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『BOM!』 '02 ケイエスエス・ビームエンタテインメント

脚本・監督:鹿島勤
出演:初音映莉子・乙葉・小野麻亜矢・上原まゆみ・小倉優子・小野愛・小池栄子・眞鍋かをり


 これは間違いなく80年代前半のにっかつロマンポルノだ。しかもレズもの。具体的に言えば那須博之監督の『セーラー服百合族』か『美少女プロレス 失神10秒前』。完全にそれを意識して作られてる。鹿島監督は那須監督の『新宿純愛物語』や『ビーバップハイスクール』で助監督をやっていた人なので、影響は受けていると思う。いや、むしろわざとマネしたって感じかも知れない。多分、後者。素晴らしいアイドルムービー。

 いじめ、恋愛、ストーキング、などなど。かなり90年代以降の現代的なテーマを扱っているにも関わらず、ほぼ全てが80年代色に染まっているのが本当に驚きで、所謂アイドルムービーらしいアイドルムービーは、この21世紀においては成立し得ないのではないか、などと思わされた。

 アイドル映画の方法論は幾つかある。決して那須博之方式(もしくは今関あきよし方式)だけではない。でもこの方式を採用すれば、安心出来るアイドルムービーが出来上がる。でもって、今はアイドルムービーの数そのものが決定的に少ないだけではなく、たまに作られるアイドルムービーのほとんどがホラーであったり、アクションであったりする訳だから、こういうアナクロなアイドルムービーが妙に浮いて思えるのだ。だからこそ、この作品の価値は高い。21世紀の80'sリバイバルファッションが、80'sそのものに見えてくる程の哀しきダサっぽさがとっても魅力的に映るのだ。
 で、また、昭和の匂いがプンプンしまくる初音映莉子がその雰囲気を加速させる。登場するアイドルの中では、一応ナウな役割を担っている小野麻亜矢も、キャラ付けの為に髪の毛を赤くしてたりして、これもまた安直な不良性を善しとする80's的感覚。いやぁ本当に気持ちの良い作品。

 効果音で笑わせたり、パロディを取り入れたり、そういうアナクロな雰囲気を出さないと、アイドルムービーらしさが出ない。というか、むしろそれこそが“らしさ”である、という強迫観念に支配された結果のアナクロニズムだったのかも知れない。つまり、アナクロである事が則ちアイドルムービーである事なので、21世紀に成立し得ないというのは、必然であろう。故に、永遠でもある。

 ただ、単純に誰もルーズソックスを履いていないから、21世紀感が出ていないだけ、という事も考えられる。もしそれがいちばんの原因だったら、逆にルーズソックスの偉大さを痛感する。つまり、90年代後半から21世紀にかけてのセックスシンボルはルーズソックス。