Saturday In The Park

〜football weekend〜


1stステージ第7節 FC東京 0−2 横浜Fマリノス at 味の素スタジアム


No.45  あらかじめ失われた僕たちの

ボールがルーカスの懐深くに収まった時点で、1ターンは終わっている。
DFを背負い込みながら懸命のキープをしても、振り向きざまのシュートを放っても、
そこから先に我々がワクワクするような展開はない。
あらかじめ、ない。次のターンに行くだけだ。

ここのところのお約束となった開始2分の失点という事態をさっぴいても、
最初の45分の展開はなかなか魅せるものがあったとは思う。
ゲームの醍醐味はセンターライン付近にぎゅっと凝縮されている。
如何に高い場所で相手のボールをブン取るか。
ゴールは二の次、押しつ戻りつの陣取り合戦に興じているようなピッチ中央での攻防。
MF、DFはもちろん、互いのFWまで巻き込んでの大立ち回りには、それなりに期待させるものがある。

問題は、ボールがこのチャンバラフィールドから飛び出したあとの展開である。
今日の東京は速い。密集がバラけたあとのスピードは、
確かにここ最近のゲームでは忘れかけていた速さだ。
長短のパスが小気味よくつながり、相手ペナルティエリア付近へ一気の勢い。いける。
しかし残酷なことに、お話は冒頭へ戻るわけである。ボールがルーカスの懐深くに………

次のターン。そして次。さらに次。

後半はお決まりのガス欠だった、という向きもあるようだが、
奥の小憎らしいフリーキックが決まるまでは、東京はよく走っていたと思う。
ただ、この2度目の失点が与えるショックは相当に大きかった。
肩が落ちる音が耳に響くようである。ガクン。それはピッチからか、スタンドからか。

いくらきれいにボールを運んでも、相手ゴールの鼻先まで迫っても、
期待すべき夢見るべき「次」がないのが薄々見えてしまっている悲しさ。
とてもじゃないが2点のビハインドは重過ぎる、という事実。
それを跳ね返せるイメージを持つのは、相当に難しい。

詰まるところ、僕らがスタンドで声枯らし腕を振りつつも頭の中で想像できるのは、
どれだけがんばっても「ボールがルーカスの懐深くに収まった」ところまでだ。
だから見せて欲しい。どんな時にでも頭の引き出しから引っ張り出せるシーンを、
幸せな90分後を夢見ることのできるイメージを。

2004年5月2日、現時点で、僕らの望む「次」は、あらかじめ失われてしまっている。


2004.5.2 sun



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