| 『聖獣学園』 '74 東映東京 監督:鈴木則文 脚本:掛札昌裕・鈴木則文 原作:鈴木則文・沢田竜治 出演:多岐川裕美・山内えみこ・渡辺やよい・三原葉子・渡辺文雄・谷隼人 何故、杉本美樹や池玲子作品はDVD化されないのに、この作品はDVD化されるのか。その答えは、多岐川裕美が現役だ、っていうことで片付いちゃうとは思うんだけど、なんとなく腑に落ちない。『0課の女 赤い手錠』がDVDで欲しいです。『女番長』シリーズも欲しい。『恐怖女子高校』シリーズも欲しい。つうか、成人指定は難しいか…。 現在(平成15年末)、『女囚さそり』シリーズを除いて、唯一DVD化されている東映ピンキーバイオレンスムービーがこの『聖獣学園』。修道女だった母親の死の真相を追い求めて、魔矢(多岐川裕美)は修道院に潜入。そこで待ち受けていたのは、とんでもなくドロドロとした拷問と欲望の渦であった! みたいなお話。基本はやっぱり復讐なんだけど、どことなくホラーなテイストにも溢れていて、和製『サスペリア』といった風情(というか『サスペリア』の方が後なんだけど)。 修道院というものは、要するに監獄である。厳しい戒律があり、それを破った者には厳しいお仕置きが待っている。刑務所と全く同じ構図。しかも、自ら進んで修道院なんていう場所に入ってくるバージンってやつは、どこかおかしな人ばかり。刑務所がはぐれものの巣窟になるように、修道院もはぐれものが集うのだ。そりゃあ、おかしな拷問もあるだろうし、殺人だってレイプだって、なんでもある筈だ、ってな具合の考えを起こさせる程に正統な刑務所ムービーである。「正しいものをひん曲げてやろう」「清らかなものなんてこの世には存在しない」という東映の素質そのものを解り易く説いた作品。そういう意味では三角ビギナーにこそ観て頂きたい。渡辺文雄のとんでもない格好なんかも、東映の映画を象徴しているようで、とても安心できる。悪役・渡辺文雄はやっぱりそうこなくっちゃ、みたいな。 面白いとは思います。バランスよいエロス、バランスよいバイオレンス、美しい女優、ちゃんと揃えるべき点は揃っている。でも、脚本がかなりダレている。中盤で一度、謎が解き明かされる。そして、そのままクライマックスに行くのかと思いきや、なぜかそこで一息入れる。同じ話を別角度から料理してしまうのだ。結局、時間稼ぎ。盛り上がりを殺してまでも、丁寧な物語の運びが必要だったのか? たぶん、必要無い。それがなくてもラストは変わらない。間違いない。 一息入ったとき、そのまま別の方向へ向かって進んで石井輝男方式にでもなっていたら、また違う感覚になったのだろう。というか、観ている限りではそういう方向へ進む雰囲気だし、こっちもそれを求めてしまう。でも、裏切られちゃって、ちょっぴり残念。ひと粒で二度美味しいのかと思ったら、二粒で一度しか美味しくなかった。残念。 それにしても、キリスト教って器が大きいね。この映画だけじゃなくって、いろいろとキリスト教を穢すような作品は沢山あるけど、ほとんど問題にならないもんね。回教がネタだったら大変なことになりますよ。 |