その2 ICカード乗車券 Suica/ICOCA/せたまる乗車券


 今回はICカード乗車券です.
 JR東日本の「Suica」が随分と普及したため,説明の必要は少ないかと思いますが,一応基本的なことだけでも.
 各社ICカードに使用しているのは「非接触型ICカード」と言われるもので,ソニーの提唱する「FeliCa」という規格が採用されています.非接触型ICカードには国際標準規格ISO(ISO14443)にTypeA,TypeBが規格化されています.FeliCaは国際規格ではありませんが,その応答性の良さから鉄道,バスのカードとして普及しています.

 また,FeliCaは電子マネー「Edy」にも使用されています(コンビニam/pmで使用できます).また2003年10月27日に「NTTドコモとソニーが携帯電話にFeliCaを搭載するための合弁会社を設立」と報道がありました.いまや誰でも持っている携帯電話ですから,これにICカード機能が乗れば,随分と便利になるのでは?といまから期待しています.もっとも,ハードウェアが良くてもソフトウェア(運用)が悪くて失敗した例は多々あるので,あまり楽観視ばかりもできませんが‥‥

 FeliCaはカード内に電源を内蔵せず,リーダー/ライターから発信される電磁波によって通信を行います.通信は13.56MHzの周波数帯を利用し,212kbpsの速度で行われます.カードとリーダー/ライター間の通信は暗号処理も含めて約0.1秒以内に終了します.リーダー/ライターとの通信距離は10cm以内であるため,JRの改札では「タッチ&ゴー」と言われていますが,実際はリーダー/ライターのうえをかざすだけでも通れます.(実験中に認識率が悪かったため,タッチ&ゴーの方式に変更されました.ですから改札を通るときは,「タッチ&ゴー」で通ってください.)

1.JR東日本「Suica」/JR西日本「ICOCA」

 JR東日本「Suica」とJR西日本「ICOCA」です.
Suicaは「Super Urban Intelligent CArd」,ICOCAは「IC Operating CArd」の略ですが,ともに「すいすい通れるカード」と,「ほな行こか」をもじっているものと思われます.
 (JR西日本は仲間由紀恵さんが「ICOCAでいこうか〜」と宣伝してました.)

 ともにストアードフェア機能(つまり前払い)のカードで,自動改札を入るときに入場駅が記憶され,出るときにそこまでの金額が自動的に引き落とされます.

 Suicaは入場時に初乗り料金が引き落とされ,退場時にその差額がさらに引き落とされます.初乗り料金以下の残額では入場することはできません.
 ICOCAは入場時に金額の引き落としはされず,退場時に一括して精算されます.これは磁気カードの頃から,「何で残額があるのに電車に乗れへんねん.」と苦情が多かったからのようです.(関西らしいと言えば関西らしいのですが)‥‥^^;)

 ともに購入時の金額は2000円(運賃額1500円+デポジット500円)で,最高チャージ金額は20000円です.

 2004年8月1日より,SuicaとICOCAは相互利用ができるようになりました.また他社私鉄との相互利用も考慮しているよう.スルッとKANSAIの発行するPiTaPaカードとの相互利用は2005年度以降になる模様です.関東は最近「パスネット(磁気カードによる共通プリペイドカード)」を始めたばかりで,さらにICカードへの転換となると自動改札も更新しなければいけないので,まだ時間がかかりそうです.

 ちなみにICOCAのキャラクターは「イコカモノハシ」.このカードはICOCA導入記念カードで,5万枚の限定です.

ICOCA対応の自動改札機です(JR尼崎駅)
JR塚口駅においてあったICOCA用のチャージャーです.
この駅では券売機は更新されておらず,チャージはこの機械でやるようになっていました.


