『福田尚代初期回文集』
20071123日発行
251

絶版となった1994年の第一集『無言寺の僧』、1996年の第二集『言追い牡蠣』を合本。
美術評論家・鷹見明彦氏の「逢瀬の闇、彼方の森に降るしずくの木霊と相聞のアリア(/福田尚代・序説)」と
福田尚代の書き下ろし文「無言寺の僧 〜はじめの2年間〜」「言追い牡蠣 〜4年間の休暇〜」を掲載。

目次
はじめに 7
無言寺の僧 むごんでらのそう
愚者独白 13
盲僧問答 25
小娘托鉢 47
無言寺の僧 〜はじめの2年間〜 63
言追い牡蠣 ことおいかき
紙片 73
日記 79
手紙 225
海辺 231
言追い牡蠣 〜4年間の休暇〜 237
逢瀬の闇、彼方の森に降るしずくの木霊と相聞のアリア(/福田尚代・序説) 鷹見 明彦 241

以下は本書より抜粋

はじめに
 この本は回文と転文とで書かれています。はじまりから読んでも
終わりからよんでも同じ言葉になるのが回文です。
そして転文は、ふたつの文にわかれていて、ひとつの文を終わりから読むと、
もうひとつの文になります。つまり、逆から読むと違った意味の別の文が
あらわれてくるものが転文なのです。
「福田尚代初期回文集」は異なる時期に書かれた2冊の回文集、
『無言寺の僧』1994年刊)と『言追い牡蠣』(1996年刊、共に私家版)の
回文・転文部分を一冊にまとめられたものです。
(「福田尚代初期回文集・はじめに」から抜粋)

無言寺の僧 〜はじめの2年間〜
 中略
 ここで1994年発行の『無言寺の僧』制作の経緯について記しておきたい。
本当は偉そうなことを書くのは恥ずかしいのだけれど、
少数ながら興味を持ってくださる方もいらっしゃるということなので
思い切って出来るだけ誠実に書いていこうと思う。
はじめは回文を公に発表する気はなかった。正直に言えば「美術」という意識はな
かったのだ。それどころか「自分が作っている」という自覚すらなかった。回文は言
葉の世界に既に最初から存在していて、自分は単なる発見者という立場をかなり明確
に意識していたからだ。それは化石を発掘する作業にも似ていた。「人に見せる気も
ないのになぜ続けていたの?」と訊かれれば「だってやめられなかったから」としか
答えられない。どうしてもやめることができなかったのだ。
(「福田尚代初期回文集・無言寺の僧 〜はじめの2年間〜」から抜粋)


嘘のラテン語 無言寺の僧
うそのらてんこむこんてらのそう

澄んだ森まで毬藻ダンス
すんたもりまてまりもたんす

誰が破滅知る詩人暗示記し爪剥がれた
たれかはめつしるししんあんししるしつめはかれた

 問
使僧 届くか
文一筆
命がけの手紙か

 答
神が手の怪我
血の一筆
意味深く
怒涛阻止

しそうととくか
ふみいつひつ
いのちかけのてかみか

かみかてのけか
ちのいつひつ
いみふかく
ととうそし

罪の血は蜂の蜜
つみのちははちのみつ


著者 福田 尚代
制作 言水制作室
編集、装丁 言水 ヘリオ

\1,500-


福田尚代 略歴 
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