| 『したがる兄嫁2 淫らな戯れ』 '99 国映・新東宝 監督:上野俊哉 脚本:小林政広 出演:本多菊雄・江端英久・葉月螢・里見瑤子・佐々木ユメカ・向井新悟・伊藤猛 前作の『白衣と人妻 したがる兄嫁』同様、おバカな兄弟と兄嫁との間に繰り広げられる馬鹿馬鹿しくもあるが、どこか哀れでもあり、心暖まりもするエピソードをコミカルに描いたピンク映画。冒頭とラスト以外には、ほぼ一切の音楽を使用していない、という異常に淡々とした作品。勿論、台詞なんかもわざとらしい棒読みで、それっぽい邦画の雰囲気に溢れているが、なんとも馬鹿馬鹿しい脚本によって、まどろっこしい演出も幾らか緩和され、決して苛立たしいものではない。どちらかというと、笑ってしまう。 兄嫁である葉月螢は、余りにも旧世代的な夫(本多菊雄)に愛想を尽かし、姑の葬式だというのに家出をし、何故だか旅館で仲居をしている。そこに現れたのが、兄嫁のかつての恋人(向井新悟)。そこで、昔を思い出し、再び性行為へ。 まあ、かつての恋人とアバンチュールを過ごすのは一向に構わない。急に回想シーンに突入するのも仕方ない。でも、セーラー服を着た葉月螢(三十過ぎ)が体育館のど真ん中でカラミを始めるとはなんたる事だ。思わずクスリと笑ってしまう。また、かつての恋人がデブってのも、なんだか面白い。美化されない思い出、現実性の美学を感じた。 また、絶倫医師の伊藤猛もかなりへんてこりんだ。厭らしいくらいに台詞は棒読みで、馬鹿兄弟の弟(江端英久)をタコ殴りにしておいて、号泣してみたり、絶倫維持の為に異常な速度の腕立て伏せをしてみたり。最早、シニカルとかそういう次元を軽く超えてしまって、兎に角、馬鹿馬鹿しくしてしまおう、という雰囲気すら漂っている。勿論、正面から笑いを描いている訳ではないので、決して大爆笑出来る様な代物ではないのだが、何だか面白い。ついつい笑ってしまうのだ。 前作に比べると、やはり笑いの部分を重視している感が強い。ストーリーと呼べる様な、起承転結は存在せず、幾つかのエピソードのオムニバス的な構成になっている所為もあるだろう。また、妙な人間性などを排除し、まるで劇画の登場人物の様に、各キャラクターが解り易く描かれている点も大きい。物語を入り組ませる事なく、単純な面白味を表現出来ているのだ。というか、簡単な言葉で言ってしまうと、登場人物の皆が皆、結構な馬鹿である、という事だ。つまり、彼岸の面白味である。 あと、やはり、女優の魅力も大きい。特に、若い看護婦役の里見瑤子はとても良い。正統派としての魅力。葉月螢と同じベクトルだ。また、前作では結構出番の多かった個性派路線の佐々木ユメカが、今作では少ししか出てこないのが残念だ。しかし、冒頭のカラミはなぜか佐々木ユメカ。お腹のタトゥーが艶かしい。 |