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わたげの旅立ち
この写真を、自然現象で撮ろうとすると、風の吹く日に、形のいいタンポポの綿毛の前に陣取り、カメラを構えて、じっと息を殺し、程良い風がサーッと吹いてきたときに頃合いを見計らって、連続シャッターを切る。何十枚、何百枚もの失敗を重ねながらじっと成功を待つ。根気のいる仕事です。頭の上に鳥が巣を作ります。
この日、私にはそんな根気はありませんでした。他の友達はしびれを切らして向こうの方で退屈そうにしているのが見えます。気持ちが焦ります。焦れば焦るほど、写真はとんでもない駄作になっていきます。
ピンと閃いた私は、他のタンポポの綿毛を少々むしって、目の前のタンポポの上にのせました。かみさんに協力を求め、「合図をしたら、こっちから綿毛に向かってフーッと息を吹きかけてくれん?」
次の瞬間が、右の写真です。少々の後ろめたさを感じつつ、「ヤッター!」 5年の歳月を経て、懺悔する私でした。 |