Fair Trade Cafe パオ
第12回

−for our smile world-
店主ひとりごと
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                        女性の力で田舎の元気を取り戻す            

佐世保市と長崎市の間に位置する、海も山も美しくて自然豊かな西海町。ここに住まいとフェアトレードの店を佐世保市から移して6年が過ぎた。93年からフェアトレードのショップを始め、アジアやアフリカなどの、主に女性たちの作業所や農園で作られた雑貨やオーガニックの食品を扱ってきた。また、インドや南アフリカの女性たちとの交流をしてきた。

当初は「誰でもできる海外協力」としてフェアトレードを始めたけれど、そのうちに自分たちの暮らしそのものを見直すことが大切ではないかと考えるようになった。たくさんのものを使い捨て、自然を壊し、知らずに「南の国」を踏みつけて成り立つ私たちの暮らし。そして、アジアの女性たちと共通する問題を、周りの女性たちも抱えている。

4年前、近くの女性たちに声をかけて女性グループ「はなみずき会」を作った。呼びかけに40代から50代の十数名が集まった。農家、商店主、製造業、建設業、主婦・・・いろんな女性たちが夜の家事をすませて集まり、「おしゃべり会」から始まった。

そのうち、「なにか外に向けて発信したいね」ということになり、共通の興味であった「食」をテーマにした「西海『食』物語〜Food・風土まつり」をすることになった。第3回目の今年、会のメンバー以外の若い女性たちも「西海市の元気を伝えたい」と参加してくれる。彼女たちは西海市内でオーガニックな食を提供する店をやっている。会のメンバーの畑で収穫した有機無農薬野菜を食材としたお弁当を共同で作り、同じ場で材料の野菜も販売する。

アジアの女性たちはマイクロクレジットや識字教室などで力を付け自らの暮らしを立て直してエンパワーされている。小さくてもいいので女性への経済的な支援があれば、仕事を作り出し、子どもの教育に力を注ぐことができる。今私が暮らすここも、美しい自然と豊かな食材に恵まれているのにもかかわらず、過疎や経済的困難に苦しんでいる。仕事が少なく希望が持てずに、子ども達は高校を卒業したら外へ出て行く。この田舎を元気にする一つの方法として「女性の発想と力」は大切だと思う。年に1回のまつりから、地元のおいしい食材を生かした「西海くだもの畑のシフォンケーキ」(仮称)をみんなで事業化できないものか、模索する段階に入った。きっかけは、長崎県農政課による地域振興の呼びかけで始まった「西海の元気の素を見つけようかい」である。すぐに「女性の力をいかにして地域活性化に引き出すか」という分科会を作った。その話し合いの中で「シフォンケーキはヘルシーでおいしくて季節感がある。野菜を入れることもできる。これで雇用、食材作りなどにつなげていけば、地域を元気にする素材としてうってつけではないか」ということになった。現実の形にするには、まだまだクリアすべきことはたくさんある。安心安全な食材を地元農家に作ってもらう、県や市の農政課にもバックアップを依頼する、資金調達、コンセプトかため、商品試作、販売戦略、加工所の確保などこれからだが、一人一人バラバラではなく、「はなみずき会」とそこから広がった人脈で光が見えてきている。将来的には、フェアトレードのスパイスなどと地元食材との合体で商品開発も夢見ている。「はじめは小さくてもいい。誠実に、健康によくて、おいしいものを作ろう。」そんな共通の思いをもっている。

いつもはたくましくて、3人寄れば大声で笑い合っているのだが、あるとき「ボロ雑巾のごと働かんばいかんとよ・・・」と、体を壊して涙を浮かべながら語る農家の女性がいた。種から作物を育て、加工、保存まで、根気のいる大変な、でも、命を育むいちばん大切な仕事に携わる女性たちがいる。私自身もみんなと支えあいながら、ここで活動を続けている。自分も含めて、自信をもって生き生きと輝く笑顔の女性たちがますます増えるように願ってやまない。