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■ モデル:栗山千明(11歳)
■ 撮影:篠山紀信
■ 新潮社・1997年発行

 千明ちゃん11歳の時の写真集だ。カメラマンはあのカリスマ的な盆栽頭の篠山鬼神紀信。ロリータ法施行前に出版された写真集だから、千明ちゃんのあんな所やこんな所まで隠すとことなくしっかりと写っている。でも、写っているからといっても、下品ないやらしさは全然ない。思春期を迎えようとしている11歳の少女の不思議な妖しさがしっかりと表現されている。たぐいまれな芸術作品であると私は断言したい(きっぱり)。

 ある筋によれば(?)、現在ではプレミアが付いていて高値が高値を呼び、1万円以上出さないと手に入らないらしい。幻の写真集となりつつあるのだ。私だって持っていない。ただ、スキャンした画像がほぼ揃っているので内容は分かる。呪わしきロリータ法が出来たおかげで、こういう写真集はもう世の中に出ることはないだろう。もちろん性的な興味本位の下劣なロリータ写真集は街から消えたが、それと同時に、「神話少女」のような一つの芸術といえるまで高められた作品も二度と出版されることもなくなった。本当に残念だ。

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 千明ちゃんのような美少女もなかなか現れないだろう。「かわいい」とか形容される少女たちは常に現れては消えていくのであるが、憂いのある冷たさを持った本物の美少女はそう簡単には現れない。こういう少女がロリータ法施行直前に篠山紀信と出会ってしまった。これはもう、すごい作品が生まれるしかない。

 千明ちゃんはその美しさに磨きがかかって、美人女優の道を歩んでいる。「バトルロワイアル」では亜季ちゃんとも共演した。「六番目の小夜子」では鈴木杏ちゃんや松本まりかちゃんと共演。不思議な魅力を持った少女を演じている。これからも美人女優としての地位を確かなものにしていくことは間違いないだろう。

 でも私としては、「神話少女」の千明ちゃんはニンフェットとしての頂点を極めたと思っている。思春期の始まりにだけ見られる憂いのある視線。長いさらさらの黒髪。ときおり見せる猫のような瞳の輝き。脹らみかけたバラ色の乳房。きれいにカーブした背中。脂肪のつく前のすらりとした脚。全てがニンフェットとしての特徴を具現化している。彼女はロリータの極北だ。
 写真集の1枚に、田圃のあぜ道に立ち尽くして風を受けている千明ちゃんのショットがある。その姿はもうこの世のものとは思えない。神の子供か、それとも風の又三郎と同類の妖精か。気がつけば強い風に乗って飛んでいってしまうかもしれない。そんな畏れと憧れを感じさせるショットだ。

 「神話少女」は写真集というジャンルを超えて、これからもずっと高い評価を受け続けるだろう。私はそう確信している。

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