MSCBに関する一考察
ライブドア(1) MSCBの概要



 2005年2月8日にライブドア(4753)が総額800億円のMSCB発行を発表し、その資金の使途も含め大きな反響を生んでおります。
 今回は、このライブドアが発行するMSCBの概要について拙いながらも簡単に説明させていただきたいと思います。

〜上方・下方修正条項付MSCB、下限転換価額有り、上限転換価額無し 概要〜

 今回ライブドアが発行する転換社債型新株予約権付社債(CB)には、転換価額の修正条項が存在しており、株価変動に伴い転換価額の修正が行われるMSCBです。
 今回定められている転換価額修正条項は、要約すると以下の通りとなります。

(1)当初転換価額は450円とする。
(2)毎週金曜日にその週の水、木、金曜日のそれぞれの売買高加重平均価格(VWAP)を足して3で割った値の90%に転換価額を修正する(祝日の場合は火曜、月曜とさかのぼる)。
(3)下限転換価額は157円とする。

(1)の当初転換価額は第1回決定日(2月25日?)までの転換価額のことであります。
(2)の売買高加重平均価格(VWAP:Volume Weighted Average Price)は、以下の@式で求められます。要するに、その日の平均売買単価であります。その日の高値と安値の間には必ず入りますが、始値と終値の間には必ずしも入りません。

VWAP算出式

 このVWAPを用いて、修正後転換価額(翌週月曜日以降の転換価額)を以下のA式で求めます。求めた修正後転換価額が従来の転換価額よりも高い場合は転換価額の上方修正(転換株式数減少)、低い場合は下方修正(転換株式数増大)となります。修正後転換価額は3日間のVWAP平均の90%であるため、転換価額が株価の10%引き程度に修正される点は注意する必要があります。
 例えば、株価が470円程度で横這いの場合は、転換価額は423円程度と約47円(10%)ディスカウントされます。
(3)は、A式で求めた修正後転換価額が157円未満だった場合、転換価額を157円としそれ以下には下方修正しない(=転換株式数の増加をさせない)事を定めています。また、上限転換価額は定められていないので、転換価額の上方修正は青天井の模様です。

修正後転換価額算出式

 これらについて図で示すと以下のようになります。
 転換価額の修正は決定日である毎週金曜日に行われ、翌週月曜日から適用されます。
 また、VWAPの3日分の平均値が174円を下回ると、転換価額は157円に定められます。その後174円以上になった場合は、A式で求める修正後転換価額へと上方修正されます。

VWAPと転換価額の関係

図 VWAPと転換価額の関係

 今回、ライブドアはこのMSCBを800億円分発行いたします。
 仮に、当初転換価額で全て転換した場合、800億÷450=約1億7780万株、下限転換価額での転換となった場合は、800億÷157=5億960万株だけ発行株式数が増加する計算になります。また、株価上昇で転換価額が1000円となった場合は、800億÷1000=8000万株となります。05年1月時点での株式総数が約6億4300万株(四季報資本異動欄より)ですから、決して無視できない数字といえそうです。
 
 次回は、このMSCB発行で、ライブドアの株価にどのような事態が起こり得るかを考察していきたいと思います。


親記事:MSCBに関する一考察 (5)転換価額の上方・下方修正条項付きMSCB
MSCBに関する一考察 ライブドア(2) リーマンの戦術と株価への影響

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注意事項:本文章はライブドアのプレスリリースを元に管理人(こみけ)が考察を行ったものであり、注意は払っておりますが、必ずしも正確ではないかもしれません。
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