MSCBに関する一考察
(6)まとめと提案



〜まとめ MSCBの位置づけに関する一考察〜


 MSCBは、発行開始当初においては、主に業績不振の企業が発行しており、発行後は引き受け先のヘッジファンドに食い物にされ、会社は破綻、持ち株は紙切れとなる事例が相次いでいました。
 しかしながら、最近は、下限転換価額の設定や、リセット日設定による潜在株式数の明示など、株式希薄化に一定の歯止めをかけるようになったことや、情報の透明化が進んだことにより、資金需要が旺盛ではあるものの、信用力がやや劣る企業にとっての資金(または資本)調達手段の一つとして広がりを見せるようになりました。
 したがって、全てのMSCBを悪材料と見なすのではなく、その資金調達は企業にとって必要なものであるか、社債や借入金と比較してどちらが一株利益の拡大につながるか、転換価額下方修正のリスクはどの程度か、するなら何%位の修正があり得るか・・・といった各企業の事情を考えた上で判断するべきであると考えています。
 つまり、MSCBも、その特徴を押さえた上で、増資や社債発行等と同様に、ファイナンスの一種として分析するべきであると考えております。

〜おわりに MSCB分析に役立つかも知れない一提案〜


 これは、あくまで私(管理人)の個人的な見解ですが、MSCB発行に関して、会社側(あるいは取締役の皆さん)がどのような考えであるかを考察する際に、役立つと思われる材料をひとつ提案いたします。
 会社四季報の大株主欄をご覧になっていただくと、上位10番までの大株主と、その保有株式数ならびに発行済み株式総数に対する比率を確認できます。で、その下の欄には、取締役の皆さんの氏名が掲載されています。
 これを元に、MSCB発行を決議した取締役会の皆さんが、どの程度の株式を保有しているかが確認できます。仮に、オーナー社長などで、株式の多くを保有されている場合などは、MSCB発行で調達した資金で、更なる会社の成長が実現でき、結果として自分の保有株の価値を、MSCB発行による希釈分をもこなしてさらに高める自信があってのことではないか、という見方も出来ないでしょうか?
 一方、取締役の皆様の保有比率が低かった場合は・・・?
 その場合は、会社発表のMSCB発行目的が妥当なものであるか、妥当でなければ何が目的なのかを検討することから始まるかと思います。
 最終的には、どんな目的でMSCBを発行するのか、そして、そのMSCB発行は株主にとって悪材料か否かについては、会社発表情報をもとに、投資家それぞれが判断することになりますが、取締役の株式保有比率は、その判断の一助になると考えております。


MSCBに関する一考察 (5)転換価額の上方・下方修正条項付きMSCB
MSCBに関する一考察 (7)当初転換価額が後から決定されるMSCB

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注意事項:この文章は管理人(こみけ)が主にインターネットや会社四季報等から得た知識をもとに作成したものであり、注意は払っておりますが、必ずしも正確ではないかもしれません。
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