01/8/8 No.432
『8月6日』
久しぶり!元気だった?4日もあけてしまった、この4日間パソコンも触らなかったよ。
メールもたまってた。いそいで返事書かなきゃね。
恥ずかしい話していいかい?この歳にしていまだに怖いものがあるんだ。
ただのマンガなんだけど、タイトル聞くだけで怖い。
古本屋で背表紙を見るだけでも怖くてその場を立ち去ってしまう。情けないくらいに怖い。
小学校5年の時に親父が「はだしのゲン」というマンガを買ってきた。それも4巻まとめて。
子供の頃の俺は夢中になって読んだ、というより先が知りたくて知りたくてたまらなくなって読まざるをえないって感じだった。
広島の原爆の話しで原爆投下からその後のことを書いてある。
原爆によって見慣れた街が一瞬のうちに壊され、家に押しつぶされてお父さんとお姉さんと弟が目の前で焼け死んでいく。
ちなみに弟の名前はシンジだった。これも怖さの一つの原因だったかもね。
一瞬にして姿形がなくなって死んでいく者、皮膚が熱でただれて死んでいく者、熱さで喉が乾いて水を求めて溺れて死んでいくもの、
薬がなくて皮膚にウジ虫がわいたり、放射能で髪がぬけて、血液の病気になってしまう者。
残酷過ぎる現状がそのマンガにはつつみ隠さず書いてあった。
どれも子供の俺にとっては衝撃的でしばらく頭からはなれなくなってしまった。
当時その話を小学校の担任の先生に話したら、先生も読みたいというので先生に貸した。
モノスゴクホッとしたことを覚えている。家の本棚にあのマンガがなくなるんだーという安堵感。
だけど学期末大掃除のとき忘れていたそのマンガを急に返してもらってしまった。
俺はびっくりしてそのまま学校の焼却炉に捨ててしまった。あれが家に戻ってきたら恐さがまた毎日続きそうな気がしたからね。
親が「先生かえしてくれなかったわねぇ」と先生の信用がなくなりそうだったので、もう時効と思い中学2年の時に「実は僕が捨てちゃったんだ」っていったら烈火のごとく怒られたなぁ。
高校の時修学旅行で長崎の原爆資料館に行った。
アメリカが撮った焼け野原のカラー写真を見たとき背筋が寒くなったのを覚えている。
だって今の空と変わりないんだもの。資料館にはいってくる前の空の色と同じだった。
昔の風景はセピア色の白黒写真でしか見たことない。白黒写真しかないと思ってた俺にとってそのことがメチャクチャショックだった。
8/6は原爆記念日だ。この日は毎年いろんな人が広島にあつまって黙祷を捧げる。
テレビやラジオでも原爆の事を特集する。今年もやってた。俺も1年に一回思い出したくないあのストーリーが嫌でも頭に浮かんできてしまう。
これを書いてる今でも鮮明に浮かんでくる。マンガでこんなに怖いんだから、実際はどんなに恐ろしいものなのか?
俺の弱虫の頭では到底想像てきない。
戦争を知ってる者と知らない者では心のありかたが全然ちがうんだろうな。
よく戦争ものの映画をカッコイイっていう人がいるけど、そんなことこれっぽっちも思ったことない。
俺にとって戦争とは正義でもなく、ロマンでもない。
BOB DYLANの歌に「戦争の親玉」っていう曲があるが、結局抵抗できない弱い人達が一番痛い思いをする。
恥ずかしい話、まだあのマンガが怖い。いまでも表紙をみたらそっと逃げ出すだろう、35歳だぜ俺(笑)。
どんなことがあっても戦争だけは避けなくちゃね、心の底から思うよ。