| 『新ヤンママトラッカー 激突!夢街道編』 '01 ミュージアム 監督:光石富士朗 脚本:光石富士朗・玉城悟 出演:坂上香織・江口尚・曽根英樹・つじしんめい・又野誠治 まずは前置きがとても長くて「これは一体の何の話なのか」と不安になる。トラックも出てこないし、坂上香織も出てこない。密漁する奴らと、それを退治する漁師達の戦いが展開されるばかり。でもって、長い長いそれが終わり、やっとの事で坂上が登場。しかし、なかなか物語は展開されず、さっきの漁師とも繋がらないし、タイトルすらも登場しない。なんだこりゃ? これは一体何時間の映画なのか? なんていう感じだ。 で、徐々にお話は進み、坂上がその密漁のお手伝いをする事になって、なんやらかんやら…。 光石監督の傾向として挙げられるのは、物語があまり綺麗にまとまらない、という点であり、この作品もそのひとつである。長い前置きとその後の物語ががっちりと噛み合っている訳ではない、かといって全然関係ない訳でもない、みたいな中途半端雰囲気のまま、ある種なし崩し的に時間が過ぎ去っていく。でも、だからと言って、物語が破綻している訳でもなくて、「ああ、これは多分こういう風に繋がるんだろうなぁ」と思わせる様な伏線を微妙に絡めつつ展開されるので、決してストレスになる事はない。ただ、物語の主軸となるであろうものが一体何なのかは、オチを見るまで解らないので、安心して観る事は出来ない。とんでもなく酷いオチだったらどうしよう、という不安が付いて回る。 この作品では、又野誠治の密漁の話と、江口尚のストリップ嬢の話が絡み合いながら同時に展開される。それがちょうど2本の軸となり、どちらが本筋なのかは決して明確化されないままラストへと進んでいく。 で、一体オチはどうなるか。それがびっくり、全然オチていなかった。完全に投げっぱなしている。これは反則だ。 基本的には、一期一会系のお人好し人情ドラマである。これは旅によって物語が作られるデコトラモノのセオリーであり、この作品も途中まではそうだった。しかし、陸の女・坂上と海の男・又野がとんでもなくいやらしいセックスをした辺りから話がおかしくなってしまう。幻想とも妄想ともつかない、現実と非現実の境界線上を行ったり来たり、なにがなんだか解らなくなってしまうのだ。一応その説明として、「クスリによる幻覚」という要素があるのだが、だからと言って物語が崩壊して然るべきなのか? と首を傾げてしまう。 そもそも坂上は冒頭で借金の肩として自慢のデコトラかぐや姫を差し押さえられてしまう。だから、物語の前半部分、何故だか軽トラで仕事をする。なんというか、はなっからこの話はおかしいのだ。デコトラモノなのに、軽トラに乗るっていう時点でおかしい。そう考えると、ラスト間際からのアシッドテイストもなんとなく納得出来る…。 うーん、なんだかよく解らない作品だった。とにかく、観終わった後は「へ?」みたいな感覚に襲われた。どっちかっていうと、珍しい感じで結構面白いとは思うのだけど、よく解らない。ただひとつよく解った事は、坂上と又野のセックスが物凄くいやらしくて、それが物語の折り目になっているという事だけだった。 |