| 『梁山泊 究極の攻略軍団』 '02 インターフィルム 監督:門奈克雄 脚本:須賀神 原作:梁山泊 出演:赤井英和・布川敏和・天宮良・彦麿呂・川瀬陽太・佐々木ユメカ・斎藤暁 渡辺裕之から始まって、布施博に受け継がれ、そして赤井英和へと回ってきた、名誉ある梁山泊リーダーの椅子。これまでのシリーズでは、パチンコ攻略集団『梁山泊』の個性溢れる構成員達にスポットを当て、彼等を取り巻く人間ドラマをパチンコの攻略を絡めて描くものが殆どだった。リーダーは、時に力で、時に優しさで、トラブルを解決し、構成員達に安らぎを与え、人間ドラマを美しく演出してきた。簡単な言葉で表現すれば、それは『ギャンブル人情ドラマ』であった。 しかし、主役の交代したこの作品は、かなり様子が違っている。まず、梁山泊は決して攻略集団として描かれていない。リーダー(赤井)と師範代(布川)の二人のみが主な構成員であり、その他のメンバーは梁山泊の講習生である。梁山泊というビジネスが次なるステップへと歩んでいる事を証明する。 そして、物語も違っている。攻略集団である筈の梁山泊の事務所へとパチンコ店オーナー(斎藤)が何故だか相談に来る。「最近、抜かれているみたいなんだ…。調べてはくれないか」。そんな驚くような展開から始まり、遂には梁山泊は攻略集団としてではなく、まるで探偵の様に、或いは、『ミナミの帝王』の様に、トラブルを解決するのだ。 この作品におけるパチプロの持つベクトルは、今までのギャンブルものVシネマに登場する彼等のものと全く異なる。パチンコで勝つ、或いは、勝負に勝つ、という大前提をいとも簡単に放棄して、所謂“世直し”に向かって進んでいるのだ。それこそ、金融もののシリーズの主人公の様にだ。 この主演がVシネマには比較的馴染みの薄い赤井英和の主演によって作られたという事が何とも象徴的と言うか、何と言うか。今後展開されるであろう、この手のシリーズに対する未来が開けてくる様な気がしてくる。こうやって、新陳代謝が行われていくのだろう。 この作品では、所謂ハーネスモノの裏モノ(裏ロムとかではなくて、配線にちょっとした手を加えるだけで大当たりの遠隔操作を行うもの)によるゴトを扱っているのに、赤井は「こんな事が行われているという事が、噂としてでも客に知れたら、店の信用はなくなる。そんなんじゃパチンコは廃れる」みたいな意味の事を流暢な関西弁で言う。そんなメッセージを伝えるんだったら、こんなVシネマを作るな、と言いたくなった。でも、この作品には全くのオカルトを否定した真の攻略法が紹介されており、何というか、つまり、この作品は、観た者に対して優越感を与えている物なのだろう、と思った。このビデオを手に取った物だけが獲られる有益な情報、っていう訳だ。 物語だけではなく、そういう実用的な情報も存分に含まれているので、この作品は非常にバランスが良い。あと佐々木ユメカも相変わらず良い感じで、これまた良い。 |