| 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』 '01 東宝 監督:金子修介 脚本:長谷川圭一・横谷昌宏・金子修介 出演:新山千春・宇崎竜童・小林正寛・佐野史郎・仁科貴・南果歩・村井国夫・渡辺裕之・津川雅彦・天本英世 ガメラ畑である筈の金子修介による平成ゴジラシリーズ第九作。しかも、ゴジラ・モスラ・キングギドラ・バラゴン、と怪獣総出演の大パーティーである。これだけ怪獣が沢山出てくれれば、素直に楽しめるっていう話だ。が…。 金子監督の『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』は、前田愛の魅力とイリスの造型美、そして、豪華なSFXによって、結構な傑作に仕上がったと僕は感じている。だから、今回の金子ゴジラもかなり期待をしていた。しかし、いざ蓋を開けてみると、単なるパニック映画の域を出ない凡庸な群集劇系脚本と余りにも前時代的なぬいぐるみ格闘(これこそがゴジラの魅力ではあるのだが)によって、作品全体のイメージがチープになってしまった印象は否めない。なんというか、メインを張る事が出来る怪獣を惜し気もなく出したのはいいが、その所為で一つ一つの怪獣の扱いが悪くなってしまい、どこを一体観客にアピールしたいのか全く伝わらなかったのだ。モスラの弱さなんか酷いもので、なんとなく哀しくなってくる程だ。 また、『とっとこハム太郎』との同時上映というのもネガティヴ・ファクターである。『ハム太郎』目的の子供達を喜ばせなければならない、という事はゴジラを作るに当たって大きな足枷になった筈だ。それこそ、残虐なバトルシーンを描く事は出来ないし、主要な登場人物を簡単に殺す事だって出来ない。ドラマ性が低くなる事は間違いないのである。 そして、やはり樋口真嗣が参加しなかった事は大きなマイナスであったのだろうか。まるで昭和ゴジラシリーズを観ているかの様な怪獣達は、確かに懐かしさや“ゴジラっぽさ”を持っていたのかも知れない。しかし、仰々しいCGに慣れてしまった観客にとってこれらが物足りなく思えるのも仕方がない。ハリウッドゴジラが登場してしまった今、昔ながらのゴジラで満足出来るのだろうか。これは、東宝ゴジラのアイデンティティーそのものに関わる問題なのだが、そろそろ本気で考える時が来たのではないだろうか。ぬいぐるみ格闘を捨て去る時なのかも知れない。 ちなみに、樋口真嗣は『ハム太郎』の方に参加している。 余談ではあるのだが、木下ほうかや菅野美寿紀といったVシネマでお馴染みの面々がチョイ役で出演しており、思わずニヤリとしてしまった。 |