蛸長 |
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| 京都の南座のそばにある「蛸長」のおでんは旨い,ということを池波が書いていたので,京都修習中に一度だけ行ったことがある。 正直,若い時分は,おでんなど,あまり腹の足しになるわけでもなく,酒のつまみとしても,ご飯のおかずとしても中途半端で,さほど興味があるわけではなかった。しかし,ここの「蛸」の柔らかさとうまさにはびっくりした記憶がある。 その後,再訪しようと思いつつ,なかなかお店が開いているときに行く機会がないまま10年が過ぎたが,2010年9月11日,ついに再訪することができた。 京都の9月といえば,まだまだ夏真っ盛りだが,この年は盛岡も暑く,むしろこの日の京都の方が涼しいくらいだった。 会議が終わって,ぶらぶらと錦市場を食べ歩きしている内に,「そうだ,蛸長に行こう。暑い盛りのおでんもいいものだぞ。」などと考え,鴨川の床には目もくれず,一路川端通りの蛸長を目指す。 のれんをくぐり,戸を引くと,夏の盛りだというのに,ほぼ満席。運良く1席だけ空いていたので,そこに座って,まずは酒を冷やでもらう。名物の蛸はしばらくかかると言うことなので,とりあえず2本頼んでおいて,まずは薩摩揚げ,と思ったら,今日はオランダ揚げしかないとのこと。食べたことがないので,これを頼んでみると,真四角な豆腐みたいな形状で,はんぺんを少し堅くしたようなもの,といった感じか。 次は王道の大根と,旬の子持ち鮎の昆布巻き。大根はあくまで柔らかく,鮎もほろほろと舌で溶ける感じ。 そして,いよいよ蛸2本。一口かんでみると,相変わらずの柔らかさで,感動が復活。ゆっくり味わおうと思うのだが,かみ切れてしまうと,日頃鍛えた咀嚼の早さで,次々と胃の中に収まってしまう。まさに至福の時。 もっとお代わりしようかなと思ったのだが,次々と客が来て,列んでいるようなので,このあたりでおしまいとした。 10年前に来たときと比べると,味が薄いように思えたが,これは,私の舌が東北ナイズされてしまっているからでしょう。それとも,加齢により,味覚が衰えてきたのかな。(そういえば,最近,辛いものを好んで食べるようになってきた。気をつけなければ。) 店を出て,鴨川を渡る風が,心持ち涼しい感じがして気持ちがいい。この後は,池波先生の足跡を偲んで,サンボアに向かうのであった。 (10/12/04) |
![]() お店の外観 ![]() 大根と子持ち鮎 ![]() 蛸 |
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