■本の紹介


富山洋子著

『子どもたちにつなぐ みんなの食べ方じてん』


ジャパンマシニスト社/2012年8月刊/1800円








 同書は“食べ方の指南書”というべきものである。著者の富山洋子さんは日本消費者連盟の元代表運営委員で、全国自然保護連合事務局を務めている。

 食をめぐる状況はたいへん悪化している。輸入されたものはもとより、農薬や食品添加物にまみれた食品が増えている。遺伝子組み換え食品も表示のないまま食卓に上っている。3・11以降は放射能汚染も深刻だ。
 富山さんはこう記している。
    《私はこのような食と水の状況を変えていくためにも、風土に根ざした本来の「食べ方」をとりもどすことの大切さを痛感しています。80年を生き、いのちのすみずみから醸(かも)し出された私なりの記憶をもとにみなさまに贈る、これは「いのちを育む食べ方」の本。放射能汚染という苛酷な現実に生きるいまだからこそ、みなさま方とともにもう一度、「食」の原点を見直したいと切に希っております。》

 第1章は「日々の食材選びはこのように」である。日々欠かせない食材を16に分けて、選び方と扱い方の基本をまとめている。第2章は「伝えておきたい食べものの危険性」。食品添加物を筆頭に、遺伝子組み換え作物・食品、放射能汚染など、食の安全面において知っておくべきことをやさしく解説している。

 富山さんは、本に書いてあることを日々実践している。どんなに忙しいときでも弁当をつくる。外食はしない。自宅には冷蔵庫以外の電化製品はないという。電化製品から発生する電磁波をできるだけ避けるためである。節電にもつとめていて、電気の契約アンペアはずっと前から15Aである。
 また、十数年もの間、経産省と東京電力に向けて月例デモをつづけている。「そのような地道な運動があったからこそ、何万人、何十万人が参加するという今日の脱原発集会やデモが可能になった」。これは、多くの方の一致した見方である。

 同書は、予防原則に沿った食べ方を教えてくれている。食の安全は運動しなければ守れないとし、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対や脱原発の重要性も指摘している。タイムリーな出版といえるだろう。












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