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『アンドロメディア』 '98 TBS・ライジングプロダクション

監督:三池崇史
脚本:キサラギクリオ
脚本協力:NAKA 雅 MURA・江良至
原作:渡辺浩武
出演:島袋寛子・今井絵理子・上原多香子・新垣仁絵 ・原田健二・唐渡亮 ・クリストファー・ドイル・田口トモロヲ・椎名桔平・竹中直人・渡瀬恒彦


 確かに「スピード初主演映画」或いは、単に「アイドル映画」として認識されるのは仕方がない。この作品が、三池崇史に「ヤクザものからアイドルものまで」というキャッチフレーズを与えるのも仕方がない。しかし、この作品はスピード主演のアイドル映画という側面よりも、三池崇史が初挑戦したSF映画という側面の方が強い。少なくとも、僕にはそう感じた。
 誰かが言っていたのだが、この作品は「一時間で撮影した二時間映画」なのだそうだ。勿論、そんな筈はないだろうが、作品全体におけるスピードの出演時間を考えると強ち嘘でもないのではないか、と思ってしまうのも事実だ。実際、主演の島袋寛子の出演シーンの大半がCG合成であり、またメイキング映像を観れば分かるのだが、その撮影は島袋1人だけで行われている訳であり、一時間で撮影しようと思ったら出来ない事もないだろう。更に言えば、スピードの他のメンバーの出番もそれ程多い訳でもなく、激しいアクションなど皆無に等しい。寧ろ、ダ・パンプの出演シーンの方が金も時間も掛かっていると思われる。
 まあ、人気絶頂時のスピードを主演にするという事で、スケジュールやら何やらでかなりの制約があったのだろうし、また、所謂事務所の意向というもので、あまり過激な表現をスピードに強いる事も出来なかったのだろう。その所為もあって、作品全体におけるスピードの面々の重要度がかなり低く感じられた。正直、島袋1人で十分だし、また島袋がフルCGであったとしても、何の遜色もなかっただろう。
 普通のアイドル映画であれば、幾らスケジュール的にきつくても、この様な事にはならない。物語を蔑ろにしてまでも、アイドルのプロモーション・ビデオ的に仕上げるのが常である。しかし、この『アンドロメディア』では、その方法論を捨てて、主演のスピードとは関係ないところで好き勝手なSF映画に仕上げてしまった。ライジングがこの仕上がりをよく許したと思う。
 「三池崇史的」なんていう表現は最早タブーなのだろうが、どうしてもその様に感じてしまう。この渾沌とした雰囲気は、確かに面白いものなのだが、どうせなら三池崇史に王道バリバリのアイドル映画を撮ってもらいたかった。なんでもかんでも「三池崇史的」だと逆につまらない。

 ちなみに、スピードの中では島袋寛子さんがいちばん好きだ。ヒロ推し。特に解散後、ソロになってからの方が好きで、あのやる気のない感じがたまらない。この『アンドロメディア』の頃のヒロはまだやる気があるんだけど、それがまた健気で可愛い。