組織力をもつ団体が数多く参加する共闘組織を

〜ストップ・リニア運動への提言〜


中山敏則






 「リニア新幹線を考える登山者の会」は「リニアで南アルプスを壊さないで」という名の登山者アピール署名をよびかけています。2016年7月からはじめ、同年11月11日時点で1937人分が集まったそうです。

 正直いって、これには驚きました。少なすぎるからです。たとえば千葉県が南九十九里浜(一宮海岸)で進めてきたコンクリート製人工岬「ヘッドランド」です。その一時中止と見直しを求める署名は、わずか2カ月で4万4000人分を集めました。この署名は若いサーファーたちが中心になってとりくみました。署名の半分以上は全国のサーファーたちが集めてくれたそうです。日本のサーフィン人口は約25万人とされています。

 一方、日本の登山人口は860万人といわれています。それなのに4カ月で集まった署名が約2000というのはどういうことでしょうか。登山者アピール署名の呼びかけ人には山岳団体の代表も名を連ねています。
 山岳団体の会員数は、たとえば日本山岳会が5000人余、日本勤労者山岳連盟(労山)は2万5000人です。ところがある登山サークルのメンバーに署名を依頼したとき、その人たちは登山者アピール署名を知りませんでした。

 署名を何万、何十万と集めるさいは、それを推進する体制をつくることが必要です。
 たとえば鎌倉広町の森(緑地)を守る運動では、数多くの市民団体や労働組合などで構成する「『鎌倉市緑地保全条例』の制定を求める市民の会」が中心となり、鎌倉市の人口(17万人)を大幅に超える22万の署名を集めました。自治会・町内会も重要な役割をはたしました。その結果、鎌倉市、神奈川県、国が計113億円を支出し、開発業者から緑地を買いとりました。

 東京湾三番瀬の埋め立てを中止させた運動では、市民団体、自治会、労働組合、生活協同組合、レジャー団体など、組織力の強い70団体で構成する共闘組織「三番瀬を守る署名ネットワーク」を結成しました。そして、対策会議や署名推進会議をひんぱんにひらきました。そうやって30万の署名を集めました。

 鎌倉広町緑地も三番瀬も、署名運動や街頭宣伝などを旺盛にくりひろげて世論を味方につけ、保存を実現しました。

 リニア中央新幹線を中止させる運動も、組織力をもつ既存の市民団体や労働組合、山岳団体などが数多く結集する共闘組織をつくるべきです。それなしに裁判一本槍でリニアを止めるのは無理です。
(2017年1月)





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