株式の部屋 独立1周年記念企画
株式有利発行問題を回避する新型MSCBの提案(解説編)



 先日提案した新型MSCBに関する解説を掲載いたします。
 なお、解答を寄せて下さった方が一人もいませんでした i|i|i_| ̄|●i|i|i ので、正答者の発表はなし、解説も簡潔なものとさせていただいております。



<想定解答>

問1.
手数料として樹海証券が発行額の10%、1億5000万円を徴収するから。
根拠:6ページ冒頭の手取概算額(15億円発行にも関わらず手取りが13.5億)
問2.
(1)大株主から株式を借りて空売り→転換価額の下方修正後、MSCBを転換して返済する事により現金を回収。
(2)1年後、繰上償還請求を行い、100円当たり99円(=15億円分を14億8500万円)で償還させ回収。
問3.
手数料が費用計上されるので経常利益・純利益が減少し業績が(現在一般的なMSCBと比較して)見かけ上悪化する。



<解説>

問1.についての解説
 現在発行されているMSCBの多くは、転換価額がVWAPや終値の平均値から1割引程度の金額にディスカウントされることがほとんどであります。つまり、100億円のMSCBが発行された場合、引き受け手が得る株式は約111億円分になるのであります。
 これに対し、今回提案したMSCBは、得られる株式は発行金額と同じ15億円分なのであります。ただし、発行会社(モナー観光)は手数料として15億円のうち1割の約1億5000万円を引き受け手の樹海証券に支払います。要するに、キャッシュバックするのであります。すなわち、樹海証券はMSCB発行額15億円相当の株式を、1割引の13億5000万円で入手でき、差額が利益になるのであります。

問2.についての解説
 プレスリリースの7.(5)Cには、社債権者からの繰上償還条項として、平成18年8月17日以降、すなわち発行日から1年経過後、100円当たり99円で償還を請求することができます。一見、社債権者(樹海証券)は損をするように見えますが、先に説明したように、樹海証券は実質1割引(100円当たり90円)でMSCBを入手しておりますので、1年後に繰上償還させてもほぼ(年利)10%の利益を得ることができるのであります。

問3.についての解説
 今回提案したMSCBの場合、モナー観光は樹海証券に対して支払う1億5000万円を経費(社債発行費?)として計上する必要があります。すなわち、利益額は一般的なMSCBを発行する場合に比べ、1億5000万円少なくなるのであります。これが重荷になる企業の場合は、今回提案したタイプのMSCB発行は躊躇する可能性が高いと思います。
 個人的には、このようなMSCBの発行を行う可能性があるのは、
・M&A資金の調達ではなく、比較的小規模(5〜20億円程度)運転資金の調達が目的の企業
・元々減損などで巨額赤字が見込まれるのでそれに社債発行費を紛れ込ませることができる企業
の2ケースが多くなると見ております。




株式有利発行問題を回避する新型MSCBの提案(出題編)
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注意事項:この文章は管理人(こみけ)が主にインターネットや会社四季報等から得た知識をもとに作成したものであり、注意は払っておりますが、必ずしも正確ではないかもしれません。
プレスリリース中に登場する人物、企業等は全て架空の存在であります。