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『ゼブラーマン』 '04 映画『ゼブラーマン』製作委員会

監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
出演:哀川翔・鈴木京香・市川由衣・近藤公園・安河内ナオキ・渡辺真起子・内村光良・古田新太・麻生久美子・袴田吉彦・柄本明・岩松了・大杉漣・渡部篤郎


 なんだか嬉しく泣きそうになりました。なぜなら、この作品がとっても面白かったから。っていうのはまったくの嘘っぱちで、泣きそうになったのは、曽根英樹にまったく反応を示さないような人々(つまり普通の人々)がラストシーンの翔さんを観て「格好良い!」って言ってくれたから。翔さんの主演映画100本目にして、翔さんの主演映画を初めて観るようなお客さんが、それがどんな見方であろうとも、どんな動機で劇場に足を運んでいようとも、“祭り”の主役である翔さんに対して「格好良い!」という感想を述べてくれたんだから、そりゃあ泣きそうにもなりますよ。映画の中身が伴っていなくとも、本来の翔さんの格好良さを堪能できなくとも、翔さんがまったく生活に密着していない人たちまでをも巻き込んで、この“祭り”が執り行われているということが嬉しいし、とても素晴らしいことだと思う。ラストシーンなんかは、まさに物語と現実(劇場の状況)とのオーバーラップにしか思えなくてかなりの勢いで感動しました(そういう感動の仕方をしてたのは、僕だけかも知れないけど)。
 でも、やっぱりもっと面白い映画だったらなぁ、って思ってしまうのも事実。記念すべき主演100本目。そりゃあ最高傑作であって欲しい。ところが残念なことに、それには程遠い作品…。正直「100本目なのにこれかよ…」みたいな気持ちになって、それで泣きそうにもなった。それこそ『キルビル』じゃないけど、劇場内に「ありえないよね〜」みたいな空気もちょっぴり漂ってたし。「本当はそうじゃないんだ! 翔さんをそんな目で見るな!」って思ったり。あと、「クドカンがすごいじゃない! 翔さんがすごいんだ!」って思ったり…。

 すんげえジレンマな作品。翔さんに対する思い入れがない人にとっては、そうでもないのかも知れないけど、僕個人的にはなんともかんとも言及し難い、ってのが正直なところ。「つまらない」なんてことは決して言いたくないけど、かといって「最高に面白い!」とも言えない。ただ、どんな形であれ、沢山の人々が翔さんの映画を楽しんで観ているってことが、素直に嬉しい。ホント、そこに尽きます。
 渋谷ツタヤで前売り券が売り切れになってたり、劇場がビックマックの匂いで充満するくらいにお客さんが沢山観に来てたり、『69』の予告編を観て「クドカンなんだあ、これ観たいね」とか話している短大生風の4人組が来ていたり、いつもの翔さんの主演作では考えられないことが生じている。とにかくこの“祭り”がちゃんと盛り上がってくれてるのが良かったです。単なる“話題作”ってことなんだろうけど、これを切っ掛けに翔さんに目覚めてくれる人もいることでしょう。何はどうあれ、お客さんが入ることは素晴らしい!

 僕は翔さんが好きで好きで溜まらないので、前向きにこの映画を捉えます。翔さんのことをほとんど知らなかった人々に翔さんを広めてくれたので、クドカンのことも好きです。ただ、クドカンが僕と同じような感じで翔さんのことを好きであるならば、という条件付きで。