大日本プロレス
'97大日本武闘派宣言〜闘仁〜
「永井寿樹君追悼興行」
1997年9月14日(日)
新宮町立総合福祉会館「ふれあい」


◆前口上
●せっかくの三連休。しかしどうも天候不順。秋を感じ始めた快晴の中、ちょっと遠出して・・・なんて予定はぶっとんでしまい。まあいいか、午前中に野暮用を済まして車で大日本プロレスの地方興行を覗きに出かける。●会場となる新宮町立総合福祉会館、ここでプロレスの試合をする、ってのは多分はじめて。ここの近くだと「山崎町サキランド駐車場特設リング」でFMWが試合をしたぐらいではないか。場所は姫路駅から姫新線というローカル線に乗り継ぎ5駅先、播磨新宮駅より徒歩15分くらい。ウチからだと車で2、30分ってところだろうか(うーんローカル)。●さて到着したのは開始10分ほど前。会場はそこいらの公民館をちょっと大きくして立派にした程度。駐車場に止まる車の数を見てもそんなに人が集まっているようには思えない。会場までの道すがら興行のポスターも殆ど見かけなかったし、いったいなぜ、こんな静かな田舎町でプロレス興行が、・・・っていう疑問は試合開始のセレモニーで明かになる。●さて正面入り口から続くフロアの奥にグッズの売店、お目当ての「小鹿注意」Tシャツや「hWo」Tシャツがズラリと並んでいる。フロアの椅子には田尻が雑談中。チケットもぎりは社長の小鹿。社長より3000円立ち見のチケットを買い中へ。●会場は正面に舞台のあるシアタータイプ。舞台の下に狭苦しい感じでリングが置かれ、客席は雛壇で満員になって2、300人程度のこじんまりとした広さ。 そして正面をみれば「永井寿樹追悼興行」との文字が・・・。●程なく開始時間の15:00となりリングアナのコールで選手一同がリング上へ。


◆リング上に整列する大日本プロレスレスラー群
ここで先ほどからの謎が明かになる。大日本プロレスの練習生で先にクモ膜下で亡くなった練習生、それが「永井寿樹」君という青年、ここ新宮町出身だったのである。改めて回りを見回せばリングサイドにおかあさんとおぼしき女性が写真を傍らに座っている。リングアナが「テンカウントで黙とうをお願いします」と告げ、会場の全員が起立。私の前方に座っている女性はハンカチを握りしめている。彼に面識のある知人であろうか・・・、ちょっといつものプロレス観戦とは違った雰囲気を感じながら試合は始まった。



第1試合15分1本勝負
×小林源之助(8.35体固め)○川畑輝鎮(石川一家)

オープニングマッチ、まず小林の入場テーマ、「おら東京さいくだ」に会場が凍りつく。観客の反応無理もねえだろうなあ。土方コスチュームで水筒持参の小林のいでたちにコミックマッチになるのかと思いきやなかなか若手らしいきびきびとした試合でまずは掴みはOK?か。



第2試合20分一本勝負(女子プロマッチ)
×藤村奈々(17.38パワーボム)○ネフタリ
小山亜矢川崎美穂

私の記憶が確かならば〜(爆)、藤村・小山はJd'ドロップアウト組。生え抜きが川崎だったか。そこに外人ネフタリが入り、とりあえず2VS2のタッグマッチが成立している。先だってのプラムの件があるから受け身とか見ててどきどきしてしまう訳だけど。どーも川崎が一回り小さいような気がして、そのうえあぶなっかしくて仕方ない。先輩おねーさまがたにいじめられる川崎!っていうシチュエーションが演じられるようになれば、休憩前の安心して見ていられる試合として認知されるんだろうけど。・・・ちょっと気になるのが、川崎だけ殆ど声がでてないこと。観客に対してアピールが過ぎると鼻につくけど、やっぱり声がでてねえと気合いがはいってないように見えるし、技が効いてるのかどうか、観客に伝わらないし、なんといっても感情移入しずらいから。あと相手に届かないドロップキックの連発は辞めて欲しいな。まあ全女から溢れたレスラーがいるからしたたかな小鹿社長のこと、テコ入れは考えているだろう、と推測されますが。まあ今は若手同志でのびのびやってるってのが感じられて好感はもてましたよ。 


第3試合30分一本勝負
○田尻義博(17.37スモーピオン)スンビート
本間朋晃藤田穣×

こんなところにも訳知り顔の遠征組?ファンか。本間リングインで大絶叫応援を繰りかえす一団。おかげで盛り上がる部分がある一方、折角のうぶな地方観客の純情な観戦スタイルを妙にねじ曲げていたような気がします。試合中気になったのは藤田の体格。まだまだ身体が出来てないのに、田尻の攻めはかなり厳しい。それだけ後輩を信用している攻めであればいいのだけれ。途中田尻が藤田に放ったライガーボムは強烈の一言!クモ膜下で亡くなった練習生の追悼興行であること、プラムの件がまだ記憶に残る今だから、結構へろへろになった藤田をみてどきどき。初見のメキシカン、スンビートも三角飛びプランチャなどでまずまずの見せ場を作って観客も沸きます。こういう地方ではルチャはわかりやすくていい。最後はスンビートが  本間に対してラッシュ、フィッシャーマンバスター、ムーンサルトからラ・マヒストラ。


