児島 康宏 / KOJIMA Yasuhiro
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トルコに眠るグルジアの教会群


グルジアは教会の国だ。狭いグルジアの国土の至るところに無数の教会が立っている。

4世紀初頭にグルジアの国王がキリスト教に帰依して以来、ペルシア人やアラブ人、トルコ人など、さまざまな民族からの絶え間ない侵略を受け続けた苦難の歴史を通じて、キリスト教は常にグルジア人の心のよりどころであった。苦しいときにあってグルジア人は教会に集い、信仰を守ってきた。多くのグルジア人にとって、ソヴィエト連邦時代を経た今もそれは変わらない。

グルジアを訪れる外国人の旅行者は、グルジア人に案内されて観光すると、古い教会ばかり幾つも幾つも見せられてしばしば閉口することになる。グルジア人たち自身、グルジアの各地の古い教会を訪ねるのを非常に好み、週末になると友人どうしで集まって少し遠くの古い教会へよくピクニックに出かけたりする。

グルジア国内の教会は、宗教的な活動が事実上禁止されていたソヴィエト連邦時代には廃墟となっていたが、1991年の独立後、徐々にその機能を復活しつつある。2002年現在、各地の教会では復旧工事が行われており、崩れ落ちた天井を直したり、白い石膏で上から塗り固められてしまった壁のフレスコ画を復元したりと地道な作業が続けられている。首都トビリシでは、経済的に非常に苦しい状態が続いているにも関わらず、新しい教会さえ幾つも建てられている。

その代表格が下の写真のサメバ教会 samebis tadzari (日本語にすれば「三位一体の教会」とでも訳されようか)だ。1997年に建設が始まったこの教会は、未だ完成を見ていない。完成は2004年に予定されている。てっぺんまでの高さが地上から60メートルを越えるというグルジアでは未曾有の大教会は、完成すればコーカサス最大の教会となる。トビリシの中の小高い丘の上で建設が進められており、市街を下に眺めるその威容は既にトビリシのシンボルたる風格をたたえている。

さて、グルジアの中でのこのような教会の復活の動きなどどこ吹く風といわんばかり、人々の記憶から消し去られたまま、ひっそりと眠る一群の教会がある。

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Copyright © 2002 Kojima Yasuhiro