| 『パチスロ攻略王2 GET LUCK2』 '00 ケイエスエス 監督:宮坂武志 脚本:小林弘利 出演:小沢和義・益子和浩・森羅万象・松山鷹志・水上竜士・留美・奥野敦士 高知東生主演のパート1とは特に繋がっていません。 パチンコ/パチスロもののVシネマには、何らかの形でその機種の攻略法が織り込まれているのだが、この作品はそれが一切なく、とても潔い。そしてまた、パチスロで勝つという行為に対して、オカルトの要素を完全に排除しているのも現実的。更には、フィクションに有りがちな有り得ない大勝ちもしておらず、結構なリアリティーが備わっていて、パチスロ好きがフムフムニヤニヤとしてしまう感じだ。「宮坂監督ってパチスロに造詣が深いのね」と嬉しくなってみたり。 なんて思って観ていたのだけど、どうしても許せない描写が幾つか登場してきて、スロッターの小さな幸せはあれよあれよと崩れ落ちてしまう。 その許せない描写というのは、大介(主役、小沢弟)&そのライバル佐々木の打ち方。スロ業界では“強打”と呼ばれ、忌み嫌われる打ち方を延々と続けてしまうのだ。 この強打とは、読んで字のごとくリールを止める際に力強くボタンを押す行為である。押す力によって、大当たりが引けるかどうかに影響なんてされないにも関わらず、「当たれ! 当たれ!」と念を込めて強打する、という行為。パチスロの内部抽選システムに明るくない初心者や中高年層、或いは夏休みの高校生なんかによく見られる行為であり、ホールにおいてはマナー違反として時に店員から注意を受ける程だ。そしてまた、この強打は自らがパチスロに疎い事を証明してしまう行為であり、それは則ち自分がパチスロで勝つ確立が低いという事を臆面もなくアピールしている事でもある。 そんな恥ずかしい行為をプロである主人公が繰り返してしまうのだ。なんとも哀しくなるパチスロムービー。プロになるくらいパチスロに精通しているのだったら、強打は有り得ない。 パチスロなんていうものは、かなり敷き居が高く、狭い世界の中のものであるのだから、パチスロを好む人々は結構なこだわりを持っていると思われる。物語を作るとしても細かいディテールに気を遣わないと、このビデオを手に取る人々は納得しなだろう。この作品はディテールを無視している。残念で仕方がない。 キャラクターの立った軍団のメンバー、主人公抜きで展開されるストーリー、ラストに流れ込む奥野敦士の歌、そして宮坂監督らしいバトルシーンの過剰演出。などなど、観るべき点が皆無という訳ではない作品故に、パチスロに対する理解の低さが気に掛かる。 リアリティーを追究したから攻略法が登場しない、のではなく、何が攻略なのか解らないから攻略法が登場しない、というのがこの作品の真実。やっぱり投げやりな作品でした。残念。 |