| 『修羅のみち2 関西頂上決戦』 '01 KnacK 監督:小澤啓一 脚本:井上鉄勇 原作:鈴川鉄久 出演:哀川翔・小西博之・新藤栄作・力也・亀石征一郎・川地民夫・清水昭博・細川たかし・内田裕也・松方弘樹 素晴らしい! 超絶スーパー・バイオレンス・ムービー! 触れるべき点があり過ぎて、もう何がなんだか解らない、とてつもない作品だ。「ニセモノっぽすぎる」「リアリティがなさすぎる」「警察は何をやってるんだ」「末端組員の命の価値が低すぎる」などという形容ばかりで、決して評価される事のない『修羅がゆく』『修羅のみち』シリーズだが、ここまでやれば、もうそれはそれは納得しなけりゃなりません。 では、数多くある触れるべき点の幾つかにひとつひとつ言及していこう。 まず、この作品の台詞の約70%が説明台詞である。つまり、人間の動きであるとか、前後の文脈であるとか、或いは伏線であるとか、そういうものに頼って物語が進行しないのだ。物語の何%かを隠し、観る者の感性に委ねる、などという不親切を一切排除している。物語は登場人物達の親切な台詞によって展開され、100%の割合で完全に説明される。どんな人間であろうともこの物語を同様に捉える事が出来るのだ。これは物語の完成系とも言えるだろう。 第二点目、松田優と内田裕也がかなり強い。特に松田優の強さは異常で、ほぼ完璧な殺人マシーンと化している。飛び蹴りで殺す。素手で首を撥ねる。まるで黒沢清の『地獄の警備員』の様だ。それはアクションではなくホラーの域に達している。一方、内田裕也はというと、なんとフレディだった。おそらくダイヤモンドクラスの硬度を持ち合わせる爪付きの義手でもって、何もかもを破壊する。ミステリアスな雇われヒットマンとしても余りある程の個性の持ち主。でも、狙撃にはあっさり失敗してしまう辺りが可愛らしいのかなんなのか、ってな感じでもあって、少々の中途半端さ加減を拭えない。死に様も頼り無かったし。 で、次、細川たかしの必然性が全くない。一応、最終的には哀川 vs 松方のバトルを上手い感じに取り持って、その上引っ掻き回しているのだが、登場そのものに対する理由付けは一切されていない。ゲスト的扱いであるので、殺されるのかと思ったけど、そうではなくて、じゃあその後のバトルに登場するかというと、そうでもなさそうな、なんとも意味不明な登場であった。ついでに、大阪を本拠に一本どっこで頑張る組の組長なのに、思いっきり標準語だったりする不手際まであって、首を捻るばかり。でも、演歌歌手のヤクザ姿程、魅力的なものはないので、ありがたい登場ではありました。 そしてやっぱり、松方弘樹。これが、また悪い。とんでもなく悪い。屋上でハッパきめるより悪い。丸腰で警視庁に殴り込みするくらいに悪い。中学の廊下で堂々と静脈注射するくらいに悪い。まぁ、いろいろと仁義のジの字もちらつかない悪事を働くのだが、その中でもいちばん悪いのが、細川たかしの若い衆をマグナムでぶち抜くところ。その若い衆がよりにもよって、目黒大樹だってんだから恐ろしい。実の子供の顔をぶち抜いて、目玉をカメラにぶつけるんだから。悪すぎる。 でもって、哀川翔は仮想警察となり、悪玉松方を懲らしめるべく奔走する。そりゃあ警察の出る幕もありません。これでいいのだ。 その他にも、力也が裕也に撃たれるところとか、川地民夫の叔父貴っぷりが不自然なところとか、例によって、ピストルの弾でいとも簡単に、しかもスッパリと手首が切り落とされてしまうところとか、電流とか、いろいろと触れたいところがありすぎる。ラストの哀川 vs 松方のシーンもなんちゅうかはっきり言って、有り得ない。予想外も甚だしい。 とにかく、スゴイと思う。ここまでやればそりゃ面白くなる。どんどんエスカレートする修羅シリーズはもう本当に誰も付いていけないのではないだろうか、なんて心配になってきた。 (ところが、この次の三作目はちょっぴりトーンダウン。細川たかしと内田裕也は偉大だった!) |