- NO WAR! 世界の強者(ブッシュ)と独裁者(フセイン)のプライドを賭けた愚かで無益な戦争が、
米軍の圧倒的な軍事力によるフセイン政権の崩壊という形で終わりました。
アメリカ軍の誤爆によって、多くの罪もない民間人の犠牲者がでました。イラクの無邪気な子どもたちが殺されたり、
重い障害をもった子や家族を失った子など計り知れない犠牲者が生まれました。
また、10年以上前に起きた湾岸戦争で使用された「劣化ウラン弾」のために被爆した子どもたちの中に、
白血病が多発しているという戦争の被害が続くなかで、この戦争でも、
「劣化ウラン弾」を使用した戦争(人殺し)の非情さを思い知らされました。
NO WAR! 強者が行う戦争によって、いつも弱者が犠牲になり、無邪気な子供らの笑顔が消えていくのです。
「報復は報復を生み、報復の連鎖は永遠に続くでしょう」「戦争を企てる指導者は正しい戦争と言いますが、
この世の中に正しい戦争なんかありません」と瀬戸内寂聴さんは、アメリカがイラク戦争を始める前から言われていました。
そして、アメリカが圧倒的な軍事力で勝利(?)宣言をした後1年が経過しましたが、イラクでは自爆テロや戦闘が各地で起こり、
多くの米兵(600人以上)とイラク人(米兵以上)の死者が出ています。
日本政府が、アメリカのイラク戦争を支持し、イラクの「非戦闘地域」に「人道復興支援」の名の下に自衛隊を派遣しましたが、今や、イラク全土が戦闘地域となりました。
そして、アメリカの同盟国として日本もテロの標的と名指しされました。
イラクでNGOなどの活動をしていた民間人3人が拉致され、自衛隊の撤退を解放の条件として出されましたが、首相は自衛隊は撤退しないと明言しました。しかし、人質3人の安否が心配され、色々な情報が錯綜する中で、
4月15日になって、やっと解放されました。しかし、人質家族がマスコミの取材の中で、言いたいことも言えない状況について、外国のマスコミも奇異に感じたと報道しました。
今後、イラクでNGO活動している民間人が、各地で起きている戦闘やテロに巻き込まれる危険がますます増大しています。イラクに派遣された自衛隊も、いつ、戦闘に巻き込まれるかもわかりません。
かつてのベトナムのように、泥沼化しつつあるイラク情勢は、強引なアメリカの軍事力では解決できない状況になっています。
そのような世界情勢の中で、アメリカ従属ではない、日本国の自立と世界平和への貢献が、世界に誇れる平和憲法をもつ日本の使命ではないでしょうか。
世界に誇れる「平和憲法」によって、50年以上、日本は、戦争で人を殺したり殺されたりしていないのです。
21世紀に生きる子どもたちを戦争の犠牲者にしないように、を守り抜きましょう。
「九条の会」アピール
日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。
ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、5千万人を超える人命を奪った第二次世界大戦。
この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきでないという教訓を導きだしました。
しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、9条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。
その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、
憲法上の拘束を実際上破ってきています。また、非核三原則と武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。そして、
子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするために、教育基本法を変えようとしています。これは、日本国憲法を実現しようとしてきた
、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。私たちは、この転換を許す
ことはできません。
アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々明らかにしています。なにより
武力行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。1990年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、
紛争の有効な解決につながりませんでした。だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって解決するための
、地域的枠組みを作る努力を強められています。
20世紀の教訓をふまえ、21世紀の進路が問われているいま、あらためて憲法9条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。
相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を「国際貢献」などと言うのは、思い上がりでしかありません。
憲法9条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との有効と協力関係を発展させ、アメリカとの軍事同盟だけを優先する外交を転換し、
世界の歴史の流れに、自主性を発揮して現実的にかかわっていくことが求められています。憲法9条をもつこの国だからこそ、
相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面から協力ができるのです。
私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法9条を激動する世界に輝かせたいと考えています。そのためには、
この国の主権者である国民一人ひとりが、9条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。
それは、国の未来のあり方に対する、主権者の責任です。日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、
「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。
2004年6月10日
井上ひさし 梅原猛 大江健三郎 奥平康弘 小田実 加藤周一 澤地久枝 鶴見俊輔 三木睦子
郵政プロパガンダ(風まかせ赤マント 椎名誠 週間文春9月29日号より引用)
(前略)…… かつて戦争に直結した大政翼賛会的な方向がしだいにあからさまになっていて、これからの情勢が不穏だ。今度の選挙の争点になった郵政民営化の構図がナチスの指導者原理(衆議はつくすが最終決定は総裁がくだす)
に似てきているのがどうも気になる。この気運のまま憲法九条方向にじわじわ進もうとしているのだったらたまらない。今度の選挙は為政者に対して当面何をしてもいいですよ、
と国民総意で許諾してしまったというイメージが強いからこれがどうも怖い。刺客とか報復とかゲテモノみたいなタレント候補などの劇画チックな話題にうまい具合にのせられて投票率は高くなったけれど、
ここに投票されたムードとしての一票が、確実にこの国を巻き込んでいく「戦争」への許諾の一票になってしまっているのでなければいいのだが……。(中略)ナチス、ヒトラーはプロパガンダの名手としても有名だった。(引用終わり)
小泉首相は、昨年、自民党が大勝した総選挙では、堀江貴文容疑者を「時代の変革を痛感した。エールを送りたい」と絶賛しました。そして、竹中平蔵郵政民営化担当相(当時)やイエスマンこと、武部勤幹事長も応援に駆けつけ、安部晋三幹事長代理(当時)は「構造改革をすすめなければ堀江氏は出てこれなかった」ともちあげました。「時代の寵児、改革の旗手」と小泉首相がもちあげた堀江貴文(元)ライブドア社長が証券取引法違反事件の容疑者として逮捕されました。小泉首相の「構造改革」の金メッキが剥がれてきた「ライブドア・ショック」でした。
ライブドア・ショックやヒューザーの耐震偽装問題で「自民党・小泉ムード」は冷めるのではと思いますが、「郵政」翼賛会という小泉ムード(?)で平和憲法を改悪させてはならないと改めて思いました。小泉首相が「カリスマ性」「プロパガンダの名手」という面でヒトラーと似ているように思うのは私だけではないでしょう。
憲法九条は世界に誇れる日本の宝。2006年が平和な年になりますように!
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