2)赤ちゃんの病気について
〇赤ちゃんは、生後3〜4カ月までは、胎盤を通してもらった母体免疫に守ら れており、かぜなどの病気にかかりにくいようになっています。5カ月を過ぎる 頃から、かぜをひきやすくなり、よく熱を出します。

赤ちゃんの病気の特徴として、急病が多いこと、病気の種類としては感染症が 多いこと、感染症の中でも、急性上気道炎(=かぜ)が最も多いことが上げられ ます。年齢では、6カ月から2才ぐらいまでの乳幼児が、よくかぜをひくために 、お医者さん通いが多くなります。

a.急性上気道炎(いわゆるカゼ)

のどが赤くなり、発熱したり咳や鼻水が出ます。夏場は、プール熱やヘルパン ギーナなどの夏カゼが流行し、冬には、高熱などの激しい症状のインフルエンザ やひどい下痢や嘔吐をおこす感冒性消化不良症(小児仮性コレラ)が流行します 。発熱した時には、安静にして十分の水分をとらせ、肺炎や脱水症などの合併症 をおこさないように注意して下さい。

b.はしか(麻疹)

はしかは、軽いはしかは無いと言われるぐらい症状が激しく、赤ちゃんがかか ると脱水症や肺炎を併発して入院する事も少なくありません。症状としては、高 熱や激しい咳が出て、全身に発疹が広がり、赤ちゃんはかなり消耗します。親と しては、一番かかってほしくない伝染病です。はしかは、ハシカワクチンで予防 するのが賢明です。1才になれば、できるだけ早くハシカワクチンの接種を受け るようにしましょう。また、はしかの子と接触したら、接触して48時間以内な らハシカワクチンの接種、3〜4日以内ならガンマグロブリンの注射で発病を予 防できる可能性があるので、かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。

c.おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

おたふくかぜは、耳の下の耳下腺がはれる伝染病です。時々、無菌性髄膜炎を 合併する事があるので、はれている間は安静を守るようにして下さい。髄膜炎を 合併すると、高熱が続き、頭痛(不機嫌)や嘔吐の症状が出現します。そのよう な症状が見られたらお医者さんの診察を受けるようにして下さい。おたふくかぜ も、予防接種を受けておく方がよいと思います。

d.風疹

俗に、三日ばしかと言われるように、はしかと比べて症状は軽いです。38℃ ぐらいの発熱と全身の発疹が出ます。風疹の抗体を持っていない女性が妊娠初期 に感染すると、胎児に異常(先天性風疹症候群)がでることがあるため要注意で す。これも、予防接種を受けておく方がいいでしょう。
e.水ぼうそう(水痘)
全身に水疱ができる伝染病で、発熱を伴うこともあります。症状は個人差があ り、症状は比較的軽い場合が多いですが、まれに重症になる場合があります。合 併症は少ないようです。7〜10日くらいで、水疱が乾燥して黒いかさぶたにな って治癒します。予防接種がありますが、予防接種をしていても、水痘にかかる ことがあります。水痘にかかった人が再感染すると、帯状疱疹になります。

f.百日咳

連続した激しい咳が特徴で、特に夜間がひどくなります。咳は、薬を飲んで治 療しても4週間ぐらい続きます。赤ちゃんが感染すると症状が激しく、時には無 呼吸発作をおこして入院が必要な場合もあります。これも、三種混合ワクチンで 予防することができるので、早めに受けるようにしましょう。

g.手足口病

夏場に流行する夏カゼの一種で、手足にできる小さな水疱と口の中にできる口 内炎が特徴です。口の中が痛がる時には、口あたりのよい食物や水分を十分に与 えて下さい。

h.突発性発疹症

乳児期の後半にかかる事が多く、38〜39℃の発熱が3日間ぐらい続き、解 熱後にほぼ全身に発疹がでます。多くの赤ちゃんがかかりますが、高い熱のわり に元気があり、合併症もほとんどありません。たまに、発熱した時に、熱性けい れんをおこす赤ちゃんがいます。

i.喘息性気管支炎

赤ちゃんの中に、かぜをひいた時などに、ゼーゼーやゼロゼロといった呼吸音 をだす子かいます。夜間に咳き込んで起きたり、呼吸が苦しそうなら、お医者さ んに診てもらうようにして下さい。喘息性気管支炎にアトピー性皮膚炎を合併し ている赤ちゃんもいて、原因の一つにアレルギー素因の関与が考えられています 。2才ぐらいになって、治っていくケースが多いですが、一部は気管支喘息に移 行していくと考えられています。

j.アトピー性皮膚炎

顔や首、四肢の関節面などにできる(全身に広がる場合もある)皮膚炎で、か ゆがります。離乳食を始める5〜6カ月頃に出てくる事が多く、卵や牛乳などの 食物のアレルギーが原因になっている事があります。皮膚の痒みが強かったり、 全身に広がってくるようなら、病院などでアレルギーの検査(IgE RAST法)を受 ける方がよいと思います。食物アレルギーが原因となっているアトピー性皮膚炎 の場合、ぬりぐすりの治療だけでは、なかなか思うように症状が改善しない場合 が多いと思われます。
食物アレルギーが関与しているアトピー性皮膚炎では、お医者さんの指導の基 に、一定期間、原因となっている食物抗原(卵、牛乳、大豆が3大アレルゲン) を除去することによって症状がかなり改善することがあります。治療の内容も多 岐にわたるため、よくお医者さんに相談して下さい。

k.気管支喘息
アレルギーの素因をもっている子に発病することが多く、アトピー性皮膚炎を 合併しているケースも少なくありません。2才以降に発病する事が多く、夜間や 朝方に、急にヒューヒュー(喘鳴)をともなった呼吸困難の発作を起こします。 春や秋の季節の変わり目に起こりやすく、検査をしてみると、ダニアレルギーが 原因となっているケースが一番多いです。従って、喘息発作の予防には、ダニ対 策が必要です。小児の気管支喘息は年齢とともに治っていく(アウトグロー)可 能性があり、慢性疾患として根気よく治療していく事が大切です。

l.川崎病
原因不明の病気ですが、5歳以下の乳幼児に多く見られ、1967年に川崎富 作博士が発見したので、この名前がついています。 この病気は、(1)高熱が 5日以上続く (2)体に発疹が広がる (3)目が赤くなる (4)口唇が赤 くなり舌にイチゴのようなブツブツができる (5)首のリンパ節が腫れる ( 6)手足が赤くなりパンパンに腫れる などの特徴的な症状で診断されます。  また、病気の最中に心臓の冠動脈という血管に炎症をおこし、動脈瘤をつくるこ とがあるので、定期的な心臓エコーなどの検査が必要です。 この病気と診断さ れた場合には、ガンマーグロブリン大量療法などの有効な治療法があり、入院加 療が必要になります。また、心臓の後遺症をチェックするために。退院後も定期 的な追跡が必要です。

小児の病気と看護にもどる