1)家庭での看護(こんな時どうする?)
a.熱がある時
- 37℃代の熱は、赤ちゃんが健康な時にもでることがあるので、赤ちゃんが元
気なら心配ありません。38℃以上の熱がでた場合には、かぜなどの病気が考え
られますが、機嫌がよくて、食欲もあって、顔色もよければ、まず心配ありませ
ん。
- 一般的には、38.5℃以上の熱がある時には、赤ちゃんがぐずりやすいので
、解熱剤(座薬)を使って熱を下げてやる方がいいですが、ケースバイケースで
よいと思います。(解熱剤は、3才までの乳幼児には座薬の方が使いやすいと思
います。いざという時のために、座薬を冷蔵庫に常備しておきましょう。)
- 急に発熱した時には、安静にして、水分を十分与えてあげましょう。赤ちゃん
が元気で、顔色もよければ、すぐに病院へ走る必要はありません。翌日には、熱
が一時的に下がっていても、かかりつけのお医者さんの診察を受けるようにしま
しょう。
b.泣きやまない時
- いわゆる夜泣きやかん虫の事があります。そんな場合は、赤ちゃんをだっこし
て、散歩でもすれば泣きやむことが多いです。激しく泣いて泣きやまない時は、
原因として腹痛(便秘や腸重積)や耳の痛み(中耳炎)などがありますから、早
めに、お医者さんの診察を受けるようにしましょう。便秘のために腹痛をおこし
ている時には、家庭で浣腸をしてうんこを出してやると、腹痛がピタッと止まっ
て機嫌がよくなるでしょう。
c.ひきつけた時
- 赤ちゃんのひきつけ(けいれん)には、熱性けいれんと泣き入りひきつけがあ
ります。その他に、無熱性けいれんの場合には、てんかんという病気の事もあり
ます。
〇泣き入りひきつけ
- 泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)の場合は、激しく泣きすぎて一次的に息を
止めてしまい、ひどい場合には、ひきつけを起こします。ほっておいても、自然
にもどりますが、起こしたら早めにほっぺたを叩いたりして、息をさせてやると
、ひきつけまでいかずに止まります。だいたい4〜5才になれば自然に治まりま
す。しかし、頻繁に起こしたり、ひきつけの程度がひどい場合には、お医者さん
に相談しましょう。
〇熱性けいれん
- 熱性けいれんは、生まれつきの素因があります。熱性けいれんは、熱が急に上
がってくる時に起こります。初めて起こした時には、大変不安になりますが、あ
わてずに様子を見ていると、だいたい5〜10分以内で自然におさまります。舌
を咬んだりする事はほとんどないので、口の中に箸やスプーンなどを入れる必要
はありません。ひきつけている時に一番注意しなければいけない事は、食物や吐
いた物による気道閉塞(窒息)です。吐きそうな時には、顔を横に向けて誤嚥(
気道閉塞)を予防して下さい。けいれんが10〜20分以上続いて止まりそうに
ない時や、短いけいれんが何度も繰り返す時には、すぐにお医者さんに診てもら
うようにして下さい。
〇てんかん
- 熱がない時にひきつけた時は、てんかんなどの病気が考えられます。処置の仕
方は熱性けいれんの場合と同じです。早めに、お医者さん(小児科医)の診察を
受けて下さい。けいれんの原因を調べるために、脳波検査やCTスキャン、MR
Iなどの精査が必要です。てんかんと診断された場合には、一定期間、抗けいれ
ん剤の服用が必要となるので、お医者さんの指示に従って、きっちりと服用する
ようにしましょう。小児のてんかんは、適切な治療を行えば80〜85%治すこ
とができます。
d.下痢をした時
- 食事療法が大切です。下痢ぎみの赤ちゃんには、消化のよい物を与えましょう
。油を使った料理や牛乳、冷たい物は避けましょう。赤ちゃんの場合は、母乳や
ミルクを普通に与えて下さい。赤ちゃんは脱水症を起こしやすいので、母乳やミ
ルクやお茶などの水分を十分に与えるようにして下さい。下痢がひどい時には、
お医者さんに診てもらい、止痢剤(下痢どめ)を飲ませてあげましょう。赤ちゃ
んは、感冒性消化不良症といってかぜに伴って下痢をすることが一番多いです。
