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なぜあなたは じっこくおさむになり なぜ彼は 酒鬼薔薇聖斗になったのでしょう 昔 戦争は あなたを強い詩人にしました 平和な時代 神戸で小さな詩人が 血の色のペンを取りました 彼を詩人と呼んではいけませんか? 思春期の心は カラのないサナギのようで 覚えていますか そのあやうさが 最初の詩のモチーフでした ただ 彼は昇華のしかたを知らなかったのです 透明なボクは 本当はサナギのカラの役目をするはずでした 戦争を憎みながらも あなたはビルマをなつかしんでいましたね たとえば 蚊を殺して貧しい少年にしかられた話 マラリアにふるえる少年にしかられたと そっと吹いて 追い払わなければならないと 二回聞きましたよ この話 あなたは泥沼の上に咲く ハスの花を見たのですね その少年の中の透明なボクは なんと優しく機能していたのでしょう 遠い空から見えますか 今 たくさんの詩人の中の透明なボクタチが 不安な気持ちでいるのを 「しけんきゅう」130号 (じっこくおさむ追悼特集・1998年4月1日発行)より |