2003 12/7  

雨は上がっていた。
昨日まで降り続けていた雨粒がカバーに残っている。
現れたホワイトレッドのツートンのボディを起こしキーを差し込む。
コックをプリにしてチョークを引きアクセルを3回ゆっくり煽る。
キックを一気に蹴り上げると不機嫌そうに紫煙を吹きながらこいつは目覚める。
煙草に火をつけると深くまで吸ってみた。

二年前の冬、イタリアのスクーター乗りの中で鉄馬の話がでた。
自分の中で封印しかけていたものを解き放ち、また乗り始めた。
同じ銘柄の鉄馬に乗る仲間ができた。お互いに誇りを持ち、楽しんだ。
更に仲間が増えた。そして今日はじめて皆で走る。

暖気が終わった。「今日も頼むよ」と一言相棒に言った。
時代遅れの相棒はゆっくり朝日に向かって走り出した。


ベスパブランチの時の集合場所に約束の8時ジャストに着く。
待ち合わせ場所には真才氏のZRX,湯澤氏のSRX,そしてルマンでは来れなかった
BMWのKSKいた。その影にはスプリンガーと低く構えたクリップオンのGuzziが見えた。
赤岩氏とと鳴海氏だ。先日お会いしたときに両名には今日のランに誘っていたのだ。
でも正直来てくれるとは思ってなかったので嬉しく思った。



もともと今回のランはベスパがブランチで壊れて直すのに工具をKSKに借りに行った時に
寒空の下で何時間もトークしていた時に茂木に行こうかという話になり無理くりカワサキのイベント
に仕立て上げたのが発端で寒中なので参加は厳しいと思っていた。
しかし良い防寒具を着込んで冬に走るのもバイク乗りの醍醐味で集合場所ではその話題で
盛りあがっていた。


そして出発・・・・・


まずはタンクに腹いっぱいガスを詰めよう。



茂木までの道のりは東北道の岩槻インターに向かうとこから始まる。
日曜の朝とはいえ車も多く走っている。

ベスパ乗りの単車乗り。さすがにチョイスするバイクも傍から見たらかなりマニアック。

髭の旦那の唯一4発ヨシムラサウンドのグースカラーのZRX、
すでに10年以上乗っているというのに新車よりビカビカな赤りんさんのハーレー、
これまたビカビカのナルミくんじゃないと維持も管理もナルミくんじゃないと似合わないグッチ
ルマンが壊れて代車で250万以上するBMWできたKSK
去年までロクスッポベスパにも乗れなかったくせに血迷って単車乗りになった
和製イタリアン「ナポリタン」みたいなイタリアンカラーのあかりのSRX
そして絶滅種ツーサイクルクオーター、ビモーターカラーの私のKR

最大シェアのホンダのツインリンク茂木に行こうというのに
ホンダ乗りは一人もいない。本当はPTA氏も来たがっていたのだけど
仕事の関係で断念。彼が来ればホンダが一人となったのだけど
でも果たしてあの例の単車をホンダと認知するのであろうか??



岩槻から高速に乗る。一応、良識ある範囲でのスピードで瞬間的にスピード
出しても後で待っている事と第一休憩ポイントは佐野SAだよと周知事項として話した。

インターを入るまでは私が先頭を走り、その後はあかりのお守・・・・・
高速の合流を入ると後ろからマサイさんの集合管の甲高い音が飛んできた。
続いて赤リンさんの「ドドドドドドドド」と地面を蹴り上げる音が。
KSKのは無音。サイレント。ナルミ君のはデロルトの吸気音と滑るような加速。
皆飛ぶように走り去っていく。

私はパワーバンド以下でお守走行。
後ろを走るあかりは、けなげについてくる。

途中、加須あたりでたてつづけに何台もの真紅のフェラーリに抜かれる。
12気筒サウンドはエクサイティングだ。
羽生PAの横を80くらいで過ぎ去るときにどこかの国の国家予算
より多いんじゃないかと思うくらいの100台以上のフェラーリ軍団と遭遇。

羽生を過ぎると強風で煽られる。去年までベスパに乗れなかった人は
みるみるうちにペースダウン・・・・・おそらく「死ぬー」とヘルメットの中で
騒いでいるに違いない。


佐野SAに着く。


当然この今日の為に皮のライダースジャケットを買って挑んだ御方は疲労困憊です。


さすがはカワサキ軍団!軍団及び埼玉県人会(植民地北町、板橋町含む)指定のAraiヘルメット(SZ)が並ぶ。


煙草と缶コーヒー・・・・・かじかんだ手を温めながらゴクリと飲む。至福のときでもある。
ハイスピードランを楽しんだ先頭隊の話、フェラーリの話、ヘロヘロになった御方の話、
代車のBMが実はランディマモラときいて目が輝く城西連合。


佐野を出たら次は上三川まで・・・・お守をマサイさんが引きうけていただいたので先頭で出発。
このKRを手に入れてからもうすぐ1年。

1978、1979年の世界GP350ccクラス250ccクラスのチャンピオンマシンの血統を受け継ぐ
KR250。アルミダブルクレドールフレームに世界で唯一、同列2サイクル2気筒、リッターあたり180psの
スペックを誇り。フロント16リヤ18のホイールにアンチダイブ機能、ユニトラックサス、車重133kg
の今はもう100台あればいいかという絶滅寸前のレーサーレプリカ。
あえて2stをこよなく愛する私は未だに高速で全開はいまだに出したことはなかった。

ハイスピードで走り続けるリッタークラスにどれだけ肉薄するか試したくなった。
それまでパワーバンド7000回転以下で走っていた私はチェンジペダルを3個落とし。
一気にパワーバンドに乗せた。アフターバナーのように白煙を吹き上げ狂ったように加速する
KRはみるみるうちにスピードメーターが跳ねあがる。目線をメーターに落とすとメーターは16.0kmより
少し上。20年選手のスプリンターなのでもう死と隣り合わせのゾーンには入っている。
不安に打ち勝ち更にアクセルを開けた。ハーレーとBMを後ろに消し去る。
たかが250cc・・・・・200kmオーバーを軽く出せるバイクはいくらでもある。
しかし私は200kmまでのドラマはこいつのほうが楽しい。絶滅が近い現在。こいつは
手元に置いておこうと誓った。


上三川に着くとそこからは40kmくらいの下道。まだ紅葉の残る道のりを茂木に向けて
走る。ツインリンクの近いとこで最後の休憩を取る。道の駅茂木による。


ここの魅力は施設の横を走る本物のSLとジェラートのオトメミルク!!
特にオトメミルクは真冬でも食べる価値ありで自家製のジェラートに新鮮な栃乙女
をその場でゴシゴシ混ぜてかつてないうまさの本物のストロベリーアイス。



爽やかなグッチ乗りの方も通り過ぎたおじさんも満足

しかし道の駅で重大な公職選挙違反を見つける!!
それは今回のいいだしっぺのKSKだ!!
罪状を述べると、これまでの道中みんなウェアのおかげでは確かに
暖かったが手がかじかむ問題を持っていた。休むたびに缶コーヒーで
暖めたり、グローブ詰めたまま信号待ちでエンジン触って暖めたり、
「手が寒いねー」といいながらも皆寒いんだからしょうがないと共存していたのだが
ジョーR職員の人だけはグリップヒーターなんていう非国民装備をつけていたのだ。
しかも前日まではモトグッチで行くはずだったのに壊れたことにして
グリップヒーター付きのバイクをジャパレンでチャーターする始末!!
せっかく日独伊の三国同盟に酔っていたのに・・・・・
おそらく彼は一生言われつづけるだろう。