品者・来場者合計、複数回答可)

3)    飼育種について

a.種類別生息地別

(回答数 412件(来場者354件、出品者58件))

 調査結果はtable3.1のとおりであり、温帯産水棲カメが72件と最も多く、次いで亜熱帯産水棲カメ(29件)、温帯産地上棲ヘビ(25件)、温帯産半水棲カメ(22)の順となっている。また、生息地別に見ると、温帯産が412件中206件(50%)と半数を占めており、亜熱帯産が103件(25%)、熱帯産が101件(25%)となっている。なお、本質問については、設問内容が煩雑であることから、回答率が低くなったと推察される。

table3.1 種類別生息地別飼育種
(出品者・来場者合計、複数回答可)

b.種類別

(回答数 764件(来場者697件、出品者67件))

 アンケートの回答には棲息地別の記入がされず、種類のみ記入されている事例が多く見られたため、これらを加えて集計した結果をtable3.2に示す。これをみると水棲カメが173件(全回答数の23%)と最も多く、次いで地上棲ヘビが90件(同12%)、地上棲トカゲが87件(同11%)、地上棲ヤモリが82件(同11%)の順となっている。また、来場者、出品者別に見ると、来場者では水棲カメが159件と圧倒的に多いが、順位は以下地上棲ヘビ、地上棲トカゲ、地上棲ヤモリと全体の結果と同じである。また、出品者を見ると、水棲カメが14件で、以下地上棲ヤモリ、半水棲カメ、地上棲トカゲの順となっている。これは少なからず、「ぶりくら市」の出品者に水棲カメのブリーダーが多いことと、来場者のうち、水棲カメを購入目的に来場する方が多いことも影響していると考えられる。

table3.2 種類別飼育種
(出品者・来場者合計、複数回答可)

c.飼育頭数

(総頭数 5,843頭(来場者分3,852頭、出品者分1,991頭))

 飼育頭数の集計結果はtable3.3のとおりであり、これをみるとカメが3,026頭(全頭数の52%)と最も多く、次いでヤモリが1,045頭(同18%)、トカゲが721頭(同12%)の順となっている。また、来場者、出品者別に見ると、来場者ではカメが1,664頭と圧倒的に多く、次いでヤモリ(643頭)、ヘビ(590頭)の順となっている。
また、出品者を見ると、水棲カメが1,362頭と最も多く、以下ヤモリ402頭)、トカゲ(147頭)の順となっている。これについても少なからず、「ぶりくら市」の出品者に水棲カメのブリーダーが多いことと、来場者のうち、水棲カメを購入目的に来場する方が多いことも影響していると考えられる。

1人当たりの想定飼育頭数については、来場者が11.4頭、出品者が90.5頭、合計では16.2頭となっている。出品者の飼育頭数がかなり多いが、これは出品者の中に100頭以上の飼育者が複数存在することが大きく影響していると考えられる。また、自分の飼育頭数を公表したくない人もいるため、これについては平均値を下げる要因となるが、飼育頭数に対する回答数が360件中325件とほぼ9割の方から回答があることを鑑みると、上記数値については一応の目安としては有効な数値の範囲内であると考える。


table3.3 飼育頭数
(出品者・来場者合計、複数回答可)


4)    法の影響について

(回答数 296件(来場者272件、出品者24件))

 調査結果はfig.3.6のとおりであり、全体では「登録が面倒」が108件(全回答数の36%)と最も多く、次いで「飼育種が指定される可能性」が82件(同28%)、「エサ用昆虫が指定される」が77件(同26%)の順となっている。また、その他については「飼育していない」、「影響はない」、「飼育したい種類が指定されたらがっかり」などさまざまである(巻末の参考資料参照)。なお、本設問については複数回答が可能としたが、複数回答した人は少なかった。また、約60件程度の無回答者が存在するが、その内訳は飼育頭数が0〜5頭の人が圧倒的に多く、これらは「影響がない」という項目が回答欄になかったため、回答しなかった可能性が考えられる。

Fig.3.6 法の影響について
(出品者・来場者合計、複数回答可)

5)    指定された時の対応について

(回答数 334件(来場者312件、出品者22件))

 調査結果はfig.3.7のとおりであり、全体では「登録を行い飼育」が242件(全回答数の72%)と全体の3/4を占めている。「面倒なら考える」は31件(同9%)、「わからない」は47件(同14%)と比較的少ないが、これらについては指定種の内容如何によっては生体の遺棄につながる可能性があると考えられる。また、その他については「隠して飼う」、「法律の改善を要求する」などの意見があった(巻末の参考資料参照)。

Fig.3.7 指定された時の対応について
(出品者・来場者合計)

6)    登録手続きの具体案について

(回答数 308件(来場者288件、出品者20件))

 調査結果はfig.3.8のとおりであり、全体では「1頭ずつ登録」が130件(全回答数の42%)と全体の約4割を占めており、次いで「飼育種毎」は85件(同28%)、「飼育施設毎」は78件(同25%)の順となっている。しかし、これらについては登録手続きが煩雑になったり、登録手数料が高い場合、特に1頭ずつの指定の場合は多頭飼育している場合、相当な負担増となるため、内容如何によっては生体の遺棄につながる可能性があると考えられる。また、その他については「飼育者の資格審査・登録、立入検査(定期的)、違反した場合の罰則強化」、「自転車の防犯登録みたいなシステム」などの意見があった(巻末の参考資料参照)。なお、飼育頭数が50頭以上の22件についてみると、「1頭ずつ登録」が5件、「飼育種毎」[飼育施設毎]が各7件、その他が2件となっており、さらに飼育頭数が100頭以上になると、「1頭ずつ登録」は6件中0件となっている。これは飼育頭数が多いほど、1頭ずつの登録は面倒だと考えている可能性が考えられる。

Fig.3.8 登録手続きの具体案について
(出品者・来場者合計)

7)    「外来生物法」に対する自由意見

(回答数 81件(来場者77件、出品者4件))

 調査結果は別紙参考資料のとおりであり、肯定的な意見や否定的な意見さまざまであった。(参考資料には原則として回答の原文で記載)。

8)    まとめ

 本調査において、飼育者の立場から見た「外来生物法」の実態について調査を行った。調査結果より、飼育者が本法の施行に対して関心が高く、また、法の運用次第では飼育中の生物が遺棄されてしまう可能性があることがわかった。

この調査結果が法の運用に際して参考になることを希望する次第である。また、来年度以降についても、具体的な調査要望があれば、それを取り入れた上で調査を行いたいと考えている。

以上

文責 川口晃司

(ぶりくら事務局 代表)

謝辞

 本アンケートにご協力頂いた来場者及び出品者の皆様、調査を行うにあたり、アンケートの企画・立案、配布、回収、集計等にご協力頂いたスタッフ各位、そして本調査に対して多大なる助言を頂いた琉球大学の安川雄一郎氏にこの場を借りてお礼申し上げます。

参考資料

1.アンケート内容

2.当日配布した外来生物法関係の資料

3.(その他)の意見について

法の影響について

指定された時の対応について

4.(その他)の意見について

 登録手続きの具体案について

5.(その他)の意見について

・その他「外来生物法」について自由意見