第4試合30分一本勝負
○(石川一家)石川孝志(17.37スモーピオン)山川竜司
松崎駿馬志賀悟×

さっきの訳知り顔の数人はさらにヒートアップ!。石川登場でその観客が居る部分だけが浮きまくり。これもディープなプロレスの楽しみ方なのだろうけど他の観客はその異常さに引いてしまいなんだか妙な雰囲気で試合は進んでゆく。まあベテランの石川、いろんな客への対処法は酸いも甘いも心得たところか、それとも単なる地なのか、なかなかリングに入らない。押っ取り刀でのっそりカットに入ろうとしてレフリーに止められその間に相手側が松崎をいたぶるという典型的な展開である。小鹿社長がいつのまにかリング下、石川にちょっかいをかける。怒る石川、煽る小鹿、ちょっとだけ盛り上がるノーマルな観客。最後はおきまりの殺人フルコース。喉輪からスモーピオンデスロック!志賀は返せず、チョン。


ここで休憩時間
小鹿社長と、永井君のご両親がリングに上がる。
小鹿社長の言葉、たった一週間の間だったが居酒屋で焼酎と生ビールを酌み交わした思い出、そして「いつまでも永井君が大日本プロレスの一員である」、という言葉が胸を打つ・・・


第5試合30分一本勝負
中牧昭二(12.17ドラゴンスリーパー)○ザ・グレート・ポーゴ
×岡野隆史シャドウNO.5

なんかどうも胡散臭いポーゴのパートナーシャドウN0.5とは何者。手にはどーもポーゴの凶器が入ったと思われるバッグ。やっぱり凶器と出血ってのは観客にアピールしやすい安直なアイテムなのだなあ、と改めて実感。しかし、どうしても永井君のご両親に目がいってしまう。鎖ガマを口につっこまれる中牧、思わず目を手で覆い下を向く永井君の両親。どうもいたたまれない。


第6試合メインエベント
○K・ナガサキ(体固め)×シャドウNO.5

パイルドライバーでフォール。それだけ。ただそれだけの試合。


永井寿樹追悼特別試合60分一本勝負
○田尻義博(18:11みちのくドライバー)山川竜司
志賀悟岡野隆史
谷口裕一小林源之助
本間朋晃×藤田穣


◆リング上に勢揃い。大日の明日?を支える精鋭達
大日の若手をずらっとそろえたメインの後の特別試合。はたして一週間だけ同じ釜の飯をくった練習生への思いは伝わってくるかとくと見せていただきました。それぞれの持ち味を出し切った好勝負。大きなお世話かもしれないけど、この若手たちを生かしてあげるために安直なデスマッチやビッグネームに頼らない体質を早く実現させてあげて欲しいな、と。ただそこまで団体の体力があるのか、と考えれば、小鹿社長の「手変え品変え」の暗中模索は続くんだろうなあ、と。試合はまたまたボム系で身体の出来てない藤田が田尻よりフォール。藤田は今日は2試合出場、だいじょぶなんかいな。

・・・試合終了後リング上に勢揃いする若手勢、本間がリング下に降り、ご両親から永井君の写真を受け取り、そして再びリング上へ。ご両親に向かい、息子さんを呼び捨てにさせてもらいます、と言った後、「永井」と絶叫。「おまえの分まで」、「いつまでも大日の一員だ」、「忘れない!」と締め。闘った8人は手を取り合ってサークルを作り、そして永井君の写真を掲げて万歳。観客のところどころではすすり泣く声も。彼らの熱き思いはどうやらこの地元の人たちにしっかりと感じとってもらえたようだった。

とある田舎町で行われたその地方興行。そんなに期待もせずに訪れた会場でこんなドラマがあろうとは思いもよらず。いつもの旅巡業とはちょっと違った、ウエットでそして熱い試合だったな、と。



● 終了後のフロアにて
●試合後サインをしてる藤村、小山をデジカメでパシャリ。
で、ばたばたとあわただしく片づけられている会場を後にしようとすると、藤村に呼び止められてしまつた。「あのーさっき撮ってたのってビデオですよねー」、いや、デジカメなんですけど。(取り上げられるのか、このむすめに)、「デジカメって・・・なんですか?ビデオぢゃないのお?」、(こまったな)、そこへスキンヘッドのバンレフリー、「デジカメってなんですかあー」、「デジカメってのはデ・ジ・タ・ル・カ・メ・ラ!」、いそがしいのか足早に去っていくバンレフリー、「ビデオじゃないんなら、いいですう」。・・・藤村、そんなキャラクターだったのか・・・。●そこへ救急車のサイレン。心配したとおりどうも藤田がどっか怪我したらしい。担架が用意されたがとりあえず藤田は歩いて救急車に乗っていたのでそんなにひどい怪我ではないのだろう、と安心。しかし、追悼試合で大事になってたら、大変だったんぢゃないかと思うとあの藤田の2試合出場はちょっとまずいんぢゃないか、とか。



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