Saturday In The Park

〜football weekend〜


Jリーグ第4節 FC東京 1 − 0 ジュビロ磐田 at 味の素スタジアム


No.62 サクラサク


勝利の瞬間、モニワが一目散に土肥に駆け寄り、ジャンプして抱きつく。
その光景に重ね合わせているのは、いつぞやの磐田スタジアムでの光景だ。
6点をぶち込まれ、悔し涙と怒りでぐちゃぐちゃになったモニワの顔。
無慈悲な雨を落とし続けたあの日の空にくらべ、今日の空のなんと晴れやかなことよ。

「それでも俺は攻めるよ」

サンドバッグよろしく叩きのめされたあのゲームの後でも、我らが監督はこう言い放ったそうだ。
その言葉どおり、あの日以降もチームは2年と数ヶ月、攻め続けた。
愚直に無反省にサイドにボールを繋ぎ続け、多少の器用さも身につけながらも
攻めるサッカーを繰り返した。時に上手くいき、時に裏目に出ながらもしかし、
いかなる結果の後にもハラヒロミは思っていたに違いない。
「それでも俺は攻めるよ」。
たとえ口には出さずとも。

終了の笛が鳴った後のピッチには、モニワだけでなく誰もが笑顔を爆発させていた。
もちろん、スタンドにも絶叫にも似た快哉がこだまする。勝った。ついに勝った。
34節のうちのまだまだ4ゲームを消化したに過ぎないといえども、
この後どんな展開が待ち受けていようとも、今日という日は特別な日として切り取られるべきである。

はらはらと舞い落ちる桜の花びらが、勝利を祝う紙吹雪のように、また舞い上がる。
その中を帰路に着く。今夜、幾人のファンたちが酒を飲むのだろう。幸せな眠りにつくのだろう。
すべて許される夜である。
散り際に最後の栄華を誇る桜の木々たちが、そう語りかけている。


2005.4.10 sun




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