5.赤ちゃんの歯の健康

A)赤ちゃんの歯のはえ方

○6カ月頃 …下の前歯が2本はえてきます。
○10カ月頃 …上の前歯が2本はえてきます。
○1才頃 …上下4本ずつ前歯がはえてきます。
○1才4カ月頃…奥歯が上下左右1本ずつはえてきます。
○2才6カ月頃…さらに奥歯が上下左右1本ずつはえて乳歯がはえそろいます 。(全部 で20本です。)

*歯のはえ方には個人差があります。特に、1歳6カ月頃は個人差が大きいの で、他の子よりも多少遅くても心配ありません。ただし、1歳を過ぎても歯がは えてこない場合や、3歳を過ぎても20本はえそろわない場合には、歯医者さん に診てもらいましょう。

B)虫歯の原因

人の口の中には、色々な細菌がいます。虫歯菌もその内の一つです。この虫歯 菌は砂糖などの甘い物が大好きです。そして砂糖を原料にして、デキストランと いうネバネバした物質を作りだし、歯にくっつきます。(これを歯垢と言います )
ここでお母さんやお父さん、ちょっと自分の歯の裏側を爪でこすってみて下さ い。白いものが爪にくっついていませんか。それが歯垢です。歯垢の中にいる虫 歯菌は酸を出し、歯がこの酸の攻撃に耐えられなくなると穴があき、虫歯ができ るのです。

〇虫歯菌はお母さんの口からやってくる?

虫歯菌がどういう経路で口の中に入ってきたのかは、はっきりとはしていませ ん。ただし、虫歯菌テストを行うと、母親の持っている虫歯菌と、その子どもの 持っている虫歯菌がよく似ているという調査結果があります。やはり、一番身近 な存在であるお母さんから移る可能性が最も高いようです。したがって、離乳食 のかわりに、赤ちゃんに口移しでものを食べさせるのは、なるべくさけた方がよ いでしょう。

C)虫歯になりにくい食生活

〇授乳期

赤ちゃんが母乳を飲む様子を観察してみると、小さな口でおっぱいを含み一生 懸命吸っているのがわかります。それによって、赤ちゃんの顎がしっかりと鍛え られます。哺乳ビンでは、あまり強く吸わなくてもミルクが出ますから、顎を鍛 えるという面では問題があります。最近、歯並びが悪いために虫歯ができやすい 子が増えていますが、その大きな原因の一つとして、歯の大きさに比べて顎が小 さいことがあげられています。顎の発達にとっても、直接おっぱいを吸わせるこ とが大切なんです。もしも、おっぱいが足らなくてミルクをたす場合でも、ヌー クの乳首などある程度吸う力が必要なものを選んだ方がいいでしょう。。

〇離乳期

生後6カ月頃離乳を開始し、誕生日あたりで断乳するのがよいと言われていま す。かむ能力をしっかり獲得するためには、うまく離乳をすすめていくことが大 切です。
離乳食に関して虫歯予防にとって大事なことは、できるだけ味付けを薄味にす ることです。赤ちゃんの味覚は大人よりも薄味を好みます。この時期に濃いめの 味を覚えると、大きくなってから甘みの強いもの、つまり砂糖のたくさん入った 食物を好むようになるので注意しましょう。

D)歯みがき

〇授乳期

いきなり歯みがきをしようとして、赤ちゃんの口の中に歯ブラシをつっこんで も、いやがってうまくいきません。一般に、赤ちゃんの口の中の感覚はとても敏 感です。まず、この過敏さをやわらげることが先決です。そのためには、歯がは える前から、赤ちゃんの歯ぐきや唇を指でさわってやりましょう。指でさわられ ることによって、口の中にハブラシなどが入ってくるのを受け入れやすくなるで しょう。

〇離乳期

この時期になると、赤ちゃんは、手に触れるものは何でも口に入れようとしま す。これをうまく利用して歯ブラシを持たせてみましょう。遊び感覚で口の中に 入れたりします。これが、歯ブラシに慣れるのに役立ちます。(歯ブラシは先の 丸いものの方が安心です。)また、前歯がはえてきたら、寝る前に水でぬらした ガーゼや脱脂綿で歯をふいて汚れを取ってあげましょう。

〇1歳頃から

1才頃になれば、夕食後か寝る前に歯みがきをしてあげましょう。この時期は 、まだ奥歯がはえそろっていません。また、実際に虫歯ができるのは上の前歯が ほとんどなので、上の前歯を中心に歯みがきをしてあげましょう。また、食事の 後には、遊び感覚で歯ブラシを持たせてあげましょう。これは、歯みがきの習慣 をつけるためなので、みがけていなくてもかまいません。赤ちゃんは歯ブラシを かんだりしてすぐ痛めてしまうので、お母さんの仕上げ用の歯ブラシと赤ちゃん に持たせる歯ブラシとは使い分けた方が経済的です
お母さんが使う歯ブラシは、上の前歯2本分ぐらいの小さめで腰のあるものを 選んで下さい。歯みがきをしてあげる時には、お母さんがあぐらをかき、膝の上 に子どもの頭をのせてみがきましょう。みがく時には、虫歯のできやすい歯と歯 ぐきの境目に毛先をしっかり当てて横に軽く振動させるようにみがきましょう。

E)虫歯になった時には?