e.便秘の時
- 母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの場合、1日に数回のうんこをする赤ちゃ
んもいれば、3日に1回程度の赤ちゃんもいます。2〜3日に1回のうんこでも
食欲があり機嫌もよければ、それが赤ちゃんのうんこのペースなんてす。しかし
、赤ちゃんがうんこをきばってもなかなか出ない時や、4〜5日以上うんこが出
ていない時には便秘が考えられます。赤ちゃんの便秘は、赤ちゃんの体質も関係
していますが、水分や野菜類の摂取が少なかったり、運動不足(うつぶせや赤ち
ゃん体操)などが原因となって起こってくることが多いようです。便秘になった
時には、果汁(柑橘類など)や麦芽糖(マルツエキス)などを与えてみたり、こ
より浣腸を試してみるのもいいでしょう。
〇こより浣腸
- 綿棒にベビーオイルをつけて、5mmぐらい肛門の中に入れたり出したりして
刺激してみましょう。こより浣腸で効果がない場合には、市販のいちぢく浣腸を
してもいいですが、毎回、浣腸しないとうんこが出ない時には、お医者さんに相
談して下さい。
f.吐く時
- 赤ちゃんは、おっぱいを飲んだ後に、よく吐くことがあります。個人差があり
ますが、授乳の時に、いっしょに空気を飲み込んでしまうので、吐きやすい赤ち
ゃんは、授乳後げっぷを十分させてあげましょう。赤ちゃんによって、よく吐く
子がいますが、体重が順調に増えていれば心配ありません。よく吐いて体重が増
えない場合は、お医者さんの診察を受けるようにして下さい。
- 赤ちゃんが、かぜをひいて、吐いたり下痢をしたりする(感冒性消化不良症)
場合には、脱水症を起こさないように水分の補給が大切です。母乳やミルク、お
茶などを少量ずつ与えるようにして下さい。激しく何度も吐いて水分もとれない
時には、感冒性消化不良症(冬場に流行する小児仮性コレラ)や腸重積などの病
気の疑いがあり、早めにお医者さんに診てもらって治療を受けるようにして下さ
い。
g.鼻がつまって苦しがる時
- 赤ちゃんが鼻がつまっていると、飲む時に泣いたり、熟睡できずにぐずります
。直接、お母さんが口で吸い出してやるか、鼻用の吸引器(育児用品)を使う方
法もあります。赤ちゃんが、鼻づまりが続き夜間ぐずる時には、かぜが原因の場
合があるので、お医者さんに診てもらうようにしましょう。夜間の鼻づまりには
、市販のぬるかぜぐすりが案外有効な事があります。
h.しゃっくりがよくでる
- これは、心配いりません。少し長く続くようなら、おっぱいやミルクを飲ませ
ると止まる事が多いです。特別な治療の必要はありません。
i.けがややけどをした時
- けがの時は、水できれいに汚れを落とし、イソジンなどの消毒液で消毒して下
さい。やけどの時は、まず十分(30分程度)に患部を冷やす事が大切です。そ
の後に消毒して下さい。傷口の大きいけがや血が止まりにくいけがの場合、また
、程度がひどいやけどや、範囲が広いやけどの場合には、すぐにお医者さんの治
療を受けるようにして下さい。
j.頭を打った時
- 赤ちゃんは、よくベッドから落ちたりして、頭を打ちます。頭を打った後、し
ばらくして泣きやんで、機嫌がよくなれば、まず心配はありません。打撲後、意
識が無くなったり、何度も吐くような場合は、すぐにお医者さんに診てもらい、
必要に応じて、頭のレントゲン検査やCTスキャンなどの精査を受けるようにし
て下さい。
k.タバコ(異物)を食べた時
- 赤ちゃんは、何でも口に入れてしまうので、赤ちゃんの手の届く所には、危険
な物は置かないように注意しましょう。中でも、一番多いと思われる事故がタバ
コの誤飲です。赤ちゃんがタバコを食べた時には、すぐにミルクなどを飲ませて
から、指を入れて吐かせて下さい。うまく吐かせる事ができない場合は、すぐに
お医者さんに診てもらって下さい。必要に応じて、胃の中のタバコを出すために
、胃洗浄という処置を行います。
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