 2004年3月22日から,Suicaによる駅構内でのショッピングサービスが始まりました.これを利用することにより,いちいち財布から小銭を出すことなくスムーズに買い物ができるようになります.
 このサービスを受けるには,のマークの入ったSuicaを持っていなくては行けません.このマークの入っていないSuicaを持っている人は,駅で無償で交換してもらうことができます.
(ペンギンも入ります ^^;)


2.東京急行世田谷線「せたまるカード」

 東京都の世田谷区(下高井戸〜三軒茶屋)を走る,東急世田谷線専用のICカードです.
 世田谷線は料金が均一(2003年9月現在,大人130円)で,料金先払いなので,入場時にタッチすると規定の金額が引かれます.退場時のチェックはありません.
 購入金額は2000円(運賃1500円分+デポジット500円)です.
 また乗車時に規定のポイント(時間帯,曜日などによって違います)が貯まり,10ポイントで1回分の運賃額を追加入金時に還元してくれるサービスもあります.

乗降口に上のようなICカードリーダーがあり,これにタッチして電車に乗ります.   
    
世田谷線は無人駅が多く(バスのように乗車時に運賃を支払います),券売機もないため,そういう駅では上のような確認機がホームに設置されています.右の写真のようにリーダーにタッチすると,残額とポイントが表示されます.

3.降りたら駅がエリア外!こんな時,どうするの?

 事前にエリア内かどうか確認してから出かけましょう(笑).もし初めからエリア外の駅へ行くなら,ICカードで切符を買っておくようにしましょう.SuicaとICOCAは入場時,退場時にカードにアクセスしていますので,もし入場記録があっても退場記録がない場合,次回の入場ができないようです.エリア外の駅で下車した場合,駅員さんに事情を話すと,「ちゃんと退場してますよ」という証明書がもらえます.次回Suica/ICOCAの対応駅でこの証明書を提示し,前回の入場記録を抹消してもらう必要があります.(と,SuicaはwebにQ&Aが載っていてこういう風に書いてあるんですが,ICOCAは探したけれど見つかりませんでした.おそらく同じようになっていると思います)
 せたまるカードは全線がエリア内なので,こういうことは起こりません.

4.そしてKANSAIでは‥‥

 本当はこの話はもうちょっと後に書こうと思っていたのです.「スルッとKANSAI」協議会が,「PiTaPaカード」と言うICカードの導入を予定しており,その導入時に書こうかと思っていたのですが,PiTaPaカードはいつ導入されるのかはっきりしない(初めは2003年中と言われていましたが,諸般の事情によりもっと後にずれ込みそうです)ため,ICOCAデビューにあわせて書いたわけです.
 PiTaPaカードは上記の3つのカードとは異なり,「ポストペイ」つまり「後払い」式のカードになる予定です.あらかじめ引き落とし口座を申請しておき,使用後にそこから引き落とされる訳です.クレジットカードと同じですね.
 カードの申請に手間がかかるのが難点ですが,自動券売機の更新が不要(チャージの必要がないから),乗車実績に応じてポイントや割引などをつけることが可能,電子マネーの機能を持たせることが可能,など利点もあります.またJR西日本のICOCAとは相互利用できるようになる見通しです.
 しかしサービスが始まらないことには何もなりません.まずは阪急電鉄と京阪電鉄で始まる予定なのですが‥‥
 (2004年5月8日追記:京阪,阪急,能勢電鉄の3社で夏頃から導入されます)
 (さらにその後追記:2004年8月1日から本サービスが開始されました!) 

阪急塚口駅の改札です.一応ICカード対応機のようですが,リーダー部分がシールで被われています.
阪急電鉄のホームページで「新型改集札機(2枚投入が可能)」と紹介されているのがこの型の自動改札のようです.
 しかし新型機になっているのは,2003年11月1日現在,この改札では両側の2台だけ.
 まだまだ開始には時間がかかりそうです.


2003年12月21日 追記
 PiTaPaカードは2004年初頭からテストに入り,2004年夏頃に導入予定だそうです.
 う〜,フィールドテストに参加したい!


2004年5月8日 追記
 PiTaPaのサイトがオープンしています.
 3月末よりモニターによるテストが始まっています.モニター募集に応募したかったのですが,「週1回以上使う」のが条件だったので,見送らせていただきました ^ ^;


さらにそのあと追記
 2004年8月1日より本サービスが開始されました.
 詳しくはICカード乗車券その2をご覧ください.