まず、虫歯になった原因を考えてみましょう。おやつの与え方や歯みがきの仕 方など、気のついた点があれば改善しましょう。それでも、虫歯がひどくなるよ うなら、歯医者さんに診てもらいましょう。
虫歯の治療は、年齢や虫歯の程度によって治療方法が異なります。一般には、 子どもが自分にとって歯の治療が必要であると理解できるのは3歳を過ぎてから です。したがって、3歳未満の場合には、削ったりつめたりといった治療を上手 に受けるのが難しいので、痛みがあるなどの緊急の場合以外は、虫歯の部分に進 行を止める薬を塗りながら様子をみます。3歳を過ぎれば、少しずつ器具や機械 に慣れさせながら治療をしていきます。治療が終了しても、新たに虫歯ができな いように食生活や歯みがきに注意しましょう。また、定期的な歯科検診を受ける ようにするのもいいでしょう。

(歯科医からのアドバイス)

Q:乳歯の虫歯は治さなくてもよいですか?

A:乳歯の下の顎の骨の中には、すでに永久歯があって、出番を待っています 。乳歯が虫歯になり、ひどくなると乳歯の根から永久歯へと虫歯菌が感染してい きます。そうなると、弱い変色した永久歯がはえてくることになります。また、 虫歯で歯に穴があくと、育ちざかりの時期にしっかりものをかむことができなく なります。さらに、穴のあいた隙間に隣の歯が寄ってきて、歯並びが悪くなるこ とがあります。したがって、乳歯でも虫歯を見つけたら早めに歯科で治療を受け ましょう。

Q:歯みがきをいやがって口をあけてくれません。どうしたらいいでしょう?

A:歯みがきをいやがる理由として、@口の中をさわられるのに慣れていない 、A歯みがきがとても痛い、B歯みがきをする時の雰囲気がいやなどが考えられ ます。

@については、授乳期から指で口の中をさわって過敏さをとってやる、Aにつ いては、痛くない歯みがきをすることです。そのためには、口の中をよく見て、 歯ぐきに歯ブラシを当てないことが大切です。Bについては、お話をしたり歌を 歌ったりして、楽しい雰囲気で歯みがきをするように心がけましょう。赤ちゃん のご機嫌が悪い時には短時間で済ませてあげましょう。

Q:歯みがきはいつするのがいいでしょうか?

A:食後や寝る前がいいでしょう。1日1回だけする場合は、寝る前がいいで しょう。口の中は、起きている間はいつも唾液が出ていますが、寝ると唾液が出 にくくなり、口の中が汚れやすくなります。このため、寝る前にみがくのが最も 効果的です。

Q:歯みがきはいつ交換時ですか?

A:歯ブラシは毛先や毛の角の部分をよく使います。したがって、毛先がはみ 出してくると汚れをとる能力は半減します。裏から見て、毛がはみ出して見える ようなら交換時でする。

Q:歯みがき剤は使った方がいいでしょうか?

A:小さいうちは、特に使う必要はありません。また、うがいができない時期 に使うと歯みがき剤を飲み込んでしまい良くありません。

Q:虫歯を早く発見するにはどうしたらいいですか?

A:歯みがきをする時に子どもの歯をよく見るようにしましょう。歯と歯ぐき の境目や歯と歯の間が白っぽく見えてきたら虫歯になりかけです。さらに進行す ると黒くなり、穴があいてきます。

Q:虫歯の治療をする時、麻酔をするんですか?麻酔は安全でしょうか?

A:麻酔をするかしないかは虫歯の程度によります。浅くて削っても痛くない 場合には麻酔はしません。逆に深くて削ると痛い場合には麻酔をします。また、 深くても歯の神経が死んでいる場合には、痛みはありませんから麻酔はしません 。

麻酔の安全性については、特別な場合を除いて問題ありません。特別な場合と は、麻酔薬に対してアレルギーがある場合などです。しかし、麻酔薬に対してア レルギーがある人の割合は非常に低く、飲み薬に対するアレルギーの割合と比べ るとずっと低率です。

Q:指しゃぶりで歯が前へ出てきている様なのですが、だいじょうぶでしょう か?
A:乳児期には、ほとんどの赤ちゃんが指しゃぶりをします。1歳を過ぎて手 が上手に使えるようになると自然と指しゃぶりも減ってきます。したがって、3 歳ぐらいまでは特に気にしなくてもいいでしょう。3歳頃までに指しゃぶりをし なくなれば、歯が前へ出ているようでも自然にもとにもどります。

Q:歯ぐきに白くて丸い歯のようなものがありますが、だいじょうぶでしょう か。

A:上皮真珠と呼ばれるもので、自然になくなりますので心配ありません。

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