| 『女郎蜘蛛』 '00 ミュージアム 監督:宮坂武志 脚本:佐々木乃武良 出演:藤村幸・奥野敦士・江原修・田口トモロヲ・小沢和義 一応エロス系のVシネマの筈なのに、別段激しくもない濡れ場と性愛に関連性の薄いストーリーに些か違和感を覚える。しかし、それも前半部分の話であって、急展開を始める物語に連れて、だんだんとエロティシズムに溢れてくる後半部分には安堵を覚えた。やはり、エロス系のVシネマは解り易く激しい濡れ場があって、ナンボのものだ、などと考えてしまった。 そして、何より、この作品の素晴らしい点は主演の藤村幸の身体である。スレンダーな躯に結構な大きさの美乳。幼児性を引き摺ったベビーフェイスに熟れ切った肉体のアンバランス。渚まゆみというよりは、池玲子。軽い母性を感じてしまったり。 しかし、この藤村幸、残念な事にこの作品にしか出演しておらず、Vシネマ以外の目立った活動もしていない。『痴漢日記』とか『女教師日記』とかそこら辺の定番シリーズの主演を張ったら、さぞ、エロティックに仕上がるだろうに。 主演は無名なのだが、その他の出演陣はVシネ界の大物ばかりで、有り触れてる感じも否めないのだが、安心感は十二分だ。特に、いつの間にかエロVシネの常連になってしまった奥野敦士はすごく良い。元ロックスターという役柄もまんま本人と同じで、リアリティー十分だ。ただ、そのリアリティーが奥野敦士にとって喜ぶべきものではない、という事が多分に伝わってしまい、同情にも近い感情を抱いてしまった。人気のあった頃の自分のライブ映像を何度も何度も繰り替えして観ている奥野敦士があまりに不憫で、直視する事は出来なかった。そして、スタッフロールと共に流れ出す奥野敦士の主題歌もまた、古臭くて物悲しいものだった。 物語については「まさか、そんな解り易い展開はないよねぇ」なんていう方向に必ず進んでくれる、期待を裏切らないものだった。サスペンスだとかなんだとかという冠は一応ついているのであろうが、エロス系Vシネマの性質上、あまり無理な物語を展開する事は出来ない。基本が濡れ場であるので、これくらいの予定調和的なストーリーが好ましいのだ。 まあ、とにかく、主演の藤村幸。これに尽きる。そして、奥野敦士の悲愴感。更には、最早コント以外の何ものでもない田口トモロヲの演技。こんなところだろうか。決してつまらない訳ではないが、物語を楽しむ程でもない。 それにしても、最近のVシネマはかつてのピンク映画に比べて全然エロく感じない。もっとエロくても良いのに…。 |