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『実録・沖縄やくざ戦争 いくさ世30年 抗争勃発編』 '02 プレイビル・ドーダサービス

監督:OZAWA
脚本:市川徹・岬英昭
出演:小沢仁志・中野英雄・四方堂亘・ゆう輝哲也・土平ドンペイ・小沢和義・寺島進・遠藤憲一


 東映実録路線まんまの作品。奥野淳士の主題歌はモロ。
 スチールとナレーションで物語の背景・設定・あらすじ、などなどその全てを説明し、実際に人物が登場して動き回るのは、主に暴力描写の部分。人物紹介のテロップが入る。そして、入り組み過ぎて簡単には理解出来ない勢力図。実録の名に恥じない、真の実録映画だ。
 アクションシーンの撮り方なんかも、かなり実録路線を意識していて、手持ちカメラはブンブン振り回されちゃってなにがなんだか解らないし、人物が真横になって人を殴ってるし、基本的に斜めばっかりだし、もうそれ以外の何物でもない。本家の実録路線と違う点は、東映製作じゃない点くらい。

 物語は、沖縄の本土復帰以前から復帰直後あたりまでの抗争を描いている。ちょうど東映の『沖縄やくざ戦争』よりもちょっと前あたりまでがメイン。実録らしい実録であるから、基本的なスタンスは中立であり、明確な主人公は存在しない。ジーピー・ミュージアムの“実録モノ”がヒロイズムを追究する浪花節的ファンタジーであるのとは対照的に、暴力のありのままを見せるという名の下の東映的過大解釈が大々的に展開される。しかも、ほぼ全てが実名で描かれており、より一層緊迫した作品に仕上がっている。「ミュージアムの実録モノでは血の量が足りない、死体の量が足りない」と嘆く人々には打ってつけの作品であろう。ちょっと監督OZAWAもそういう意図があったんじゃないかなぁ、なんて思ったりもする。
 この作品が実録らしい実録になったのは、哀川翔・竹内力・清水健太郎が出ていないからだと感じた。ヒーロー系の主役を据えずに製作出来たからこそ、登場人物全員が平等に画面の中で暴れる事が出来た。そしてまた、それぞれの俳優があるひとつのイメージに括られない俳優ばかりであったのも、実録に繋がる。「○○シリーズの××」みたいな俳優はひとりもいない。皆が皆、自分自身ではなく、その実在した人物になりきる事が出来たのだ。シミケンが出てたらそれはやっぱり『首領への道』の桜井鉄太郎に見えてしまうだろう。だから、中野英雄だけがちょっぴり浮いていた(出番は少ないんだけど)。

 一応、沖縄の話なんだけどなぜか、スチール&ナレーションの説明部分で、山口組の話を延々と繰り返す。確かに、後々本土のやくざが沖縄に乗り込んでくるんだから、関係なくはないんだけど、それにしても山口組の話の分量が多すぎる。しかも、これまた実名での説明だ。これって、映画ではなくて、ドキュメンタリーや資料映像に近いものなのでは…、と感じる程。こりゃ、マジで実録です。とてもタメになりました。

 個人的にはものすごく好きな作品だった。ヤクザの歴史の勉強にもなるし(まぁでも、基本中の基本しか出てこないんだけどね)、ヤクザ映画に求めている生々しさに溢れているし。ただ登場するヤクザのほとんどが迷彩服を着ているのは良くない。誰が誰だか解らなくなるし、誰と誰が同じ組織なのかも解らなくなる。