Saturday In The Park

〜football weekend〜


1stステージ第10節 FC東京 1−1 サンフレッチェ広島 at 味の素スタジアム


No.47  五月雨

曇天の空の下。東京は、実直なサイド攻撃に勤しんでいる。

45分のリミッター付きで久々に投入されたケリーは、
受け取ったボールをきっちりと足に吸い付かせ、時間とスペースを稼ぎ出す。
おかげで、石川、梶山(!)の両翼はいつもよりも深い場所までガツガツと侵入し、
相手を脅かすことにひとまずは成功している。

先制点はそんな展開の延長として生まれた。
最近では、まっすぐ飛べば御の字だった石川のクロス。
久々にきれいに放った速くて正確な軌道を、ケリーの頭がしっかりと捕らえた。
ピンボールのように球が動き、ゴールへと吸い込まれるそれはそれは美しき光景。

スピードで勝っていたのはこちら。展開力で上回っていたのは広島。
ピッチを大きく使って、左右へボールを散らす広島に対し、
東京は張り巡らされた横糸をタテに切り裂いていく印象。シャープだ。実にシャープな前半だ。
しかし。

後半は、その両方を持っていかれた。いや、その両方を自ら捨て去った。

雨。ケリーのゴールが決まった瞬間から本降りとなった。
ピッチを濡らす雨粒は、選手たちに一体何をした。
ぬかるみに脚を取られ、ボールをなすすべなく見送り、曇天を仰ぐ。
何かがおかしいと感じながら、その何かを追求する気力さえ萎えていく。

後半の45分、選手たちは重い脚を引きずりながら、何を待っていたのだろう。
ゴールを取り、勝つ、ということよりも、終了のホイッスルが鳴るまでの時間を、
ただ、やり過ごしていたように見えた。
天から落ちてくる雨粒がその背に沁み込むごとに、前へ向かう力が奪われていく。
ため息と怒声が、スタンドを覆いつくしていく。

雨は我々に一体何をしたというのだろう。


2004.5.16 sun



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