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泌尿器疾患


今回は泌尿器疾患についてお話しさせて頂ければと思います。まず、げっ歯類の泌尿器の特徴を挙げさせて頂きますと、次の通りになります。
 

泌尿器の特徴
  ・腎臓は多乳頭状ではなく、単乳頭状
  ・特異的尿性状
    −高アルカリ尿
    −生理的有色尿
    −炭酸カルシウム等の結晶成分が見られる(特異的なカルシウム代謝機能)

げっ歯類は、しばしば、ドロッとした赤褐色の尿が出ることがあります。血尿とよく間違われやすいのですが、ご心配になる必要はありません。特異的な代謝機能を持っているため、小松菜や補助食(カルシウム入りクッキー)等を与えた場合、過剰摂取された炭酸カルシウム等の成分が尿中に排出されるのです。犬・猫・人などの場合は便が固くなったり、白くなったりしますが、げっ歯類の場合は尿中に排出されます。

ただ、有色尿の状態が続くことは、あまり好ましくありません。炭酸カルシウム等が過剰摂取されているということは、腎臓への負担も大きいということですし、結石になる可能性もあります。泌尿器の疾患としては、次のようなものが挙げられます。血尿、乏尿、頻尿、排尿障害等の症状がみられます。
 

泌尿器疾患 主訴(血尿、乏尿、頻尿、排尿障害等)
  ・膀胱炎(「3.膀胱炎」については、こちら
  ・腎不全(「11.腎臓の検査」については、こちら
  ・膀胱結石(炭酸カルシウム等)

3番目の「膀胱結石」については、人間の病気としてもよく耳になさるかと思いますが、過剰摂取された炭酸カルシウムが固い石のようなものとなり、蓄積される病気です。内科的な治療のみによる完治は不可能で、手術が必要になります。同時に食餌内容の改善も必要です。有色尿がみられた場合も食餌内容の見直しが必要です。改善策としては次の3点が挙げられます。
 

食餌内容の改善
  ・飲水を多く与える
  ・水分の多い野菜を与える(レタス等)
  ・カルシウムの摂取量を減らす

げっ歯類飼いのご家庭では野菜から水分を摂らせていらっしゃるところも多いかと思いますが、有色尿が出ていたら泌尿器疾患への危険信号が出ているとも言えますので、吸水ボトルを付けたり、飲水用の器を入れたりして対処して頂ければと思います。

水分の多い野菜としては、レタス等が適当かと思います。レタスには硝酸塩という成分が含まれており、体力が低下していたり、ストレスがあったりすると亜硝酸中毒の原因ともなりますが、含有量はわずかですので、他の食餌とバランスよく与えるようになされば、特にご心配になる必要もないかと思います。

また、カルシウムの摂取量を減らす方法としては、カルシウム含有量の少ない野菜やペレットを探すということになりますが、野菜の場合は、書店で売られている「食品成分表」(1300円くらいで入手できます)で簡単にお調べになれます。ここで大切なのは、カルシウムの含有量と併せて、リンの含有量も調べるということです。カルシウム(Ca):リン(P)比でみた場合、カルシウムの割合が小さく、リンの割合が大きいものが望ましい野菜となります。

カルシウム含有量の少ないペレットとしては、「Oxbow(オックスボウ)社」の治療用ペレットが有効のようです。通常、市販されているペレットはマメ科のアルファルファが主原料ですが、Oxbow社製のものは、唯一、イネ科のチモシーを主原料としており、高繊維、低カロリー、低カルシウムです。入手方法としては、エキゾチック・アニマルを診て下さる動物病院で分けて頂くか、個人輸入になるかと思います。Oxbow社からは、低カルシウムで、ややカロリー高めのメンテ用ペレットも出ていますので、幼体や経過が順調な成体用等、目的に合わせてご利用になれるかと思います。


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