第29回 東海エコーカンファレンス

                                      

日 時:平成15年6月22日(日曜日) 10時>

場 所:名古屋市立大学病院 5階大ホール

    当番県 愛知県

スケジュール 総合司会 足立 正純(名古屋徳洲会総合病院)

内 容: 
第1部 10:00?11:00 司会:足立正純(名古屋徳洲会総合病院)

     きれいな肝・胆・膵領域の画像を得るために―当大学病院の取り組み

      藤田保健衛生大学短期大学 刑部 恵介 先生

2部 11:10?12:10 司会:佐々 敏(大垣市民病院)

     肝・胆・膵領域における造影エコー法の有用性

      藤田保健衛生大学医学部消化器内科 今井 英夫 先生

3部 13:10?15:30症例検討会 腹部、体表 3例 循環器 4例
     “何でも質問コーナー”を同時開設             

腹部症例 3題 司会 山野 隆 (厚生連愛北病院)
          刑部 恵介(藤田保健衛生大学短期大学)

     1. 宇津木 秀子(藤田保健衛生大学病院)     
        2. 磯部 紅仁子(名古屋徳洲会総合病院)
     3. 山田 英津子(厚生連加茂病院)

心臓症例 4題 司会 石神 弘子(名古屋第二赤十字病院)
           杉本 邦彦(藤田保健衛生大学病院)
1.    臼井 信雄(宇治徳洲会病院)
2.    大谷 正伸(宇治徳洲会病院)2演題
3.    岡庭 裕貴(岡村記念病院)

腹部1 藤田保健衛生大学病院 宇津木 秀子

症例;    71歳男性
既往歴;   H10年 左鼡径ヘルニア根治術施行
家族歴;   特記すべきことなし
現病歴;   H9年に膵管の拡張傾向を指摘され、他院にてCTUSを施行したが、
       明らかな異常所見は認められずそのまま放置、鼡径ヘルニア手術後当院USで、
       再度膵管の拡張を指摘され、精査となった。


血液検査データ
WBC  6.4 ×103/μl            LDH  101 IU/l             BUN  10 mg/dl
RBC   4.15×106/μl             ALP   56 IU/l              Cre   0.9 mg/dl
Hb      13.7 g/dl               γ-GTP  11 IU/l             Na 142 mEq/l
Ht       38.9%                  LAP  20 IU/l               K   4.3 mEq/l
Plt   19.4×104/μl              ChE  2700 IU/l              Cl  107 mEq/l
AMY  132 IU/l              CEA  1.5 ng/ml
TP  6.0 g/dl                    T-Chol  203 mg/dl          CA19-9  16.7 U/ml
Alb  3.6 g/dl      T-Bil 0.6 mg/dl   AST  17 IU/l    ALT  16 IU/l

腹部2 名古屋徳洲会総合病院 磯部 紅仁子

症例 61歳 男性
主訴   右下腹部痛
既往歴  2痔核OPE 尿管結石 胃潰瘍 脳梗塞
現病歴  平成**年A月8日 腹満感
         A月9日 右下腹部痛出現

         A月10日 痛み増強したため当院外来受診。腹部超音波検査施行。

甲状腺3 厚生連加茂病院 山田 英津子

患 者:44歳、女性。
既往歴・家族歴:特記すべき事項なし。
現病歴:平成**年2月末より発熱。頚部痛があり当院内科受診、
       症状持続のため3月14日入院となる。
入院時現症:身長151cm体重52kg体温37.6度。
       触診では甲状腺が全体に腫脹し弾性硬で圧痛あり。
      リンパ節は触知せず。

入院時検査所見:CRP8.0mg/dl AST 33IU/lALT 48IU/l、γ-GT 57IU/l
      F-T3 10.03pg/mlF-T4 4.43ng/dl、TSH 0.01μIU/ml以下
      CBC正常、ESR 30:129mm 60:129mm 120:133mm


