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『ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others』 '00 メディアワークス・博報堂・東映ビデオ

監督:金田龍
脚本:村井さだゆき
原作:上遠野浩平
出演:吉野紗香・黒須麻耶・川岡大次郎・酒井彩名・三輪明日美・清水真実・寺脇康文


 大ベストセラーとなった原作を読んでいなかった、というか、ほとんど知らなかったからなのか、あまりオタク臭を感じる事はなかった。印象としては、有りがちなアイドル学園ホラーそのもの。確かに、それぞれ違った個性を持った幾つかのキャラクターは登場する辺りは、ギャルゲー的でもあるのだが、その設定はオタク文化登場以前からアイドル映画や青春小説において使われてきたものであり、特にオタク的なイメージを抱かせる程ではなかった。ただこの手の定型的なものは、面白い面白くないで語られる事よりも、好きか嫌いかで語られる事の方が多いので、その点では固定客を相手にしたという意味でオタク的である。
 で、僕はというと、アイドルホラーは大好きだ。それは邦画だけではなく、洋画でも同様であり、『ザ・クラフト』を何度も繰り返して観たりもする。物語や映像を面白いと感じるというよりも、若い女の子が画面の中で泣き叫んだり、戦ったり、必死に逃げたり、殺されたりするのが楽しいのだ。少々悪趣味的なものなのかも知れないが、好きなんだから仕方がない。
 しかし、この作品については、はっきり言ってしまうと好きではない。
 まず、主人公が男である、という点。僕が求めているのは、擬似的な恋愛体験ではなく、可愛い女の子達の修羅場だ。男子高校生の青臭い青春など不要だ。微塵も感情移入出来なかった。
 次に、三輪明日美の使い方。アバズレ系の役は良いとしても、この作品の為に染めましたっていう感じの茶髪は、正直似合っていない。また、煙草を吸う手付きの辿々しさも、観る者を苛つかせるに十分だった。役回りとしてはとても重要で所謂“おいしい役”なのだが、なぜかやらされてる感が否めない。芸能人としての格の様なものが影響して、ぞんざいな扱いになってしまったのではないか、などと考えてしまう程だ。三輪明日美贔屓の僕としては、かなり不満が残る。
 そして、この作品が決定的にダメな理由は、セックス表現が出てこない、という点だ。ティーンズムービー、ティーンズホラーと言えば、恋愛とその延長にあるセックスが不可欠である。しかし、この作品ではそれをほんのりと臭わせるシーンこそあるが、直接的な描写は登場しない。でもまあ、アイドルが演じるのであるからそれは仕方ないのかも知れないが、いろいろとやり方があるだろう。怪物みたいな女の子が死体の目玉を舐めるだけでは納得出来ない。しかも、わざわざドラッグまで登場させて、御膳立ては完璧なのに。全く、ぬるい。

 とまあ、とんでもなく酷い事を書き連ねてしまいたくなる程に、つまらない映画だった。僕の知ってるアイドルホラーはもっと単純で面白かった筈なのに。