| 『パチプロ浪花梁山泊』 '96 KSS 監督:門奈克雄 脚本:山本優 原作:浜田文太・郷力也 出演:渡辺裕之・小沢和義・柳沢超・石塚英彦・石橋保・木下ほうか・長谷川恒之 誰が呼び始めたのか分からないが、『Vシネマ四天王』などというものが存在する。まず、哀川翔と竹内力は言うまでもなく、この四天王の座に就く。この二人は、ずば抜け過ぎている。そして、四天王の残りの二人。これが大問題なのだ。誰を選ぶのか、それがとても難しい。 あるVシネマに関する書籍においては、哀川翔、竹内力の二大巨頭に、中条きよし、渡辺裕之の二人を加えたものが『Vシネマ四天王』とされている。しかし、その後には清水健太郎や白竜、清水宏次朗、或いは、大和武士など、沢山のスターが控えており、もはや誰が好きなのか、誰を推したいか、という個人的な趣味によって『Vシネマ四天王』が決められるべき状況であろう。ちなみに、僕の考える『Vシネマ四天王』は、哀川翔、竹内力、渡辺裕之、清水健太郎、である。特に渡辺裕之を推したい。 渡辺裕之は決定的に恰好良い。鋭い眼光、艶やかなに焼けた肌、落ち着き払ったその態度。全てが完璧で、全てが恰好良い。何もかもを委ねたくなるような不思議な空気とそれを確実に受け入れてくれる安心感がある。この恰好良さは、哀川翔の持つ人間臭くて弱々しいそれでも、竹内力の持つ過剰な力強さでもない。男の安心感。心を預けずに入られない求心力。渡辺裕之に守ってもらいたい。全くもって勘違いな願望なのかも知れないが、自然とそう感じてしまうのだ。 この『パチプロ浪花梁山泊』での渡辺裕之は、正にその恰好良さを象徴である。この作品を観れば、リーダーとは何たるかを学ぶ事が出来る。時には冷たく、時には優しく、しかし、単なる飴と鞭ではなく、常にシビアな態度を保ち、そして、仲間を、自分を信じる。これ程までにパーフェクトなリーダーは未だかつて存在したであろうか。 渡辺裕之のキャリアを輝かしいものにした決定的な作品がこの『パチプロ浪花梁山泊』であると言っても過言ではないだろう。この作品が人気シリーズとなったという点だけではなく、渡辺裕之のキャラクターを最上級に引き出す事が出来たという点においても、このシリーズは重要である。また、麻雀のように対人間のギャンブルではないパチンコというジャンルにおいて、ハードボイルドな視点と戦う男のロマンティシズムを取り込み、安直な攻略ガイドに陥らなかったという点でも評価が出来る。紛れもない傑作だ。パチンコに興味があろうが無かろうが、そんな事は関係なく渡辺裕之の恰好良さを感じる事が出来る傑作なのだ。 |