心臓1 宇治徳洲会病院 臼井 信雄

60歳男性
【主訴】:右季肋部痛
【既往歴】:特記すべきことなし
【現病歴】:前年9月頃 高血圧指摘されるが怠薬
      本年10月12日 突然の胸痛で来院
      
心電図でST上昇、心エコーで少量の心嚢液を認め,
      
心膜炎疑いで入院するが、11月21日に退院
      本年11月21日 外来フォロー中心嚢液増加を認め再入院
      12月7日に退院
      翌年5月1日 右季肋部痛を訴え来院
            その際、眼瞼浮腫を認め心エコーを実施
【入院時血液検査】:CRP4.6mg/dlと上昇を認めたがその他異常所見認めず

心臓2 宇治徳洲会病院 大谷 正伸

症例 1
62歳、男性
【既往歴】統合失調症にて他院入院
【現病歴】*年1月10日頃より胸部不快感あり
     他院で胸部X線にて心拡大、心エコーで約8cmの腫瘍を指摘される
     同年2月20日、精査目的にて当院に紹介入院となる
【入院時検査】
     心電図 
 V1〜V5 poor R、SVPC(+)
     胸部X線:CTR59%
     
胸部CT      :@左肺静脈、左房、左室に接する心嚢内と思われる領域に径8.5cmの腫瘤
                                                A左室左外側に接する5cmの血管と同等に造影される領域

症例 2

76歳 女性
【既往】 高血圧症にて他院受診
【現病歴】B月16日 体調不良のため救急搬送
     嘔気(+)呼吸苦(+)チアノーゼ(+)胸痛(−)意識clear
【入院時検査】CT、XP  心拡大
      ECG    T、aVL、V5〜6でST上昇
      UCG    後壁、下壁がhypokinesia
      WBC 21400/? CPK 1017 IU/l CK-MB 95 IU/l LDH 1030 IU/l
      救外にてショック状態に陥ったため挿管
      AMI(s/o)にて緊急カテーテル検査施行
       RCA 100% → PCI施行
        LCx  100%  → PCI施行
        LAD diffuse 90%
            IABP、PCPS開始
        B月18日  けいれん発作 

心臓3 岡村記念病院 岡庭 裕貴

症例  75歳  男性
既往歴 脳血栓 右足首骨折 人工骨頭挿入 糖尿病指摘 右白内障手術
現病歴
  *年9月29日胸部不快感を自覚し近医を受診。
 心電図異常より急性心筋梗塞疑いにて当院入院となる。
  緊急カテーテル検査にて#6 total、#2 total (LADよりcollateralあり)
  であったため#6に対し、PCIを施行。0%となる。
 3週間後の確認造影にて#6に再狭窄が認められ、 また#2がtotalであること
 から11月14日LADおよびRCAに対しOPCABを施行。



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29回東海エコーカンファレンス 解答

腹部1膵尾部のIPMTs
体部の不整な膵管拡張を見つけた場合に、膵頭部の閉塞端(腫瘍、膵石)による拡張だけでなく、
本症例のような尾部の膵管内粘液産生性腫瘍による膵管の拡張も念頭において膵頭部から尾部までくまなく観察すべきである。


腹部2:急性虫垂炎および虫垂憩室穿孔
ポイント
@右下腹部に認められる管腔像は何でしょう?
     A   そのエコー像に接するように認められるエコー像は何でしょう?
     B  4日後(1月14日)の低エコー領域は何でしょう?

甲状腺3:甲状腺癌(乳頭癌)
検討事項
1.甲状腺自体の病態として考えられる疾患は?
2.右葉背側の結節様病変は何を考えるか。その由来臓器は?

心臓1:angiosarcoma 

心臓2:1. 冠動脈瘤 、2. 乳頭筋断裂

心臓3:心尖部血栓
今回の症例は75歳 男性で、急性心筋梗塞疑いにて当院紹介となった患者である。

入院時の 緊急カテーテル検査を施行
#6 total ⇒ 0%#2 total ⇒ OMI(LADよりcollateralあり)
3週間後の確認造影にて再狭窄が認められ、 また#2がtotalであることから
11月14日LADおよびRCAに対しOPCAB(Off pump CABG)を施行した。

術後1週間にて超音波検査を施行したが、記録不明瞭、
心尖部が描出されていないため再検査を行い、心尖部血栓を発見できた症例である。

超音波装置は日々進化しているが、機器設定(Gain、ダイナミックレンジ等)は基より、
正しい画像を描出しなければ異常を発見できないこと痛快した症例であった。