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『雀狼伝 必殺!亜空間殺法』 '00 ミュージアム

監督:服部光則
脚本:久保田圭司
原案:安藤満
出演:渡辺裕之・甲賀瑞穂・菅田俊・ジョニー大倉・松田優・榊原利彦


 実在するプロ雀士安藤満をモデルとしたよくある麻雀Vシネマ。高レートの裏麻雀やヤクザと繰り広げられるマンション麻雀など、分かり易い描写が満載であるのだが、その他の麻雀ものVシネマとの決定的な違いは、主人公の安藤満が裏麻雀から脱却しようとしている点であり、『雀鬼』シリーズでの桜井章一のように代打ちに明け暮れるという事はなく、安藤は表の順位戦で勝てない事に対して、常に悩み続けている。
 そんな勝負師の葛藤を表の世界と裏の世界のコントラストを通して、絶妙に描き出しているのが、この『雀狼伝 必殺!亜空間殺法』である。

 なんていう話はどうでも良くって、とにかくこの作品は「亜空間」、この一言に尽きる。安藤満の考案した「亜空間殺法」とは、なんて事はない、イカサマでも何でもなく、ただ場の空気を的確に読み取る、と言う殺法だ。つまり、勝ちの波に乗っている相手をポンやチーで撹乱したり、ツモの流れを変えたり、プレッシャーを掛けたり、とそんな単純な技なのだ。しかし、流石に「亜空間殺法」などと仰々しい名前を付けているだけあって、気持ち良いくらいにその殺法が決まっていく。全くもって運任せのこの打ち方で、役満を和了ってしまうのだから、とんでもない話だ。
 しかし、この亜空間殺法もなぜだか表の麻雀では通用しない。そこに悩み続ける安藤満。悩みに悩んだ挙げ句、「勝つ事を諦める」などというこれまたとんでもない精神論を持ち出す。しかも、なぜだかこの無欲の戦法で大会に優勝してしまうのである。全く、訳が分からない。亜空間殺法は一体何だったのだろう。技がないのも大概にして欲しい。

 この作品を見ていると、全自動卓が導入されて以来、麻雀に勝つには「運」しかないのか、なんて言う事を思ってしまう。その「運」操る事ができる安藤満の「亜空間殺法」は、正に魔法のようだ。こんなオカルトで麻雀界を席巻するとは、本当に恐ろしい限りである。
 川に向かって「ポンッ!!!」と叫んでしまう安藤プロ。どんな奇跡が起きようが、この男を越えられる事はないであろう。

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 この手のギャンブルものVシネマは、娯楽作品としての目的と同時に、ギャンブル攻略マニュアルとしての役割を担っている。物語の中で違和感なく攻略法を見せるという方法が採られる事も多いのだが、この作品では本編終了後、安藤プロ直々に攻略法を伝授してくれる。もちろん、亜空間殺法を伝授してくれるのであるが、如何せん亜空間なので、具体的な方法が教えられる訳ではなく、やっぱり、「場の流れを読め」であるとか「相手にプレッシャーを与えろ」であるとか、漠然としたオカルティックなレクチャーだ。残念な事に、決して為になるものではない。
 僕は「ああ、この人は強運の持ち主なんだなぁ」とだけ思いましたが、今後、僕も「亜空間殺法」を使って、勝ち続ける事を誓います。